『慈雨』
数年前、学生時代の恩師が亡くなり、先生を偲ぶ会が催されたときのことです。
亡き恩師と親しかったという年配の方がこんな話をされました。
それは亡くなった人のことを偲んでその思い出話をすると、その人のところに「慈雨が降り注ぐ」という言い方をキリスト教ではするということ。
それまでに聞いたことがなかったため、なんだか優しい考え方だなと思い、とても心に残りました。
しろとり図書館3Fで開催中の「本屋さんツアー展」コーナーで、ふと目に留まった『慈雨』という本、ことばに惹かれて手に取ってみました。
定年退職後の刑事が妻と共に四国遍路の旅に出て、過去に携わった事件に手口が酷似する幼女誘拐殺人事件の報に接するー。
過去の事件に冤罪の可能性があり、苦悩のうちに退職を迎えた刑事が後輩に力を貸して事件の解決に至ります。犯人逮捕も手放しでは喜べない状況ではあるものの、それまでの心残りは終結を迎えます。そこに慈雨が...。
学生さんがこの本を選んだことに少し驚きました。かなり渋めの小説のように感じたからです。
足利事件を元にしてるのでは?という書評もあったため、冤罪事件に興味があったのでしょうか?それとも巡礼に興味が...?
など、選書についてもあれこれ思いを巡らせ、楽しい読書となりました。
※足利事件を扱った『冤罪足利事件』も法学部資料室にあります。あわせていかがですか?
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】