幽霊塔
時は大正時代。
叔父が終の棲家にと買い込んだ土地には、長いこと買い手がつかなかった幽霊や屋敷が建っている。
この屋敷の時計塔には、凝り性の施工主が箱根細工のような仕掛けを施し、出口も入口もわからない秘密の部屋があるという。施工主自身が自分の作った塔に入って落命することにおよび、以来この塔は幽霊塔と呼ばれている。
26歳の血気盛んな青年北川光雄は、幽霊塔で絶世の美女野末秋子と出会った。秋子はそこで何をしようとしていたのか?
作者はかの有名な、体はコドモ頭脳はオトナな名探偵の名前の由来となった江戸川乱歩。
ですが、乱歩が黒岩涙香の「幽霊塔」を原案して書いた小説なんです。涙香版『幽霊塔』は青空文庫でも読むことができるので、興味のある方はそちらものぞいてみてくださいね。
ところで表紙の美女にどこか見覚えがありませんか?
そう、表紙を描いているのは宮崎駿さんなんです。ジブリファンの方にはすぐわかりますよね。『ぼくの幽霊塔』と題した宮崎さん渾身のカラー解説口絵が16ページもあります。宮崎ファンにもうれしい1冊です。
北川青年と美女秋子の対面シーンが宮崎さんによって描かれた絵コンテがあってですね、読んでいて宮崎監督作品の印象深さの一端に触れられたような気がしました。
最後本スジとはややずれた紹介となりましたが、とらねこ探偵ミロが紹介させていただきました。