ルワンダの虐殺を知っていますか?
『ホテル・ルワンダ』は1994年、民族間の対立から、多数派のフツ族が少数派のツチ族と穏健派のフツ族を一斉に襲撃し始めたことから始まります。欧米諸国や国連の無策が被害を拡大させる中、1200人もの人々をホテルに匿い、その命を守り抜いた一人のホテルマン、ポール・ルセサバギナの奇跡の実話を映画化したものです。
100日で100万人が殺害されたともいわれるルワンダの虐殺(人数には幅があり正確な数はわかっていません)。
映画では実際の虐殺ほどには凄惨に描かれておらず、ホテルマンの機転によって大勢の人が救い出される感動の物語となっていました。
悲惨な状況下でも人が人を思うことのできる力と勇気に打たれました。
ルワンダの虐殺から逃れた女性の書いた本もあります。
こちらの本はとても読みやすい文章で一気に読めてしまいますが、内容には驚愕します。
ー牧師のトイレに匿われた6名のツチ族の女性たち(後に8人に)。ドア1枚を隔てた部屋の中では多数のフツ族が大鉈やナイフを持って「皆殺し」を叫びながら探しているー
7週間の間に18キロもやせるほどの過酷な状況と息が詰まりそうな恐怖の中、極限状態でありながらも奇跡的に逃げ延びることができたイマキュレー。
困難な状況の中、神の存在を強く感じながら悲惨な状況を乗り越えていきます。
この体験を世界の人に伝えるためにトイレの中で英語を勉強するなど、その前向きで懸命な姿に圧倒されます。
震えるほど恐ろしい出来事を語っているのに、祈りの力と人間の持つ強さに感動を覚える実話です。
『生かされて』イマキュレー・イリバギザ
※公共図書館などで読むことができます。
国の経済・社会基盤も壊滅状態となったルワンダですが、その後「アフリカの奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げ、現在では治安のよいきれいな街となっています。現在の大統領は「フツ」「ツチ」という区別を否定し、すべての国民が「ルワンダ人」であるというアイデンティティを持つよう導き、2000年以降平和が続いているそうです。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
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