日本が舞台の歴史ファンタジー
ファンタジーの世界では、いわゆる"選ばれた子ども"が、望むと望まざるとにかかわらず
使命、あるいは試練をかかえて生きていくことを余儀なくされる。
特殊な力を与えられて。
舞台は平安末期の日本。
安定していた貴族の世の中が崩れだし、かつてない戦乱の時代が始まろうとしている頃。
武士として生きることに挫折した孤独な少年の笛の音が、たぐいまれな才能を持つ
少女の舞と合わさった時に、人の生死や未来をも変えてしまう不思議な力が生まれた。
その力を利用しようと、時の権力者、後白河上皇が二人に近づき・・・。
主人公の少年と少女がどんどん惹かれあい、ともに生きる道を探し求める一途な恋にも
引き込まれるが、少年が出会った人々の話を聞き、反発したり、迷ったり、葛藤したり
しながら、ひとつずつ自分で答えを見つけていく過程がとても好きだ。
ああ、ちゃんと気がついたね、って言ってあげたい気持ちになる。
そして、登場するキャラクターの中で一番のお気に入りはカラスの「鳥彦王」。
(鳥彦王好きにはこの結末はちょっと切なかったりするかも。)
きっと誰でも、好きなキャラクターや好きな台詞が、必ず見つかると思う。
と、いうところで、最後に書影を貼ろうとして衝撃を受けた。
これ。
なんというラノベ仕様。うーむ、なかなか手に取るにはハードル高い・・・。
確か自分が読んだときはこんなふうではなかったはずだが・・・。
そうそう、ハードカバー版はこれ。こっちで読んだのだ。これなら全然抵抗ないのに。
(萌え系の表紙に惹かれて読んだのではない、という主張。というか言い訳。)
いいや、たとえキラキラな表紙でも、勇気を出して(?)読んでみて、気に入ったら同じ著者の
「勾玉三部作」を是非。
さらに時代をさかのぼった古事記の時代の日本が舞台の『空色勾玉』から始まる
こちらも素敵な歴史ファンタジー。超おすすめ。
(瀬戸のスタッフ くり)
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