それがたとえ嘘であったとしても
こんにちは、学生サポーターのメガネです。
今回はこの私史上初のおすすめ小説のご紹介です!
今回は米澤穂信さんの『本と鍵の季節』です!
米澤穂信さんといえば最近、『黒牢城』が4大ミステリランキングで4冠を達成し、直木賞まで受賞したことで大きく話題に上がりました。
今回はそんな文筆家、米澤穂信の本の中でも僕が特に好き一冊をご紹介しようと思います!
この小説は図書委員の高校2年堀川と同級生松倉が舞い込む謎の真実を探す物語で、短編として6つに分かれています。
放課後の図書館は利用者がほとんどおらず、手持無沙汰な2人のもとに同じ図書委員の先輩から死んだおじいちゃんの金庫の暗証番号を解いてほしいとお願いされます。
赤の他人である二人に金庫の暗証番号を当てることができるのか、そしてなぜこの2人に白羽の矢が立ったのか、実に見事な仕掛けが隠されています!
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もしあなたが帰り道、コンビニに立ち寄った時、知り合いが万引きをしようとしているのを見かけたらどうしますか。犯罪ですからやはり現行犯逮捕でしょうか。
でもきっと多くの人は店員さんに告げ口はせず、商品を棚に戻させるとか、自分が代わりに買ってあげるとかするんじゃないですね。
繰り返しますが、万引きは犯罪ですから許されるべきものではありません。しかしもしかしたら、親やその人自身が不況のあおりを受けて失業してしまったのかもしれない。ほかの人を助けるために全財産を投げうったのかもしれない。
もちろん、そんな同情の余地が全くないかもしれない。
それでも、そういった"今その瞬間には見えない"その人の行動動機や理由にも目を向ける必要があると思います。
その時必要なのは瞬時に善悪や正誤を見極める能力ではなく、いったん回答を保留する心、あえて見逃す勇気なのではないでしょうか。
もしできることなら作中の二人のようにその保留すらも我慢ではなく、ショートケーキの一番上のイチゴを最後に取っておくみたいな感覚になってみたいですね~
最もホットな黒牢城でも、米澤穂信さんの原点ともいえる氷菓でもないものをあえて読みたいそんな人にはお勧めの一冊です!
(学生サポーター メガネ)
2022年5月13日 学生TA | 個別ページ
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