どんなに空腹でもどうしても食べられない!
自分は食べ物に関しては、かなり保守的な方だと思う。
食べたことがないものにはなかなか手が出ないので、食わず嫌いも結構多い。
他に食べるものがあるなら、あえて"初めて"には挑戦しないだろう。
でも、未知の食べ物しかなかったらどうする?
熊田忠雄 『拙者は食えん!: サムライ洋食事始』
幕末から明治初期、開国間もない日本から海を渡ったサムライたちの、
「洋食との出会いと闘い」を、当時の日記や手紙からたどっていく歴史エッセイ。
ほとんどの人は慣れない味や食感にとまどいながらも、徐々に慣れていった
けれど、中には「絶対に無理!」という人ももちろんあったわけで、
味の許容範囲の狭い私などは、たぶん後者だろうなと思う。
そう考えると、「何でできてるかわからないパンとか気味悪いし、どれもこれも
油の匂いがしてなじめないし、味薄いしなんか甘い?物足りないよね味付け」とか
言って、一切口にできず、すさまじい空腹感に苦しむ姿を決して笑ったりはできない。
そして、狂おしいまでの醤油への渇望。
「ここに醤油さえあれば・・・」「どうしても醤油じゃなきゃダメなんだ!」
それほどまでに日本人の舌は醤油に依存しているのか。もしかして今も?
(海外からやって来て、日本の空港に降り立つと醤油の匂いがするという話も
まんざら嘘ではないのかも。)
そうは言っても食べなきゃ飢えて死んでしまう。
ついには肉の臭みをごまかすために、石灰の粉を振りかけて食べるという、
今なら絶対そっちの方が無理でしょという荒業におよぶなど、とにかく必死。
まさに"闘い"と呼ぶのがふさわしい。
ちなみに、かの福澤諭吉センセイは、洋食問題なし!すぐ慣れたとか。
さすが。こんなとこでも大物。
(瀬戸のスタッフ くり)
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