2月6日は何の日?【キリスト教豆知識】

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2月6日は何の日?

・・・・・・「アンパンマン」の誕生日です!


え?アンパンマンって誕生日があるの?そう思われた方も多いと思います。実は、アンパンマンの作者である やなせたかし さん(1919年2月6日 - 2013年10月13日)が、かつて、子どもにアンパンマンの誕生日を尋ねられたとき、自分の誕生日を答えたことに由来するそうです。だから今日は やなせたかし さんのお誕生日でもあるんですね。


さて、小さい子からおじいちゃん・おばあちゃんまで、みんな知ってる国民的キャラクター「アンパンマン」。ちなみに、ウチの息子(1歳4か月)も、アンパンマンの人形を見て「チャンチャンチャン」(アンパンマンって言ってるつもり)って呼んでます。でもね、僕、いつも不思議に思うんですよ。アンパンマンって、そんなにカッコいい姿でもないし、逆に可愛らしいカラーリングというわけでもないし、それに、空を飛んだりアンパンチは繰り出せるけど正直それぐらいしか特殊な力は無いのに、なんでこんなにも人々から愛されるんやろ・・・って。


皆さんも、ちょっと一緒に考えてみてください。


アンパンマンの姿というのは、マントを付けて空を飛び、悪役として登場する「ばいきんまん」からみんなを守る、いかにも昔ながらのヒーロー像だと言えると思うんですよね。でも、他のヒーローとは異なる点が一つだけあります。それは、ばいきんまんに"とどめを刺さない"こと。正義のヒーローって、悪を根絶するために戦うじゃないですか。アンパンマンだって、他のヒーローたちと同じように、悪いことばかりする ばいきんまん をやっつけてしまえば、世界に平和が訪れるんじゃないの?・・・そのようについ思ってしまうんですが、アンパンマンはそうはしないんです。ばいきんまんにアンパンチをお見舞いし(遠くに吹っ飛ばして)それでおしまい。


なんで、ばいきんまんにとどめを刺さないのか。それは、アンパンマンが悪を滅ぼすためではなく、みんなを守るために戦っているからです。そのため、ばいきんまんが反省してくれさえすれば、それ以上、ばいきんまんのことを懲らしめる必要はないと考えているのでしょう。アンパンマンにとっては、「みんなを守る」という言葉の「みんな」の中に、ばいきんまんも入っているのかもしれませんね。ばいきんまんのためにも、アンパンマンは戦っていると言えるのではないでしょうか。


それに、アンパンマンの最大の特徴と言えば、やっぱり「自分の顔をお腹が減っている人に分け与えてあげる」ことですよね。この特徴は、作者の やなせたかし さんが最も大切にしている部分です。「アンパンマン」は、当初、戦うヒーローではなく、作品の主人公である売れない青年漫画家がお腹を空かして倒れそうになっているところに突如現れ、自分の顔を食べさせてあげるというキャラクターとして登場していました。その主人公は、やなせさん自身を投影したキャラクターとして描かれたのだそうですが、それ以降、アンパンマンの性格や喋り口調などは変化していったものの、自分の顔を食べさせてあげるという特徴は、けっして変わることなく、今に至るまで受け継がれてきました。


作者である やなせ さんは、戦争を体験し(中国に出征し、最終的には陸軍軍曹の地位にまで就きました)、その中で本格的な飢え苦しみを味わい、また、戦後漫画家として働き続ける中でも、なかなかヒット作を生み出せず生きていく厳しさを経験しました。きっと、そういった経験があったからこそ、人間にとって本当に必要なことは「食べる」ことであり、正義とは、悪と戦うことではなく「みんなの命を守る」ことだと、やなせさんは受けとめ、「アンパンマン」というヒーローを誕生させたのだろうと思います。


やなせさんが亡くなった時、「やなせさんはキリスト教の信者だった」と報じられたのですが(のちに誤報として訂正された)、やなせさんの正義観、そして「アンパンマン」という作品にみられる愛の精神は、充分に、「キリスト教」という宗教が大切にしているイエスの教えと通ずるところがあります。お腹を空かせた人々にパンを分け与え、また弟子たちに「これはわたしの体である」と言いつつパンを裂き、そして、自分たちの正義と異なる者たちの正義がぶつかるとき、「敵を愛しなさい」(ルカ5:44)と教えられたイエス・キリストの愛を、「アンパンマン」という作品から読み取ることができるのではないでしょうか。


「アンパンマン」が世代を超えて愛されている理由が分かるような気がしますね。

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このページは、キリスト教センターが2019年2月 6日 13:33に書いたブログ記事です。

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