指点字『さとしわかるか』
ヘレンケラーが物には名前があることを初めて知った時、『ウォーター!!!』と叫んだシーンは、とても有名ですが、
同じような瞬間を体験された母子の物語
『さとしわかるか』を紹介したいと思います。
東京大学先端科学技術研究センターの教授である福島智さんのお母様が「指点字」を思いつかれるまでを記した母子の闘病&成長記録です。
子供の頃に視力を失い、後に聴力まで失った息子との会話をあきらめなかったお母様が、とっさに思いついた「指点字」、その時、打った言葉が
この本のタイトル『さとしわかるか』です。それまでの闘病の様子、学校での苦労など読み進めながら、この瞬間には、感動で涙が出ました。
第三者の私がこれほど感動したのですから、お母様の感動はいかほどでしょう。
YouTubeで、この指点字での通訳シーンを少しだけ見ましたが、ものすごいスピードで指を打っておられました。
この本を読んで、少しだけ点字を覚えてみようと調べてみました。あいうえおなど五十音の表を見ながらなんとなく、文字のルールをつかんで実際の点字を読んでみようとしましたが、小さすぎて指で触っただけで読み取るのはとても難しいです。目で見て、点の配置を確認してやっと一文字読める、そんな状態です。文章を伝えるには相当な訓練、練習が必要だったことでしょう。
息子とコミュニケーションをとるために?息子の将来のために?
このお母さんはどれほどの労力をささげられたことでしょう。
『さとしわかるか』の所蔵館(県内)は『愛知県図書館 横断検索 愛蔵くん』で調べることができます。
福島智教授の著書のうち下記の2冊は瀬戸図書館にあります。
★『盲ろう者として生きて : 指点字によるコミュニケーションの復活と再生』
★『盲ろう者とノーマライゼーション : 癒しと共生の社会をもとめて』
目が見えなければ、手話も使えません。
この「指点字」は、多くの方に希望を与えたことと思います。
『さとしわかるか』は手話仲間から紹介されて読みました。私の知らなかった世界を教えてくださったことを感謝して、私もここでお勧めしたいと思います。
(図書館スタッフ:小豆)
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