あなたを好きになって本当に良かった
誰もがひとつやふたつは抱えているコンプレックス。
それが深刻であればあるほど、冗談でも口には出せないし、
自分でも気にしていないかのように錯覚したりしてしまうもの。
そんなコンプレックスをそっとすくいあげ、肯定してくれる人に出会ったら・・・
島本理生 著
生まれつき顔に大きなあざがある、主人公のアイコ・24歳。
彼女が直面してきただろうさまざまな出来事は、
特に女性なら、切実に想像できると思います。
だから彼女ができるだけ目立たないよう、地味に、ひっそりと、
特定の人たちとだけつきあってきたのも、とてもわかる気がするのです。
(おこがましくてすみません)
------あんなに真っすぐ強い目ができる人は、そうそういないから。
きっとすごく芯がとおっていて、がんばっているひとなんだなって------
自分をそう評した男性にアイコは猛烈に惹かれ、恋に落ちます。
でも彼は映画監督。優しくて繊細、強いようでどこか危うくて脆い男。
(いわゆる、女が放っておかないタイプ)
そんな相手に、彼女は全力でぶつかっていきます。
かけひきも知らなければ、情緒もない、24歳の初めての恋。
そんな彼女に、彼も惹かれていくのですが・・・
ここ1年以上、まともな読書から遠ざかっていた私でしたが、
途中何度も泣かされながら、一気読みできた本でした。
宮沢賢治の「よだかの星」を知っていれば、より深く読めると思います。
私はアイコと同じ結論は出せないだろうけど、
人を好きになるって、やっぱりいいなあと素直に思えました。
(瀬戸のスタッフ・うぱこ)
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