知られざる悲劇
先日『福田村事件』という映画を観てきました
今からちょうど100年前、
大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大地震
関東各県で震度6を観測し、10万棟を超える家屋が倒潰
大規模な火災も発生し死者・行方不明者は10万を超えた
未曽有の大災害です
その災害後の混乱と各地に広まった流言蜚語
(明確な根拠も無いまま無責任に広まる噂)による社会不安の中、
香川県からきた薬の行商団15名の大半が
千葉県のある村の自警団に暴行され、殺害されるという
痛ましい事件を題材とした映画です
加害側の事情、被害側の状況、さまざまな視点で描かれ
現代にも通じる人種や民族差別、社会的差別について
また人が集団化したときの心理が引き起こす状況など
深く深く、考えさせられる映画でした
観終わった直後、頭の中にアレコレと渦巻く感想を
上手く言葉にできないまま悶々としていた頃、
本学の図書館にこちらの図書が入りました
『福田村事件』辻野弥生著
元々、当時世間に知られていなかったこの事件を
調べ、取材し書き上げまとめられていた書籍を
映画化を受け、増補改訂された形で出版されたものです
事件当時の新聞や資料を探し、
関係者の証言インタビューなども記載された
映画とは異なる視点でまとめられたこの本を読んで
もうこれはここで紹介するしかないと思った次第
内容については差別問題に関わりますので
詳しくは触れませんが
すこしでも気になった方がいましたら
ぜひ映画や関係図書などをみてみてほしいです
こうした過去の出来事を受け止め
未来を生きていく私達が同じことを繰り返さないよう
現実の諸問題にどう向き合っていくか
自分自身では何ができるのか
考えていきたいと思います
(図書館スタッフ:るん)
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 知られざる悲劇
このブログ記事に対するトラックバックURL: https://blog.ngu.ac.jp/mt/mt-tb.cgi/9152