もうひとつの人生
イモトアヤコみたいな太い眉と、強い目線。
デブでむさいおじさんの隣に座っているこの女性は、
フリーダ・カーロ。メキシコの画家です。
民族衣装が似合っていてとてもきれいです。
彼女は6歳で病気により右足が不自由に、
学生時代に交通事故にまきこまれ、
全身10か所以上と、右足の粉砕骨折のうえ、
鉄パイプが子宮から背骨を貫通し、子どもが産めない身体になってしまいます。
隣にいるのは彼女の夫。
彼もディエゴ・リベラという画家です。
しかし女癖が最悪なうえ、その名声でモテまくった彼は、
浮気を繰り返します。
そんな彼と一度は離婚し、でも結局再婚。
フリーダにとって彼は、生涯にわたる憧れの存在でもあり、
彼女が生きていくための精神的支柱でした。
彼女はその心の隙間を埋めるかのように、自身も男性・女性(!)遍歴を重ねます。
フリーダの絵を初めて見たのは10年前。
強烈な原色と強いタッチで彩られた自画像からは、
時には鮮血がほとばしっていたり、
身体に無数の鉄釘が突き刺さり、涙を流しているものも。
事故の後遺症による身体の激しい痛みと、
えぐられるような心の痛みが、見ていてつらくなるほど伝わってきました。
もっとフリーダのことを知りたくなり、買った本がこちら。
「私は絵描きになんてなりたくない。
長生きして可愛いおばあちゃんになって、
引き出しの中の細々したものを整理していたい。」
フリーダが晩年に語った、この本に書かれていた言葉です。
数々の合併症を併発し、最後には足も失い、彼女は47歳で亡くなりました。
いつかお金持ちになったら、
メキシコにある、彼女の記念館に行きたいなと思います。
絵もたっぷり見た後は、もちろん写真もたくさん撮りまくってきたいと思う私なのでした。
(瀬戸のスタッフ・うぱこ)
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