オススメ本: 2020年7月アーカイブ
皆様こんにちは、図書館スタッフの勝山道です。
さっそく今回も本の紹介、『お金本』となっております。
このタイトル、そして表紙にしたためられた一文。
「金儲けを考へるが、自分で働かうといふ気がしない。」
これだけでこの本がどのような本か、まる分かりですね。
そんなことはない? それでは簡単な紹介をしましょう。
本著には誰もが教科書で見覚えのある文豪を中心に漫画家、ミュージシャン、実業家などいわゆる成功した人たち合わせて96人。
そんな方々の「金がない!困ったー」というエピソードが計100篇収録されています。
しかもただ単に金欠であるというのではなく、
「今しがた原稿料を貰ったが酒に使ったんで其方に返す金はない。あと実は競馬とか始めようと思ってるよ。じゃあまた」
と堂々と手紙に書き連ねていたり、
「一生に一度のお願いですお金貸してください。貸してくれなかったら自殺してやるぞ」
とまあコメントに困る書面を残してしまっていたり。
要するに、人間追い詰められても結構たくましいし面白いのです。
今も昔も誰も彼も、金に困ればすることは同じ。名だたる大作家も人間なんですねえ。
そんな気分でだらりと読んでみるといいかもしれません。
それでは失礼します。
(しろとり図書館スタッフ 勝山道)
みなさん、こんにちは!
瀬戸図書館スタッフのもんぴぱです。
日本では天体観測は空気の澄んだ冬がいいといわれますが、
不思議なことに星のお祭りは夏に行われますよね。
夜に空を見上げる機会も多い季節ということで、
今回は『銀河鉄道の夜』をご紹介します。
この物語は、
貧しく自分に自信のない少年ジョバンニと、
心優しい少年カムパネルラが
銀河の祭りの日にひょんなことから銀河鉄道に乗り
二人で旅をすることになるお話です。
幼い二人の旅路は楽しくてわくわくして
どこかずっと切ない雰囲気をまとっています。
宮沢賢治さんの死後、未完成のままにみつかった物語。
その不安定さすら、この作品の良さになっている気がします。
なかなか出会えないある意味貴重な物語かもしれません!
(最近だと伊藤計劃さんの『屍者の帝国』が似たような境遇といえそうです。)
※宮沢賢治『銀河鉄道の夜』は青空文庫からすぐ読めます。タイトルをクリックしてください。
(瀬戸のスタッフ もんぴぱ)
みなさん、こんにちは。
スタッフのにこいちです。
みなさんは自分の「へその緒」見たことがありますか?
私は子供のころに親に見せてもらったような、なくしたと言われたような...
そしてなぜか姉妹の中で自分の母子手帳だけ行方不明だったので、
子供のころはてっきり本物の親は超金持ち(外国の貴族)でワケあって田舎の家に預けられているんだわ♪
大きくなったら迎えに来てくれる!と割と本気で妄想していました。
(もちろん超金持ちの親は迎えに来ず、両親によく似た薄い顔の私がいるわけです...)
そんな私の幼少期の妄想はさておき、今日紹介する本は『卵の緒』です。
こちらの小説、冒頭「僕は捨て子だ」から始まります。
小学生の主人公のそんな独白から始まるため、さぞ悲しかったり胸がギュッとなる小説なのか...
と思いきや、特に大きな事件や熱い恋愛模様、ミステリーはなく、淡々と主人公の日々の成長が綴られていきます。
でもそこがとっても良いのです!
自分が過ごす毎日には大して事件は起きませんし、ドラマチックな出来事は起きません。
でもなんとなく日々成長(退化かも...)しているし、毎日楽しかったり悲しかったりします。
そんな日常がふんわり優しく書かれている作品だと思います。
この小説のテーマである家族の結びつき、それは血の繋がりだけじゃなく大切に思う気持ち。
大切なものは掴みどころがなくて、確かなもの。
単純なことだけどこの本を読むと改めて自分と家族の在り方を考えてしまいます。
そして読んだ後には美味しいものが食べたくなります。
それも、好きな人と好きなものを食べたくなります。
(名古屋の図書館スタッフ:にこいち)
皆様こんにちは、勝山道です。
そろそろ過ぎ去っている頃でしょうか。しかし、梅雨と呼ばれる時期がやってくるたび、日本の季節は四季じゃあないのか、と思ったり思わなかったりする私です。
梅雨というのは季節が一つ増えたような増えないような、考えだすと不思議な気持ちです。
雨季ということでダムの貯水量や農業などなど、生活の上で重要な時期でもあります。けして無下にすることはできないでしょう。
しかし、そんな一般論も弾き飛ばしたくなるような高湿度高気温による、耐えがたいほどに急激な不快指数の高まり......。
これを夏の始まりにするなら冬の始まりももう少し暖かくしてくれていいんじゃない?などと戯言を抜かしたくもなります。きっと梅雨のせいでしょう。
それはそうと作品の紹介に行きましょう。
含蓄深さや良い読み物だという類からは少し離れますが、こういうものもありますよ、というところで一つよろしければ。
題は『特許多腕人間方式』、作者は海野十三です。
ある特許弁理士のもとに訪れた怪しい男が特許申請に持ち込んだ怪しい技術にまつわるお話となります。
早い話が昔のSFはこんな感じ、という作品です。
短編ということも相まって物語としてはあっさり風味ですが、著者の発想力如何で作品自体が構成されている雰囲気は現代の作品にはないものがあります。
ここからいくらでも膨らませられるのにこれほど短いのは、きっとこのアイデア一つを世に出したかっただけなんだろうな......、なんて考えたり。
良い意味でざっくりと楽しめる、こういう作品もたまにはいいですよね。
それでは失礼します。
※海野十三著『特許多腕人間方式』は、青空文庫からすぐ読めます。タイトルをクリックして下さい。
(なごやの図書館スタッフ 勝山道)
こんにちは、スタッフの月ウサギです。
いつのまにかもう梅雨の時期ですね、皆さん自粛後はいかがお過ごしですか?
そろそろ少し外にも出られて大学に授業を受けに来たり、スポーツに汗を流せてたりするのでしょうか。
今回、私は星空の本を1冊ご紹介したいと思います。その本は「夜空と星の物語」
真っ青な夜空に降るような星。
星の数だけ物語がある...
夜空シリーズ本の中の1冊ですが、1年を通した世界の星空を見事に写真に収め、その星にまつわる伝説が解説されています。
思えば世界共通、無数の星空という一夜の劇場にそれぞれの物語を描いてきたのですね。
世界にも七夕伝説はあるようですが、日本版では「逢うのは月に1回なら許す」
というのを「年に1回」と妻が聞き間違えたからという説があるようですよ。
その他、月の世界各地の住人の紹介もあります。ウサギは日本だけみたいです^^
オーロラの写真も見事なので是非ご一読ください!
★瀬戸のスタッフ 月ウサギ★
皆さまごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
江戸川乱歩というと、探偵小説や怪奇・幻想文学で有名で、
どこかおどろおどろしい作品ばかり書いている作家、
というイメージが強いですが、中にはこんな作品もあります。
江戸川乱歩『算盤が恋を語る話』
内気な会社員のTが、同僚の女性S子に思いを寄せているものの、
なかなか思いを打ち明けられない。
そこで、暗号を使ってどうにか思いを告白しようと試みる、という話です。
暗号は送り手と受け手の両方が、暗号化の規則を理解していて初めて機能するものです。
果たしてTの思いは伝わるのでしょうか。ぜひ事の顛末を見届けてください。
※江戸川乱歩『算盤が恋を語る話』は、青空文庫のからすぐ読めます。タイトルをクリックして下さい。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
こんにちは! " くうこう "です! (*^_^*)
すごくどうでもいい話ですが、
毎回ブログを書く度に
タイトルに気にかけています 笑
それで悩んでしまったりとしていますが、
世の中には同じように悩んでいる人たちもいます! 笑
今回紹介する本は、
『ネーミング全史』です!
世の中に売れていったヒット商品たちは
名前があってこそかもしれません。。。
CMを見てついつい口ずさんでしまう、
そんな心に残る広告コピーは時代とともに変化し、
常に消費者の心に刺さってきました。
そんなヒット商品のキャッチコピーは
人の努力によって生み出されました!
頭を抱えて考えたであろう
作品の数々をご覧ください!
( 学術情報センター 学生サポーター くうこう )