『最後はなぜかうまくいくイタリア人』
こんにちは。学生サポーターの じゅーしぃ です。
みなさんは日本が好きですか?
母国のことを好きか嫌いかなんて、あまり深く考えたことはないかもしれません。
日本には世界に誇ることのできる素晴らしい特長があります。
街や公共施設が綺麗で清潔に保たれていること。
サービス業での細かいところまで行き届いた接客。
ものづくりにおいて職人の持つ高度な技術と決して妥協をしない精神。
電車は時間通りにやってくるし、治安も良いのでみんなが安心して生活できます。
では、他国はどうでしょうか。
この『最後はなぜかうまくいくイタリア人』によると、
イタリアでは空港はゴミだらけ。
タクシーの運転手は客を乗せているのにもかかわらず大音量で音楽を聴き始める。
約束には遅れてくるし、車の運転は乱暴な人が多い。
なんだそうです。
ここまでの話だと、
「快適に暮らせる日本に生まれてきて良かったー」
と感じる人もいると思いますが、本題はここからです。
イタリアは街が汚くて、店員は客を対等に見ているけれど、
仕事に疲れて昼間から眠ってしまっている日本人と見比べたら、
イタリアの人々は実に幸せそうな日々を送っているように見えるそうです。
日本では「お客様は神様」という考えが浸透していますから、企業は顧客を放さないために彼らの要求に必死で応えます。
お客様が神様の地位を握っている間は労働者は緊張感を持って仕事をしなければなりません。
対してイタリアでは客とはあくまで対等な関係です。本書では「客が友人かのよう」とも述べています。
互いに馴れ馴れしく接することができるのです。
だからさっき述べたタクシーの運転手は、客を乗せながら自分の好きな音楽を聴けるのですね。
それに対して不満を言う人は日本ほど多くないという、そういう社会なのです。
日本は「お客様のご要望には全力で応える。だから仕事には身を削って取り組む」のに対して、
イタリアでは「仕事が雑でも気にしない。だって私もきっちり仕事するわけじゃないから」というスタンスをとっているのだそうです。
日本の商業施設でゴミが目立てば、客は「汚いなー。給料貰ってるんだからきちんと掃除してよ」という声が挙がってきますよね。
SNSで簡単に情報が拡散される今の世の中では、そういったお客様の声にはより一層神経質にならざるを得ません。
だから、わたしたちの大学もそうですが、清掃員の方々が日々誠実に仕事に取り組んでくださるおかげで我々は綺麗な施設を快適に利用できるのですね。
でも、この快適さはあなたが消費者ではなく労働者に回ったときに、同じだけの対価を「仕事の質」として払わなければならないのです。
受け取るサービスの質が高ければ、それに似合う質のサービスを他者に支払わなければならない、両者はトレードオフの関係です。
確かに納得できます。心にストンと落ちる感じです。
改めて、みなさんは日本が好きですか?
もしかすると、国外で暮らしたほうが人生を豊かにしながら生きていける人もいるかもしませんね。
(学生サポーター:Mr.じゅーしぃ)
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