先月、1月19日の記事で、我々このように皆さんにお伝えしていました。
「降誕節の時期は、典礼色(テーマカラー)が『白』」
「2月17日の『灰の水曜日』から受難節に入ります(つまり典礼色が変わる)」
これ自体は何も間違ってはいません。本学が関係している「日本基督教団」という教派が発行している『日毎の糧』という冊子にも、次のような表が掲載されていまして、それを見る限りでは、ちゃんと「降誕節は白」「受難節は紫」と書かれているんですよね。
(聖書日課編集委員会 編,『日毎の糧2021 ―主日聖書日課・家庭礼拝暦』,日本キリスト教団出版局,2020)
......しかしなんですよぉ。じゃあ、キリスト教であればどこの教派も、同じ「期節」に同じ「色」を使うのかというと、必ずしもそうではないんです。礼拝の形式や、歌っている賛美歌(聖歌)、牧師や神父といった名称など、教派によって様々な違いが見られるように、「期節」や「典礼色」も、ちょっとずつ教派ごとに違っているんですね。大抵の場合、同じ時期には同じ「色」が使われているんですが、細かい部分で、色や期節の名称が異なっていたりするのです。
例えば、今の期節に関して、日本基督教団のように「降誕節」と呼ぶ教派もあれば、「年間」(カトリック)や「顕現後(顕現節)」(聖公会、ルーテル)などという名称を用いている教派もあります。そして、それに伴い、典礼色に「白」を使う教会もあれば、「緑」を使う教会もあります。
ただ、今回どうしてこんな話を書いているのかと言いますと、今の時期、実はほとんど全ての教派が「緑」の典礼色を使っているんですね。僕(伝道師)の把握している限りでは、1月6日の「公現日」を過ぎてもなお「白」の典礼色を使っている教派は、日本基督教団と、ドイツの「ドイツ福音主義教会」くらいなのです。それ以外の、伝統的な教派は「緑」を使っているんです。日本基督教団の中でも、教会の暦や典礼色などに関心のある教会では「公現日」以降、「緑」にしているところも多いと思います。
そういうわけで、悩んでしまったのです。
「どうする?ウチも 緑 にする?」って。
別に、日本基督教団なら「白」じゃないとダメ、というわけではないんです。上の表にも「以下のような用例を提案いたします」と書かれている通り、ちゃんと意味があるならば、他の色を使っても良いのです。
しかし、同時にこんな風にも悩んでしまいました。
「えっ、そしたらいつ 緑 に変える?」って。
変えるタイミングが分かんなくなっちゃったんですよ。理由もなく、何の前触れもなく、ある日から突然、チャペルの講壇掛けの色が変わってたら、みんなビックリ.....................しないんですけどぉ(緊急事態宣言でチャペル閉鎖してるんで)、やっぱり何かを変えるには「理由」が必要じゃないですか。その明確な理由が思いつかなかったんですね。
そしたらですね、やっぱり「求めなさい。そうすれば与えられる(マタイによる福音書7章7節)」だなぁって思ったんですけど、先述の「ドイツ福音主義教会」は、今年は「2月7日(日)」に典礼色が「緑」に変わる、っていう情報を手に入れることができたんです。これだ!このタイミングしかない!と思いましたね。
ドイツ福音主義教会では、受難節(四旬節)に入る約2週間前から、「六旬節(2月7日)」「五旬節(2月14日)」と言って、徐々にイエス・キリストの「受難」に向けて心を整えていく準備をするようです。長い「緑」の期節から、急に「紫」の期節に変わるのではなく、しばらく「白」の期節を過ごしつつ、グラデーションのように「緑」に変わり、そして本格的にイエスの受難を覚える「紫」の期節に変わっていく、というのを表現しているみたいですね。
というわけで、本学もせっかくなので、今年はドイツ福音主義教会に倣って、「2月7日(日)」から、「灰の水曜日」を迎える「2月17日」の前日までの間、典礼色を「緑」に変更しようと思います(これでまさに「ドイツと同一」。ワオ!)
せっかく「記事」書いてくださったのに、
伝道師じゃないほう(A)さん、すんまっせ〜〜ん!
(伝道師のほう)
ドイツと同一
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このページは、キリスト教センターが2021年2月 7日 09:00に書いたブログ記事です。
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