先生の最近のブログ記事
(加古里子(かこさとし) 福音館書店)
この本、みなさんのご家庭にありませんか。
もしかしたら幼い頃、読んでもらったのではないでしょうか。
昭和レトロの香りがする作品だなと個人的には思っています。キャラクター然りです。
お話は単純ですが、たくさんのモノが描かれています。
その一つ一つがとても丁寧で、色彩豊かに描かれています。
モノの存在が大きく、それらを見ているだけで、心豊かに感じます。
このキャラクター以外に「かみなりちゃん」というのもいましたね。かわいい子です。
加古さんには、他にも『からすのぱんやさん』シリーズがあり、これもまた一度は目にしているのではないかと思います。
『11ぴきのねこ』
(馬場のぼる こぐま社)
11ぴきの野良猫たちが、おなかいっぱい魚を食べたくて、海に出て、大きな魚を捕り、帰ってくる途中で食べてしまう話。絵を見れば、懐かしいという方々がいらっしゃるのではないですか。
こちらもロングセラーの作品です。
11ぴきのねこたちが力を合わせて魚を捕るところや、運んで行くところが楽しく描かれています。最後にがまんできなくて魚を食べてしまい、魚が骨だけになるというシーンは大変おもしろいですね。
今も昔も子どもたちに人気の作品です。
このシリーズで私が好きな作品は「11ぴきのねこ マラソン大会」です。見開きにページを足してコース全体を描いているのですが、じっと見入ってしまい、とても楽しい気分になったことを覚えています。
『おんぶはこりごり』
(アンソニー・ブラウン 平凡社)
ママは家事をする人って、どこかで決めつけていませんか。
これは、そんなママの反乱の物語。
「おんぶ」とは、家族を背負っているという意味ですかね。
ママが家出をして、残されたパパと子どもたちが悲惨な生活を送り、その姿がブタになってしまうというのがおもしろいです。
最後はパパと子どもたちは心を入れ替えて、ママの家事を手伝うというもの。
ちょっと教訓めいているけれど、カラフルな絵で、楽しいお話に仕上がっています。
【スポーツ健康学部 滝浪常雄】
(マーシャ・ブラウン 瀬田貞二訳 福音館書店)
定番中の定番の絵本。幼い頃に読んでもらったのではないでしょうか。
もしかしたら家の本棚にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
三匹のやぎがえさを食べに橋を渡ろうとすると、
トロールという大きな怪物が現れて、やぎたちを食べようとします。
2匹はトロールをうまいこと言ってやり過ごし、
三匹めの大きなやぎがトロールをやっつけるというお話。
わりと恐く描かれているので、
子どもたちはトロールが登場するたびに、どきどきして聞いていることでしょう。
そして最後には、大きなやぎがやっつけてくれるという
スカッとした気分にさせてくれるところが、このお話の醍醐味でしょう。
子どもたちが喜んでお話を聞くと言います。
是非読み聞かせたい絵本のひとつですね。
トロールは北欧に伝わる有名な怪物。
さまざまな作品で登場するようです。
そういえば、トーベ・ヤンソンが生み出した「ムーミン」の本名は「ムーミントロール」でしたね。
(武田美穂 ポプラ社)
時々学校を休みたいなってことありますよね。
学校に行きたくない理由はいろいろあると思います。
みほちゃんもそんな子の一人。
それもそのはず。なんと隣の席の子が怪獣のますだくんだからです。
「こっからでたら、ぶつからな」「へたくそのくせに、いばんなよな」などと
何かするたびに意地悪ばかりしてきます。
そんなある日、
みほちゃんの気に入っている鉛筆を、怪獣ますだくんが折ってしまい大げんか。
次の日、みほちゃんは、学校なんてもう行きたくないと思いながら登校。
校門をくぐると、怪獣ますだくんが、ぐっと手をつかみ謝ってきました。
そして、最後のページは...。
学生が選んだ理由は、小学校の時に読んだことがあるからとのこと。
そして数名が懐かしいとこぼしていました。
この作品を読むと、なんとも男子とは不器用な生き物で、
どうしてこうもうまく思いを伝えられないのだろうと思いますね。
ついつい意地悪という逆の行動に出てしまうのです。
男子諸君そんな経験はありませんか。
読後、ふとジブリ映画の『おもひでぽろぽろ』のあるシーンを思い出しました。
ある日クラスで嫌われていた男の子が転校するので、お別れ会をしたのですが、
最後にみんなと握手していくのです。
無論そのたびに相手の子たちは嫌そうな顔をします。
そして主人公タエ子の番になると、その男の子は
「お前とは、握手してやんねえからな」と握手しないのです。
なんで私だけ。すごく嫌われていたみたいで、それがとても嫌だったと。
そんな想い出をトシオに話すと、「タエ子さん、男心、分かってねえな」と言われるシーンです。
これ以上は言わずもがな。
この作品の最後のページが印象的です。是非読んでみてください。
【スポーツ健康学部 滝浪常雄】
今回は2冊の作品を紹介します。
(レオ=レオニ 谷川俊太郎訳 好学社)
一匹だけ黒いスイミーが、仲間と大きな魚を追い出す話です。
少年の成長物語といってもいいかもしれません。
読み方によっては強いリーダー、ヒーローの話でもあります。
子どもたちも大好きなお話だと思います。
現在、2つの会社から出されている小学校2年の教科書に掲載されています。
ある学校でこの授業を見たのですが、
2年生が、実に元気よく声に出して読んでいるのです。
特に「ぼくはスイミー」というフレーズがひと際大きく聞こえました。
授業後に担当の先生に聞くと、
子どもたちが最も好きな言葉なんですとおっしゃって納得。
私もかつてはスイミーで授業しましたが、私の思い出は水泳の時間に、
ある子が「先生、クラスみんなで大きな魚のふりをしようと」と言い出して、
みんなでプールを泳いだり歩いたりしたことでした。
私の水泳帽が黒だったので、私が目になるつもりだったのですが、
やんちゃな○○くんに「おれが目になる」と、さっと帽子を取られてしまいました。(笑)
この季節にぴったりの海の魚の話です。
『どろんこハリー』
(ジーン・ジオン作 マーガレット・ブロイ・グレアム絵 わたなべしげお訳)
お風呂が嫌いな犬のハリーは、家から逃げ出して遊び回ってどろんこになり、最後は洗われるというお話。
子どもの中には、そんなハリーの行動に共感を覚える子もいるはず。
どろんこになっても、思いっきり遊べるという気持ちをいつもまでも持ちたいものです。
まさにこの姿は自分自身を開放?解放?することであり、
子どもの頃にはできていたのに、
いつしか大人になるにつれて重たい鎧を着けてしまった気がしませんか。
この作品が今でも読まれていて、
選んだ学生もこの話が好きだからと言っていたのも、わかります。
【スポーツ健康学部 滝浪常雄】
『きょだいな きょだいな』 『三びきのこぶた』 『したきりすずめ』
今回は3作品を紹介します。
まず、『きょだいな きょだいな』(長谷川摂子作 降矢なな絵 福音館書店)
子どもは大きな物が出てくれば喜びます。
普段の生活で使われている物が、それこそ「きょだい(巨大)」化して登場するのが、この絵本です。
「あったとさ、あったとさ」で始まるリズミカルなフレーズは、読んでいても心地よい響きを感じます。
最初に登場するのはピアノ。
「あったとさ あったとさ ひろい のっぱら どまんなか きょだいな ピアノが あったとさ」と、
広い野原に巨大なピアノが登場し、そこへ「こどもが100にん やってきて ピアノの うえで おにごっこ...」
たくさんの子どもたちがピアノで鬼ごっこしているのです。
このように「きょだいな」物が出てきて、奇想天外な展開になるところがおもしろいですね。
個人的には、「きょだいな桃」が登場してくるページがおもしろいですね。
巨大な桃をパカーンとわると、たくさんの桃太郎がぴょんぴょん飛び出すのです。その絵の圧巻なこと。
読み進めば進むほど、きっと子どもたちは、この世界に吸い込まれていくことでしょう。
そして、最後に巨大な扇風機が登場して、子どもたちは飛ばされてしまいますが...。
心温まる場面に、ほっとします。
次に授業で学生が読み聞かせをした作品を2つ紹介します。
『三びきの こぶた:イギリスの昔話』(瀬田貞二やく ; 山田三郎え 福音館書店)
おそらく題名を聞いて知らない人はいないのでは。しかし、知っていた話と少し違っているかもしれません。
それとも忘れてしまっているのかもしれません。
学生が絵本を選んだ理由として挙げたのは、三匹目の子ぶたを誘い出すために、
オオカミが誘惑する場面でした。オオカミの誘いに乗るまいと、機転を利かせるところ、
そのやりとりがおもしろかったとのことでした。確かにこの場面は忘れていたところかもしれないし、
リライトされた子ども向けの絵本では割愛されているかもしれませんね。
改めて読んでみてはいかがでしょうか。
『したきりすずめ』(広松由希子文 ; ささめやゆき絵 岩崎書店)
昔から語り継がれた昔話の定番のひとつですね。
それにしても、「舌を切る」から始まって、おじいさんが雀の宿に行き着くまでに、
さまざまな試練が与えられるのですが、おもしろおかしい反面、考えてみるとなんとも残酷な展開です。
そもそも昔話は基本的に残酷な話の展開が多いものです。
最後に教訓を与えるという説話の要素を考えると、しかも語りとなると、昔の人たちにとっては、
このくらいの表現になってしまうのかなと思います。
さて、『したきりすずめ』の教訓はと言えば、「欲張ることはいけないこと」。
今の人たちには耳の痛い話かもしれません。
さて、どちらも有名な昔話です。昔話は様々にリライトされているので、
これぞ正統派はなかなかありません。
「時代の要請」「社会情勢」「価値観」等によって昔話は変容していきます。
同じ昔話をいくつか並べて読んでみるのもいいでしょう。
「その昔話は、知っているからいいや」と通り過ぎないで、是非手にとって読んでみてください。
ちなみに「したきりすずめ」は図書館に数冊配架されていました。
【スポーツ健康学部 滝浪常雄】
こんにちは。こどもスポーツ教育学科の滝浪と申します。
みなさんは、瀬戸の図書館に絵本の棚があるのをご存じですか。
現在、私の授業で学生に読み聞かせをさせています。
図書館の絵本を選ぶのを原則にしていますが、みんな
なかなかおもしろいものを選んできます。
せっかくなので、これから、授業の時に登場した絵本を紹介していきたいと思います。
第1回は『すてきな三にんぐみ』と『100万回生きたねこ』です。
『すてきな三にんぐみ』(トミー・アグラ―作 今江祥智訳 偕成社)
三人組とは、黒マントに赤い斧を持って、暗闇に出没する泥棒のこと。
表紙から、その色のコントラストに驚かされます。
泥棒たちのなんと不気味なこと。そんな絵がしばらく続きます。
ところが、泥棒たちがいじわるなおばさんに連れて行かれそうになる女の子を
救い出す?ところから話は急展開。
世界中の不幸な子どもたちを集めて回り、最後は心が温まる話になっています。
世界には今も不幸な子どもたちが大勢います。
ふとそのことを頭に思い描くと、このお話の優しさが伝わってきました。
みなさんは、いかがでしょうか。
『100万回生きたねこ』(佐野洋子 講談社)
200万部のベストセラー。
おそらく知っている方は多いはず。そして、不思議なストーリーに感動もしたはず。
前半は、生き死にという輪廻転生を繰り返す猫。
飼い猫としてどこかニヒルに描かれている。
厭世的な雰囲気も漂っている。
そんな猫が後半、愛することを知り、人を失う悲しみにくれ、
最後は自分も死に、生まれ変わることはなかったという姿は、いろいろ考えさせられます。
きっと読者それぞれに思うところがあると思います。
その意味で「開かれた本」として、是非手にとってほしいと思いますし、
すでにお読みになった方々には再読をお勧めします。
このお話を読んで「死ぬこと」「生きること」「愛すること」
それぞれを「今の自分」が考えてみるといいでしょう。
【スポーツ健康学部 滝浪常雄】
「アンネの日記」や「アウシュビッツ5本の煙突」など同様の体験が書かれたものはたくさんありますが、本著は、特に、特殊な状況下での体験から普遍の心理を私たちに教えてくれているように思います。
著者が何年にも及んで得た研究資料を火の中へ投じるように命じられ、命が簡単に消されるのをみる日々。「何故、このような状況下で生きていなくてはいけないのか?」と疑問を投げかける仲間に著者は次のように言います。
「人生が貴方に何を与えてくれるかではなく、貴方が何をできるかが大事だ。」
本著は、あなたが人生で迷った時、自分自身を
振り返るきっかけをもたらす一冊になることでしょう。
「夜と霧」
ヴィクト-ル・E.フランクル[著] ; 池田香代子訳
みすず書房, 2002.11
(外国語学部 市川 新剛先生)
メッセージ
養護教諭である著者の、子供たちとの出会いと別れをまとめた本。
ピアノが大好きなのに筋ジストロフィーで腕が動かなくなっていく子。
何を求めてか、ひたすら歩き続ける子とその母。
自分に課せられた制約の中で、子供たち、親たちはどこまでも一途に生きている。
著者はそれをどうにかしようとするわけではなく、とにかくただ寄り添おうとする。
彼らの過酷な生に、周囲の人間は無力でしかない。
無力さに打ちひしがれながらも著者は寄り添う。こんな心根をもったこんな人々が存在することを知って、涙が止まらない。
著者山元加津子は説教臭い話に持ち出されることも多い人だが、この本を読む
と彼女自身はただひたすら純粋なのだとわかる。心奪われる一冊。
「ゆうきくんの海」
三五館 1999.10
(商学部 宝島 格先生)
私も学生時代に完読し、爽快感と達成感等色々得ることができました。
また、意外と尾張名古屋を知らないこともあります。時間のある学生時代に、是非長編に挑戦してみてください。
山岡荘八著
講談社 1987.10-1988.4
(商学部 竹之下秀樹先生)
この本(44の例題で学ぶ統計的検定と推定の解き方)は、
オーム社 2009.5
実社会によく現れる身近な検定問題と推定問題を統計的手法によって解決したい場合,
どのような解き方があるかを紹介しているものである。
本の特徴としては次のようなことが挙げられる。
・統計学における諸基本概念が簡潔に記述されていること
・問題の性質によって検定問題(推定問題)を分類し,各種類の問題から例題を取り上げ,それに対して統計的検定と推定の解き方を紹介していること
・ビジネスをはじめ,様々な分野にある実社会問題を統計的な観点から解決しようとする際にマニュアルとして利用してもよいこと
(商学部 程 鵬先生)