スタッフ: 2023年7月アーカイブ
こんにちは豆太です。
今回は浮世絵にまつわる本を紹介します。
『写楽女』
タイトルの通り写楽ですが、今までは写楽を主人公に書かれた小説は数多くあります。
しかし本作品は写楽ではなく、お駒という女中の視点で物語が進みます。
寛政六年の春、日本橋通油町にある地本問屋の「耕書堂」は錦絵を求める客で賑わっていた。
女中として働くお駒はそんな店の様子を誇らしく思いながら、買い物に出ようとしたとき、
店の中に入って行く一人の男を見かける。その男は写楽と名ずけられた新しい絵師であった。
五月興行が始まると同時に、「耕書堂」の店頭に写楽の役者絵が並ぶと、江戸の町に衝撃が
走った。賛否入り混じる評判の中、店主の蔦谷重三郎に呼ばれたお駒は次の興行で出す写楽の
絵を手伝うこととなる。そしてあと二人 鉄蔵、余七も写楽工房に加わる。
しかし写楽の大判大首絵はその後の興行でもさっぱり売れず、和泉屋の豊国に負ける
こととなる。豊国はのちの喜多川歌麿である。
その工房の中での四人がそれぞれの葛藤を繰り広げながら時が過ぎ、
絵や戯作を描くことに人生を懸ける男たちの苦悩と挫折が訪れる事となる。
そしてその間の写楽に対するお駒の儚く愛しい日々が見事に表現され、
切なくつつましい写楽とお駒のお互いへの想いに強く胸を打たれる作品です。
共に天才写楽と才覚の違いを強く抱き、挫折して己の道を選んだ二人の素性は
鉄蔵が葛飾北斎になり『富嶽三十六景』を描き、富士山を書かせたら日の本一となる。
また余七も同様に戯作者として十返舎一九となり『東海道中膝栗毛』を書き開花します。
この小説は六章からなる短編で大変読みやすく、女性ならではのタッチで描かれています。
是非読んでみてください。
(名古屋図書館スッタフ:豆太)
こんにちは、もくもくです。
今回ご紹介する図書は、皆さんがたぶん一度は行ったことがある
京都の美術鑑賞に関するものです。
著者は「美術解剖学」という、少し聞きなれない分野を基盤として
芸術や文学の批評、解剖学の著作などの執筆活動をされている方です。
修学旅行に行く当時中学生の息子さんなど、
京都初心者にむけたガイドブックのため、
というのが執筆の動機だそうですが、
それだけにわかりやすく、この場所では何をどう見るのか、
そこはどういう美しさなのかを
シーンごとに解説してくれています。
描写がリアルで、読んでいると景色が思い浮かぶようで、
お寺、庭園、建築果ては垣根に至るまで、京都のもつ様々な美しさを
言葉を尽くして教えてくれます。
何というか、自分が行ったことのある場所が、
ただ見ていただけだったと思い知らされました。
勿論、ただ見るだけも素敵なのですが、知ることができれば
そのさきに進んで、京都の美しさをより感じることができる
のではないかと思います。
皆さんは読後に、どの場所を選ぶのでしょうか?
そんなことを想いながら、読んでみるのも面白いですね。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
こんにちは、スタッフゆまたろうです。
大学図書館にこんな本が!シリーズ第3弾、今回はガンダムの本を紹介します。
『ユニコーンの日, 上』 福井晴敏著
『ユニコーンの日, 下』 福井晴敏著
『「ガンダム」の家族論』 富野由悠季著
『映像の原則 : ビギナーからプロまでのコンテ主義』 富野由悠季著
『メカニックデザイナーの仕事論』 大河原邦男著
『ユニコーンの日』は、その名の通りガンダムUCの小説版で、
全10巻のうち2巻まで(瀬戸)所蔵しています。
それ以外にもガンダムをより楽しめる本がありますので
ぜひ一度図書館で探してみてください。
また、CiNii(論文などを検索できるデータベース)で「ガンダム」を検索し、
「本文・本体へのリンク」で絞り込むことで
様々な論文をパソコン上で読むのも楽しいですよ!
https://cir.nii.ac.jp/
(ZとUCが好きな、なごやの図書館スタッフ ゆまたろう)
今回は名古屋キャンパスの翼館2階にある、
「法学部資料室」をご紹介します。
法学部資料室も学術情報センターのひとつで、
本学に法学部が開設された時にできた図書室です。
判例や法学関係の文献を調べたい学生に向け
法学に関連する図書や雑誌を所蔵しています。
図書は貸出可能です。(雑誌は館内利用のみ)
開館日や時間は曙館3F図書館とは少し異なります。
くわしくは図書館HPにてご確認ください。
詳細ボタンを押すとひと月分の開館カレンダーが確認できます。
比較的小規模な図書室であるため、
膨大な図書や雑誌のうちなるべく新しい資料を置いています。
(旧版やバックナンバーは曙館3Fしろとり図書館や瀬戸図書館にあります。)
パソコンも設置してあり、データベースを用いて判例を調べたり
個人机などで静かに学習できるスペースとなっています。
カウンターでは、本の貸出返却や資料の探し方の案内などを行っています。
学内の別の図書館の本をここで返却・期間延長することもできますよ。
学内者であればどの学部の学生・院生でも利用できますので
ぜひご来室ください。
(図書館スタッフ:るん)
『ホテル・ルワンダ』は1994年、民族間の対立から、多数派のフツ族が少数派のツチ族と穏健派のフツ族を一斉に襲撃し始めたことから始まります。欧米諸国や国連の無策が被害を拡大させる中、1200人もの人々をホテルに匿い、その命を守り抜いた一人のホテルマン、ポール・ルセサバギナの奇跡の実話を映画化したものです。
100日で100万人が殺害されたともいわれるルワンダの虐殺(人数には幅があり正確な数はわかっていません)。
映画では実際の虐殺ほどには凄惨に描かれておらず、ホテルマンの機転によって大勢の人が救い出される感動の物語となっていました。
悲惨な状況下でも人が人を思うことのできる力と勇気に打たれました。
ルワンダの虐殺から逃れた女性の書いた本もあります。
こちらの本はとても読みやすい文章で一気に読めてしまいますが、内容には驚愕します。
ー牧師のトイレに匿われた6名のツチ族の女性たち(後に8人に)。ドア1枚を隔てた部屋の中では多数のフツ族が大鉈やナイフを持って「皆殺し」を叫びながら探しているー
7週間の間に18キロもやせるほどの過酷な状況と息が詰まりそうな恐怖の中、極限状態でありながらも奇跡的に逃げ延びることができたイマキュレー。
困難な状況の中、神の存在を強く感じながら悲惨な状況を乗り越えていきます。
この体験を世界の人に伝えるためにトイレの中で英語を勉強するなど、その前向きで懸命な姿に圧倒されます。
震えるほど恐ろしい出来事を語っているのに、祈りの力と人間の持つ強さに感動を覚える実話です。
『生かされて』イマキュレー・イリバギザ
※公共図書館などで読むことができます。
国の経済・社会基盤も壊滅状態となったルワンダですが、その後「アフリカの奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げ、現在では治安のよいきれいな街となっています。現在の大統領は「フツ」「ツチ」という区別を否定し、すべての国民が「ルワンダ人」であるというアイデンティティを持つよう導き、2000年以降平和が続いているそうです。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
『そろそろアルバイトを始めようかなあ』と思っているあなた。
アルバイトはビジネスマナーが身に付く事は勿論、様々な仕事を体験する事で、本当に自分がやりたい事は何なのかを突き詰めていける良い機会でもあります。
ですから気になる仕事はどんどんアルバイトをして、その世界を覗いてみる事をお勧めします。
そんな中で今日お勧めする図書は「本屋図鑑」です。
この本は、本屋さんのスタッフの1日の仕事ぶりを4コマ漫画を中心に楽しく紹介しています。
本屋さんの楽しみ方や、付録付き雑誌が店頭に並ぶまでの準備の大変さや、在庫の管理などアルバイトをしてみないとわからない本屋さんのバックヤードの世界がギュッと詰まったマニアックな一冊です。
本屋さんが大好きな人にも必見の本だと思います。
ちなみにこちらの図書は昨年の「本屋さんツアー」で、本学の学生さんが実際に本屋さんで選書されて購入した一冊です。「本屋さんツアー」は毎年開催される図書館イベントです。図書館に置く本を自分も選んでみたいと思う人は「本屋さんツアー」に是非参加してみて下さいね。詳しくは図書館にお問い合わせください。
(瀬戸の図書館スタッフ:かるみあ)
今年のNHK大河ドラマは「どうする家康」。タイトルの通り若き頃の家康は、
頼りない悩める戦国領主。それもそうです。東は今川、北は武田、西からは
織田に挟まれ、幼い頃から人質には出され、常に領地を侵略されかねない危う
い存在でした。
「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」とゆるぎない意志で、盤石の徳川の
世を創ったとされる徳川家康ですが、その永い生涯には際どい分岐点が幾つもあ
ったのです。
悩みに悩む家康を襲う数々の危機、
「徳川家康と9つの危機」です。
分けても、「三河の一向一揆」と
「長男信康の自害と築山御殿の
殺害」でしょう。
前者は領地内で起きた一揆に家臣
から造反者が出て、この家臣達
の戦後処遇。後者は長男と正妻の
殺害を織田信長に命じられその
対処。いずれも、如何にも戦国時代
らしい諸説にあふれ、どこに真実
があるのかわかりにくいながらも、
全体最適のために苦渋の選択をした
証がその決断となっているようです。
(図書館スタッフ 東空)
『はたらく細胞』 <1~6巻完結>
ちょっと強面だけど、頼れる強さの白血球。ドジっ子で思わず助けてあげたくなる赤血球。幼稚園児の姿をした血小板など、私たちの体内の細胞を擬人化したシリーズの最初のタイトルです。
ほかにも記憶細胞、キラーT細胞、NK細胞、B細胞、マスト細胞などあまりなじみのない細胞たちも擬人化したキャラクターのおかげで、私たちの体内でどんな働きをしているのかがとてもわかりやすい。
細胞たちは休みもなく(もちろん、休まれては困るし、たまに文句を言う細胞もいるけれど)私たちの体のために働いてくれているのか~と感謝&感心です。細胞たちに負担をかけないように、日々の生活を気を付けないとな...なんて反省したりして。
アニメ作品が有名になりましたが、原作はコミックですのでとても読みやすいです。またスピンオフ作品も多数あります。多すぎて全部追いきれません~
(図書館スタッフ:Signet)