湊かなえ特集
こんにちは、はんぺん🍢です!
今回は私が作成した特集コーナーについて紹介していきたいと思います。
"イヤミス"というジャンルの小説を世に知らしめた最初の作品である『告白』を筆頭に、
湊かなえさん著作の"イヤな気分になるミステリー"を、代表作から最近の著書までピックアップしてみました↓↓↓
※()内は出版した年数
・告白(2008)
・贖罪(2009)
・花の鎖(2010)
・夜行観覧車(2011)
・しらゆき姫殺人事件(2012)
・母性(2012)
・落日(2019)
・人間標本(2023)
今回タイトルに挙げられている湊かなえさんについて、少しご紹介したいと思います。
1973年生まれ。2009年にデビュー作として『告白』を出版し、第6回本屋大賞を受賞。
2010年に実写映画化されると年間日本映画の興行収入7位となり、小説も大ベストセラーを果たす。
そして"読んだ後イヤな気分になるミステリー"、通称"イヤミス"を作家名と共に世間に大きく響き渡らせた。
私が心打たれたのは、本屋大賞受賞時のインタビューで残した、
「5年後も作家であること、5年後の代表作が今回の『告白』だけでないことを心に誓って、今日をスタートと思って頑張りたい」という言葉。
今回並べた特集コーナーの小説ですが、
最新作である『人間標本』を除いて、すべて実写化している作品なんです!
みなさんも、ドラマや映画では観たことがある、名前だけでも聞いたことのある作品がいくつかあるのでは?
(ちなみに4階学術情報センターで貸し出しができる映像作品も紹介しているので、ぜひぜひです)
デビュー作での快挙に留まることなく、『少女』刊行から10年以上経た今も尚、
勢い途絶えることなく数々のヒット作を世に生み出し続けています。
有言実行を果たし、ミステリー小説家において常に最前線を走り続けている姿が本当にカッコいいです。
"イヤミス"の一体どこに惹かれるのか?読んだ後イヤな気分になるのに?
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、その"読了後の不快感"こそがクセになってしまうのです。
裏に隠れた人間の黒い部分や、救いようのない絶望的で無気力な展開...
小説の物語だからこそ堪能できる、どこか現実味があるけれど、悲惨で悍ましいストーリー展開。
人間だからこそ、そんな裏の部分に興味を持って、知りたくなってしまうのではないでしょうか...?
"イヤミスの女王"と名高い湊かなえさんの描く世界観や登場人物が巻き起こすストーリーは、
読者を独自の世界へ引き入れ、ページを捲る手を止めさせない、鳥肌が立つような奥深い面白さが魅力的だと感じます。
今回ピックアップした中で、イヤミス要素が強くかつ個人的に好きな作品である『贖罪』を紹介したいと思います。
田舎の小学校へ通う女の子4人は、都会から転校してきた美少女"エミリ"と仲良くなる。ある夏休みの日にエミリを含めた5人は学校で遊んでいると、清掃員のような姿をした男性に声をかけられ、仕事を少し手伝ってほしいと、エミリを指名しプールの更衣室へ引き連れて行く。中々戻ってこないエミリを心配した4人が様子を見に行くと、凄惨な姿で亡くなっているエミリを発見...後から駆け付け大人たちに犯人の特徴を聞かれるが、4人の証言はどれもバラバラ。誰も顔を思い出すことができなかった。犯人が捕まらないまま3年の月日が経った頃...4人は、エミリの母親から激情的な言葉を投げかけられる。"わたしはあんたたちを絶対に許さない。時効までに犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できるような償いをしなさい。"この言葉を受けた大人になっていった4人だったが、エミリの母親と交わしたこの「約束」が彼女らを束縛し、大きく運命を狂わせ、不幸な事件や出来事が彼女らを襲うのであった。ーーこれで約束は果たせたことになるのでしょうか?
『贖罪』という名の通り、重く暗いストーリーが展開されます。
大人になっても事件と「約束」という呪いのせいで苦しみ続ける4人が巻き起こす悲劇と、事件当時の心情と真実。
"4人それぞれ"と"エミリの母親"という形で内容が分けられ、語り口調に話が展開されていくのでとても読みやすいです。
彼女らが抱えてきた思いと、救いようのない負の連鎖。そんな彼女たちの現在を知ったエミリの母親は何を思うのか?
明るい展開が1つもないのだけれども、独特な言い回しに展開の面白さが加わり、怖いけれど引き込まれてしまう1作です。
この小説はもちろん、他8作品どれも魅力的な小説ばかりです!
学術情報センター4階に展示してある特集コーナー、ぜひ覗いてみてください🌟
2024年12月10日 学生TA | 個別ページ
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