スタッフ: 2024年2月アーカイブ
2004年、カッターナイフで小学6年生の女の子が同級生の友達を教室で殺害するという事件が起きました。(佐世保小6同級生殺害事件)
被害者には2人の兄があり、この事件の起こる前には母親を癌で亡くしていました。
被害者の「さっちゃん」が生まれた時から事件のその後まで、一人称で語られる兄の「僕」と弟の「ぼく」の話。
新聞記者だった被害者の父を上司に持つ著者が丹念に取材した兄弟の物語です。
事件の後、報道に怒りを覚えながらも強く生きる兄と、壊れそうな父を支えるため自分の気持を押し殺して生きる弟。
性格の異なるふたりがそれぞれに苦しみながらも成長していく過程で、前を向いて進み出せるようになる大切な出会いがありました。
悲惨な事件で家族を奪われるという体験から、自分自身の人生を生きることを取り戻すまでの道のりが丁寧に描かれていて、何度も涙が出ました。
被害者家族のことはなかなか知ることがなく、辛い時間を生きていくのだろうと想像するだけでしたが、この本で少しだけ触れることができました。
家族の方たちの幸せを祈るばかりです。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
世界中にあるすてきな図書館の写真集です。
現存する最古の図書館・『美女と野獣』や『ハリーポッター』など映画のワンシーンを思い浮かべてしまうような図書館・砂漠の中に建つ日干し煉瓦造りの図書館・宇宙船のような近未来的な図書館など、眺めているだけで楽しくなります。
うちの大学の図書館も、こんな内装だったら毎日学生で賑わうのかしら・・・と妄想にふけりながら『ちょっと待てよ。この状態を維持管理していくのは大変だな。』と思ったりして・・・。
これからの図書館の在り方についても真剣に考えたくなるような見ごたえたっぷりな写真集です。
(瀬戸の図書館スタッフ:かるみあ)
明治維新という近代の黎明期、徳川幕府の江戸時代に生まれた9人の若者が軍事、医療、
科学等々当時の最新技術を学ぶため、欧米に留学生として派遣されました。この9人は後世、
高名となる人達で、それぞれに功績をあげた人々です。この人達が異郷の地にあった時にど
の様な「青春」を送り、「恋愛」はどうであったのだろうか。国家からの期待も厚く、その
費用は支給され、背中にかかる使命の重圧も大きかったことと思いますが、独に3人、英に
3人、米に3人派遣され、それぞれ愛し愛される女性ができたことは実に立派という他はあ
りません。ましてや後進国からやって来た青年。皇族の方もいたとはいえ、当時の日本人は
身長も低く、写真で見ても平均的には痩せて、洋服も似合うとは言えなかったでしょう。
そのような日本男児を一人の人間、男性として受け入てくれた異郷の9人の女性の心の広さ
と豊かさに敬服するほかはありません。
結果としてこの恋の行方は、日本の「家」という
壁に阻まれるなど、理解が得られず、「結婚」に向
けては紆余曲折を経て4人の方は断念。ただ、一方
5人の方は苦難の末に結婚され、その子孫の方々は
世界各地に散らばり、営々と息づいておられること
は、素晴らしいことです。
(しろとり図書館スタッフ 東空)
こんにちは、ポテトまるです。
現在、曙館3Fしろとり図書館ではミニ展示「心に響く名言本」を開催中です。
学者や経営者、スポーツ選手など様々の方が「名言」と呼ばれる言葉を残しています。
最近では、2023年の野球のWBC決勝戦前の円陣の中で、大谷翔平選手がチームメイトに呼びかけた「憧れるのをやめましょう」という言葉が話題になりましたよね。
また、小説や漫画、ドラマの中でも、多くの人の心に刺さるセリフがあったりします。
皆さんの中にも何か、今までの人生で心に響いた言葉はありますか?
偉人の言葉を自分の座右の銘にしているという人もいるかもしれませんね。
今回はそんな方も、まだ自分の好きな言葉が見つかっていない方にもお勧めする名言本を集めました!
アドラーやマルクス、モンテーニュの本を始め様々な人たちが人生の中で残した名言の数々が詰まった本を展示しています。
皆さんのこれからの人生の支えとなる言葉に出会えるかもしれません。
気になる方は、ぜひ図書館に足を運んでみてくださいね!
(名古屋の図書館スタッフ ポテトまる)
こんにちは、ポテトまるです。
今回は、恩田陸さんの『夜のピクニック』を紹介したいと思います。
この作品は、恩田陸さんの作品の中でもかなり有名な作品なのではないでしょうか。
しかし、私はいままで読んだことがなく、ふとベストセラーと言われる有名作品を読んでみたいと思った際に偶然にも出会うことができました。
内容は、高校の全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、伝統行事「歩行祭」の一日の出来事を描いたものです。
いってしまえば、ただ歩いているだけとも言えるかもしれません。
しかし、歩く中で登場人物たちの心の中の想いと葛藤しながらも、それぞれが向き合う姿がとても印象的でした。
また、途中で風景を表現する描写があるんですが、その表現がとてもきれいなので、是非注目してほしいです。
普段何気なく生活しているだけでは気が付かないけれど、仲間と一緒に大変な思いをしながら見ることで、感動することができる事って確かにありますよね。
ストーリーの語り手が二人いて、視点が切り替わって物語が進んでいくので、それぞれの考えが読者には分かっているというのも斬新で良いなと思いながら読んでいました。
読み終わった後は、自分も登場人物たちと一緒に80キロを歩き終えたのではないかと思うほどの爽やかな感覚になったのを覚えています。
さすが永遠の青春小説だと言われているのが分かる作品で、何度も読み返したくなる物語でした。
『夜のピクニック』は瀬戸図書館に所蔵されているので、気になった方、また読み返したくなった方は是非!
(名古屋の図書館スタッフ ポテトまる)
皆さんは最近いつラジオ体操をしましたか?
私は先日久しぶりにテレビでラジオ体操(テレビ体操?)をする機会がありました。
不思議なもので何十年ぶりでも体は体操をちゃんと覚えていました。
でもテレビに映る体操のお姉さんの体操は、指先まで神経が行き届いていてそれは美しい体操で、自分のかなり適当なそれとは全く別物でした。
「もう一度ラジオ体操をきちんと覚えよう!」
そう思った時に手に取ったのが『最高のラジオ体操:一生働ける体をつくる!』です。
ラジオ体操のルーツはヨーロッパで発祥した「医療体操」が関係しているそうです。
ラジオ体操は1928年に「平均寿命をもっとのばそう」「健康のために体を動かそう」という目的で開始されたそうです。
健康効果を意識した体操なので過大な負荷をかけずに体のあらゆる部分を伸ばす体操になっているのですね。
人間の身体機能のピーク時は大学生くらいの年齢ともいわれています。
これからの毎日の為にも一度真剣にラジオ体操と向き合ってみる価値はありそうですね。
早起きしてメリハリのある体操をすると気持ちいいですよ。
(瀬戸の図書館スタッフ:かるみあ)
クジラに焦点を当てた科学知識絵本。
子ども向け絵本なのでしょうが、大人でもためになると思います。
5000万年にわたるクジラの進化を追っていく話です。
4本足の初期のクジラ・パキケタス、「歩くクジラ」アンブロケタス、
大海原を泳ぎ回る巨大なクジラ・バシロサウルス、小生物や小魚の群れを食べる
エチオケタス、30センチ以上の歯を持つハクジラ・リビアタン、マッコウクジラ、
シロナガスクジラなどなど。
海とクジラの迫力のあり、そして緻密な絵も素敵です☆
『クジラの進化』
(★瀬戸の図書館スタッフ ティズ★)
昨今各スポーツの基盤を作る上で、「筋トレ」に関する書籍をよく目にする
ことがあります。少し前までは「脳トレ」という企画が流行っていたようにも
思います。この本は、「脳トレ」の前に「体を鍛えなさい」と云うことで、そ
れにより自ずと脳も活性化するというものです。
そもそも人類の祖先は、太古においては、狩猟によりその糧を得ていた。そ
の時の記憶で、獲物としての動物を走って追いかけ、道具を使い、色々知恵を
巡らし狩りをしてきたことは、人間のDNAに刻まれ、脳は覚えているという。
したがって、脳を鍛えるには、体を鍛えることがまず第一主題(前提)と述べられ
ています。
そのための運動とは、有酸素運動。走ること、ジョギング、泳ぐこともいいん
でしょう。体力向上を図ることで、脳の環境整備が図られ、記憶や認知の向上
に繋がり、脳のより良いパフォーマンスの発揮につながる。ストレスフルに
もなると説いてます。したがって、学生時代を経て、仕事中心の時代になっても
さらなる能力向上に向けては、一層体力向上の継続が必要であり、老齢期に入
っても認知能力維持のためには体力向上が必要なこととなります。
人生百年時代に向けてまずは体を鍛え続けましょう。
( 図書館スタッフ 東空 )