ある執事の回想
皆さまごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
過去を思い出という形で懐かしむとき、時間や感情によって風化したり実際より美化されることがままあります。
時には自分が抱いていた感情を抑え込み、無いものとしてしまうことさえあるでしょう。
そういった人の記憶の不確かさや都合の良さを扱った作品をご紹介しましょう。
『日の名残り』カズオ・イシグロ
〈あらすじ〉
長らくダーリントン・ホールで働いてきた執事のスティーブンスは、
新しく屋敷の所有者となったアメリカ人の主人に促され、
イギリスの田園地帯を旅することになる。その旅路の中で、
長年仕えたかつての主人ダーリントン卿や、執事の鑑であった父、
女中頭のミス・ケントンとの思い出や彼らに対する思いを見つめなおす。
ノーベル文学賞、ブッカー賞を受賞した作家カズオ・イシグロの代表作の一つで、
映画「羊たちの沈黙」のレクター博士役でおなじみのアンソニー・ホプキンス主演で映画化されたこともあります。
「美しい思い出」を振り返る時の、懐かしさやわびしさがじんわりと心にしみる作品です。
(名古屋の図書館スタッフ かえるまんじゅう)