岩波文庫が新しくなりました

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あまりにもぼろっちくて、その古臭さが白鳥の新しい書架の中で異彩を放っていた
岩波文庫。
ついにピカピカの新品が入ってきました。

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読んでみたいな~という作品が「あった!」と思ったら、こんなぼろぼろの
変色しちゃった本だなんて・・・とがっかりしたことはありませんか?
ましてや本文が旧かな使いだったりした日にはもう・・・。読む気力消滅。
でも、これなら手にとっていただけるのではないでしょうか。

岩波文庫には、古典的価値のある作品、いわゆる世界の名作といわれるような
文学や学術書が収められています。
誰でもタイトルくらいは聞いたことがあるような有名な作品ばかりです。

ところで、そういう本って、子どもの頃に"少年少女世界名作全集"的なもので
子ども向けのダイジェスト版を読んだことはあっても、意外と完全版までは
読んでいなかったりしますよね。
子どもの頃に読んで面白かった本、逆につまらなくて途中でやめてしまった本を
もう一度読み直してみて下さい。

昔読んだお話が全体のほんの一部だったり、かなり大胆に改編されていたりということに
驚くかもしれません。
子どもの時にはあんまり心惹かれなかった本でも、今なら面白く感じるかも。

私が子どもの頃全然読みたいと思わなかった本、『巌窟(がんくつ)王』。
表紙にひげ面で髪の毛ボサボサのむさくるしいおっさんのイラストが描かれていて、
あらすじも脱獄とか復讐の鬼とか、なんだか怨念こもってそうで苦手な感じで
避けていました。
ところが!ワタクシ間違っておりました!

アレクサンドル・デュマ作 『モンテ・クリスト伯』 

モンテクリスト.jpg

主人公の巌窟王ことエドモン・ダンテス君は、むさくるしいおっさんどころかイケメンです。
長年陰謀により無実の罪で投獄されていたので、むさくるしくなっちゃっただけです。
そして、復讐といっても、自分を陥れた人たちを次々と惨殺する!などという荒っぽい
方法ではなく、用意周到に、巧みに仕掛けをして社会的に破滅させるのです。
ああ、なんて面白い。
文庫で7巻。長いですけど、物語の世界にどっぷりつかってイッキ読みして欲しいです。

 

ぜひ「タイトルだけは知ってるけど・・・」な名作に挑戦してみて下さい。
食わず嫌いはもったいないです。私の巌窟王のように。
合わないな、と思ったらどんどん次にいけばいいんです。
そこが図書館の本のいいところでもありますからね。

 

(瀬戸のスタッフ くり)

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