リスキリング(reskilling)
昨今言われるようになってきたことですが、日本人の平均年収は過去30年停滞してお
り、現在G7諸国の中では最低であるらしい。この30年間と言えば、バブル景気が弾け
て、リストラ(事業の再構築)が始まり、早期退職、希望退職などにより日本の終身雇用は
崩れてきました。新卒の採用は氷河期に入り、若い人の給与の押上げがなく、デフレと
も相まって給与水準も永らく停滞することになったのでしょう。
そういう状況の中でコロナ禍に入り、コロナ不況をカバーするための生活給付がどこ
の国においても必要となり、従来にも増して各国で補填すべき給料の水準の検討がなさ
れ、世界水準との比較で日本の水準の低さが際立つことになったものと思われます。
そこで今後どうすれば良いのでしょう。より生産性の向上を図る取組みが必要です。
具体的には、その業界ビジネスにおける必要なビジネススキルを明確にし、特に IT
スキル や AI 知識を改めて身につけることで、事業の生産性を上げ、報酬アップに繋
げることです。
本書は、そのスキル獲得を企業が支援してゆくための指南書となっています。
米国の超大企業「Amazon」では2019年から2025年までに10万人の従業員
に一人当たり日本円で75万円を投じてリスキリング教育を実施するといいます。
非技術系人材に、高度な ITスキルや AI分野の知識を身につけさせることで、社内にお
いて引続き有用な人材として生き残りを図らせるというものです。
(しろとり図書館スタッフ 東空)
追記:この記事は9月時点で書きましたが、11月16日、アマゾンは1万人の解雇を発表。
社内転用の好事例としてご紹介しましたが、なかなか現実は難しいものです。紹介し
たい本であることに変わりありません。
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