オススメ本: 2021年12月アーカイブ
こんにちは豆太です。
実はイギリスに3度渡航したことがあるんです。2回目に行った時はロンドン郊外の病院2軒と薬局(pharmacy)2軒を訪問する
機会に恵まれ、病院、薬局の実態を知ることになりました。
今回は不思議の国イギリスの福祉と教育の中から地域医療について紹介します。
イギリスの医療介護制度の最大の特徴に一つはGP【一般医】/家庭医【family doctor】と病院との役割が明確で地域住民の日常的な
健康管理をGPが全面的に担っている点にあります。現在は一般診療と専門家としての位置づけられるようになっており、GPは地域社会
全体を対象にした健康管理者な立場にあり、医療における付随的・二次的な位置づけから、一般診療に関する「専門医・顧問医」へ
変貌を遂げてきています。GPは病院での専門医による第二次医療にいたるまでの過程と病院での専門医による治療終了後の過程を
担当します。要するに専門知識を身につけた「門番」です。GPによって不必要な治療が病院で専門医によって行われることが防止され、
限られた資源の無駄遣いが防止されています。日本の医療も米国、欧州に見習い薬づけ、検査づけから脱却してほしいものです。
特にコロナ禍おいて、made in Japanのワクチン開発・治療薬については先進国と言えるだけのスキルのなさを露呈した感があります。
ただ日本の国民皆保険は元米国オバマ大統領も導入したかった素晴らしい制度であり、国民は誰もが平等に医療を受けられる権利が
あることを知ってください。
少し硬い話になってしまいましたね。
(名古屋の図書館スタッフ:豆太)
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
皆さんは書評というものをご存じでしょうか?
新聞や雑誌などに、最近出版された本だったり、一定のテーマに沿った本などの内容や論評が載っているコーナーを、
一度はご覧になったことがあると思います。
そういった書評コーナーで取り上げられる本は、文学作品やノンフィクション、ルポルタージュがほとんどです。
今回ご紹介するのも書評集なのですが、こちらはちょっと変わったテーマのものです。
黒田龍之介『寝るまえ5分の外国語』
言語学の研究者による、語学書、語学テキストの書評集です。
この本を見つけた時には「そんなことできるの?!」と思ったんですが、読んでみるとなかなかに面白かったです。
研究者ならではの視点だったり、ユニークな例文が取り上げられていたり、その語学書にまつわる思い出話だったり...
様々な切り口から語学書が紹介されています。読んでいるうちに「この言語、勉強してみようかな...」となることもあるかも。
身近でありながら奥深い言語の世界の一端を、こんな形で覗いてみるのもアリですよ。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
金沢らしさとは何か
こんにちは豆太です。
皆さんは金沢と言ったら何を思い浮かべますか。
前田利家公、加賀百万石、兼六園、ひがし茶屋街、近江町市場などが思い出されるのではないでしょうか。
今回紹介するのはまちの個性を磨くためのトークセッションです。
『金沢らしさとは何か : まちの個性を磨くためのトークセッション』
まちには歴史があり、伝統があります。しかし古いやり方に固執していてはまちの魅力はは失われます。
まちは常に新しく更新されていきますが、新しい取り組みは町の伝統とどのように調和されるでしょうか。
新しい文化の芽はまちの新たな伝統に育つのか、それとも混乱を生じてかえってまちの魅力を壊してしまうのか。
何でも新しいことをやればよいわけでなく『まちの個性』を磨くために何が本物で、何がそうでないのかを、
私たちはどのようの見極めればよいでしようか。
京都はお公家が主体です。東京は江戸を壊してしまいました。ですから「東京はいま江戸ではない」と
一般的にいわれるわけです。金沢はサムライで京都がお公家だったら、金沢は京都ではない。江戸のない東京でのない。
そうすると金沢は金沢です。そうゆう論法で個性を磨いたら面白いのではないでしょうか。
(図書館スタッフ:豆太)
中勘助『銀の匙』を知っていますか?
何年も前に読みながら涙があふれ、心を強く揺さぶられた本です。
その頃仲の良かった友人に薦めたところ、本の返却時に「何が良いのか全然わからない」と言われて衝撃を受けたことが、この本を忘れられないものにしています。
小さな引き出しの中の小箱に細々したものが入っていてその中に銀の匙があるーという場面から始まり、幼少期から青年期までがみずみずしく美しい文章で語られます。
旧仮名遣いで読みづらい部分はありますが決して難しくなく、自然と情景が浮かびます。明治も今も時代は違うけれど人の感受性はそれほど変わらないことを教えてくれます。
最近再読して調べてみると夏目漱石が絶賛した本であること、多くの人から高く評価され続けていることを知り、自分の受け止め方が間違っていなかったと確認できて何だかほっとしました。
※中勘助『銀の匙』は青空文庫からすぐに読めます。タイトルをクリックしてください。
(図書館スタッフ フエルトうさぎ)
皆様こんにちは、図書館スタッフの勝山道です。
ここ最近、名古屋学院大学の学生がスポーツにおいて躍進されている印象がとても強くあります。
野球やバスケのプロとして活動している卒業生も記憶に新しいですし、なにより今年のパラリンピックに出場、銅メダルを獲得された陸上の大島健吾選手は在学生です。
素晴らしいことです。何一つ自らの身で成した訳でもないというのに、どこか誇らしくすらあります。皆々様のこれからの活躍にも期待しております。
さて、皆様はご存じでしょうか。野球やバスケや陸上でない競技で活躍する学生もいるのです。
そのスポーツとは、eスポーツ。テレビゲームを取り扱うこの競技は、認知度だけならば良くも悪くもメジャーと言えるかもしれないが、競技としてはまだまだマイナー。もしかすると傍から見ればいい大人が遊んでいるだけと言われるかもしれない、悪印象のほうが強いかもしれない。
そんなeスポーツですが、時は2021/4/24.25両日に開催されていた一般社団法人日本eスポーツ連合が主催する大学生のみが出場できる大会、『日本学生eスポーツ競技大会』。その格闘ゲーム部門に出場した1人の選手の所属に『名古屋学院大学』と記されていたのを、私は見逃しませんでした。
この大会は、オンラインでの予選を勝ち抜いた8名の選手がオフラインで行われる決勝大会に出場するという形式。その決勝大会の場に立っているということはそれだけで実力の保証であり、努力の結実を思わせます。
この大会には大学生ながらプロとして活躍する選手も出場している、非常にレベルの高い大会でした。本学の選手はそのプロ選手に敗れるなど、残念ながら優勝こそ叶いませんでしたが、あと一歩で優勝か準優勝かというところまで肉薄していました。今後はどのように活動されるのか不明ですが、名前を見る機会があれば、陰ながら応援させていただきます。
......話が長くなりましたが、ここまでで『聞いたこともない連合が主催する大規模なゲームの大会』『大学生プロゲーマーという言葉』に胡散臭さや眉唾な印象を持っている方が大半でしょう。
しかし、いまやプロゲーマーという職業は眉唾ではなくなってきています。本当にやっていけるのか?という値踏みの段階を超えるには至っていない印象ですが、まだまだ制度として整っていない部分のほうが多いでしょう。成長の余地はいくらでもあります。
若い業界故にトラブルも散見されますが、これらも言ってしまえば成長痛。一回り大きくなるために必要な痛みもあることでしょう。
とはいえ、こんなただの一視聴者の言葉ばかりでは誰に訴えかけることもできません。
なので今回は、プロゲーマーの方が書かれた本を紹介させていただきます。
著者の梅原大吾は、日本初の格闘ゲームのプロゲーマー。若くから第一線に立ち続ける、日本のプロゲーマーの第一人者とも言える方です。詳細は省きますが、格闘ゲームの大会による獲得賞金額の多さでギネス記録にも認定されている、と言えば少しでも凄さが伝わるでしょうか。
本著の内容は、「勝ち続けること」とは何か?というテーマに沿って進行していきます。
なぜゲームに打ち込むようになったのか、どのような心境でゲームに打ち込んでいたのか、周囲の環境はどのように変化していったのか、などといった生い立ちに関することも並行して記されております。
ここで示される「勝ち続けること」という理想、その実現可能性に向かう精神的な姿勢はゲームという特殊な環境に収まらず、現実世界における勉強やスポーツ、ともすればビジネスにも活かせるような考え方になっております。
どんな業界であれ、何か一つに本気で打ち込むということに違いはなく、その求道精神というものは様々な分野にも通用する部分があるのかもしれません。
そんな『勝ち続ける意志力 : 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』はしろとりキャンパス曙館3階図書館にて所蔵されています。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)
クリスマスが近づくと...その季節の本を思い出す。
クリスマスを感じる作品は多いけど、古典の名作と言えばこれ。
守銭奴で知られるスクルージは、クリスマス・イヴにかつての盟友で亡きマーリーの亡霊と対面する。
3人の精霊に導かれて、自らの辛い過去と対面し、貧しく心清らかな人々の姿を見せられる。
そして最後に自分の未来を知ることに...
過去・現在・未来の3人の精霊とのやりとりが興味深い。
クリスマス時期にお勧め。
(瀬戸のスタッフ:emirin)