名古屋学院大学 学術情報センター部(ブログ):名古屋学院大学(NGU)学術情報センターの愉快な毎日を綴っているブログです。 学情のイベントやお知らせなど随時紹介します。

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タドキング

学生サポーターのたまちゃんです。

今日は、多読コーナーから本をご紹介します。

多読コーナーの中でも、ひときわ目を惹く色とりどりのストライプ模様の本達があります。PENGUIN ENGLISH LIBRARYシリーズは、表紙も背表紙もとってもおしゃれ。1冊1冊違う柄です。おしゃれなのでタイトルが探しにくかったりします。

私が最近気になって読んでいるのは、チャールズ ディケンズのOliver Twistです。

 

チャールズ ディケンズは、借金をすると刑務所に入れられる時代に生まれました。借金をして刑務所に入れられても借金が帳消しになるわけではありません。むしろ刑務所にいる間はお金をほとんど稼げないので、結局一生刑務所入りする人も多かったそうです。

この、かなり意味のない制度の被害者になったのはディケンズの実のお父さんでした。

少しのお金が返せなかったばかりに刑務所行きになったお父さんのもとにディケンズは面会にしに行っていたそうです。

 

ディケンズはその時に見聞きしたこと、身内が意味のない社会制度の犠牲になっている気持ちなどを小説にしました。 

Oliver Twistは孤児院で生まれたかわいそうな男の子が幸せをつかむ話なのですがとてもイギリス的な小説です。

 

イギリスの小説の伝統として、「実は生まれはよかった」説を話の途中に入れてくるケースが数多くあります。イギリスでは階級の意識が根強く残っていて、今でもなんとなく自分はこの位置だと思う人も少なくはないのだとか。

 

最近のものでは、J.K ローリングのハリーポッターシリーズにもそんな感じのことが描かれています。

ハリーポッターは親戚に預けられひどい仕打ちを受けていましたが、実は魔法界の超エリート!

Oliver君も、話の途中で実は生まれのいい身分であることが明かされます。仲間に指示されたとはいえ、人のものを盗む等悪いことをしても、不思議とおとがめはありません。

かわいそうな目に遭うのだけれど、生まれがいいのでいずれは元の身分に戻る。根底にはこのような考え方が働いています。

 

アメリカンドリームなディズニーでは努力や勇気で主人公が成功するのに比べるとかなり違いますよね。

 

同じ英語圏でも文化がこんなに違う!面白いと思ったら作者の生まれた国もチェックしつつタドキングに挑戦してみましょう。

2016年12月 6日 学生TA |


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