オススメ本: 2024年3月アーカイブ
先日『福田村事件』という映画を観てきました
今からちょうど100年前、
大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大地震
関東各県で震度6を観測し、10万棟を超える家屋が倒潰
大規模な火災も発生し死者・行方不明者は10万を超えた
未曽有の大災害です
その災害後の混乱と各地に広まった流言蜚語
(明確な根拠も無いまま無責任に広まる噂)による社会不安の中、
香川県からきた薬の行商団15名の大半が
千葉県のある村の自警団に暴行され、殺害されるという
痛ましい事件を題材とした映画です
加害側の事情、被害側の状況、さまざまな視点で描かれ
現代にも通じる人種や民族差別、社会的差別について
また人が集団化したときの心理が引き起こす状況など
深く深く、考えさせられる映画でした
観終わった直後、頭の中にアレコレと渦巻く感想を
上手く言葉にできないまま悶々としていた頃、
本学の図書館にこちらの図書が入りました
『福田村事件』辻野弥生著
元々、当時世間に知られていなかったこの事件を
調べ、取材し書き上げまとめられていた書籍を
映画化を受け、増補改訂された形で出版されたものです
事件当時の新聞や資料を探し、
関係者の証言インタビューなども記載された
映画とは異なる視点でまとめられたこの本を読んで
もうこれはここで紹介するしかないと思った次第
内容については差別問題に関わりますので
詳しくは触れませんが
すこしでも気になった方がいましたら
ぜひ映画や関係図書などをみてみてほしいです
こうした過去の出来事を受け止め
未来を生きていく私達が同じことを繰り返さないよう
現実の諸問題にどう向き合っていくか
自分自身では何ができるのか
考えていきたいと思います
(図書館スタッフ:るん)
こんにちは豆太です。
よく晴れた休日、野外に出て自然の中に身を置き、体を動かすことはとても楽しく魅力的です。
日常から解放されて、何でも自由にできるような気分にさせてくれます。
そんなこともあり、いまアウトドアはブームになっています。
しかし、何でも自由にしてよいかというと、そうではありません。
日本は法治国家です。数多くの法令があります。
これらの法令にはそれぞれの目的があり、自然や生き物を守るためのもの、住民の快適な生活を守るためのもの、事故を起こさないためのルールを定めたものなど様々です。
『アウトドア六法』では、少しでも分かりやすく法令を解説するために、場所別に「山」「川・湖沼」「海」「都市近郊・公園」と章を4つに分けています。そしてそれぞれの章ごとにQ&A形式で解説しています。
折角、楽しいアウトドアも警察沙汰やあとから罰金が科せられたらもともこもありません。
正しく自然を楽しみ、守るための法律を理解していれば楽しさも倍増します。
ご自身の好きなジャンルからアトランダムに読んでいただければいいと思いますよ。
それでは問題です。
山で山菜、キノコ、山野草などを採ってもいいでしょうか?
答えは、許可なく採取することは違法です。
このような形式だから楽に、興味深く読んでいただけると思います。
法律を知っているとアウトドアももっと楽しくなることは請け合いです。
(名古屋図書館スタッフ:豆太)
こんにちは、ポテトまるです。
近頃、流行りものやSNSで話題の新商品など、どんどん新しいものが出てきていて、流行の波についていくのが大変だなと感じています...
話題の商品などはテレビなどで紹介されていたりするので、私も気になったものは試しに買って使ってみたりしています。
実際に世間で人気商品といわれるものを使ってみると、たいていのものは便利で使いやすいものばかりでした。
ですが私はなぜ人気になったのか、などといった事はほとんど考えず、さすがヒットしているだけのことはあるなーくらいにしか考えていませんでした...。
でもヒット商品には必ず、ヒットするための「つい」クセになるポイントが隠されていたんです!
その商品のクセになるポイントを教えてくれるのが、今回紹介する『本能スイッチ』!
「本能スイッチ」とは 、人間の本能を刺激する一見無駄だけどついつい欲しくなってしまう演出のことだそうです。
例えば、歯磨き粉やエナジードリンク。
なぜ歯磨き粉はミントの味がするのか?
なぜエナジードリンクは独特の液色をつけているのか?
普段生活するうえで、何気なく使っているものにも、多くの人に受け入れられるようになった理由があったと知りました。
このように様々なヒット商品に対してその商品がなぜヒットしたのかを探る本能スイッチが紹介されています。
有名な商品ばかりなので、この商品にはこんな工夫がなされていたのか!と楽しみながら読むことができると思います。
私も読む中で、商品開発の方の発想に何度も驚きました。
皆さんも身近な商品のヒット理由について、考えながら読むと新たな発見があるかもしれません。
(名古屋の図書館スタッフ ポテトまる)
こんにちは、スタッフゆまたろうです。
あの大人気シリーズに17年ぶりの続編があったので紹介します。
奥田英朗著『コメンテーター』
この作品は、様々な心の悩みを持った登場人物が
破天荒な神経科の医者に振り回されつつも、
最後はハッピーエンドになる短編集で、
第2弾の『空中ブランコ』は、直木賞を受賞し
ドラマ・アニメ・舞台化もされた人気作です。
最新作では、コロナ禍を舞台とした物語がいくつかあり、
あの頃の日本は大変だったなぁと懐かしく思ってしまいました。
本を読んで笑いたい、
楽しい気持ちになりたい人におすすめです。
<伊良部シリーズ>
『イン・ザ・プール』
『空中ブランコ』
『町長選挙』
(なごやの図書館スタッフ ゆまたろう)
こんにちは、もくもくです。
今回は陸上に住む爬虫類 鳥類 哺乳の進化や体の構造のお話です。
様々な自然界の動物たちが現在の生態にいたるまでどんな変遷をたどって来たのか
色々なエピソードを交えながら、わかりやすく教えてくれます。
水中から出て陸地での移動の連続が
地上から樹上へ、空へあるいはまた再び海中へと住む場所(環境)を変えることが
動物がどのように体を適応、進化させていったのか。
陸上脊椎生物の成り立ちを説きながら
現生生物を思いやる素敵な著作でした。
ただ本書のタイトルの
『クマに会ったらどうするか』は、上記の内容について書かれている項目もあり、
著者の思いが込められていると感じますが、
全体の内容からみると少し戸惑うかもしれません。
書名通りの実践的クマ対処法が気になる方は
『くまにあったらどうするか』(ちくま文庫)も是非
愛知県図書館など公立図書館で所蔵しています。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
こんにちは豆太です。
この本は法学部資料室にあります。
伊佐千尋によるノンフィクション小説で副題「布川事件の不正義」です。
昭和42年(1967年)に茨城県で発生した強盗殺人事件の犯人として、事件に無関係の
青年二人が逮捕、起訴され30年近くにわたって投獄された冤罪事件を描いています。
テレビサスペンスドラマの警察・検察・弁護士そして裁判所を思い浮かべて見てください。
逮捕から実に44年、この間 桜井・杉山両氏が受けた苦しみは想像もつかず、警察・検察・裁判所はどのようにして責任をとり、二人の何十年の人生を償うのだろうか?
これは桜井・杉山両氏だけの問題ではない。
警察・検察・裁判所が法に基づいた公正な取り調べとあるべき審理を行なっていれば、
この不幸な事件は防止できたはずである。
最近も話題になっている袴田事件冤罪もしかりである。
きちっとした物証がないにもかかわらず辻褄を合わせ、あたかも犯人に仕立てる算段で事にあたるやり口は依然行われているように思えて仕方がない。
サスペンス映画感覚で読んでいただくと法律にも興味が湧いてくると思います。
(名古屋図書館スタッフ:豆太)