一緒に走ろう!
数年前に一度、駅伝に出場した。
職場の同僚たちとチームを組んで、T市一周駅伝のアンカーとして。
自分が遅かったら、メンバー全員に迷惑がかかる。
つらくてもペースを落とせないと思い、ほぼ全力で走った。
いつもひとりでのんびり走ってきた私が、初めて味わうプレッシャーだった。
毎年正月に開催され、その中継の視聴率は数ある特番を押さえトップを誇る箱根駅伝。
その箱根駅伝を、長距離陸上界では全く無名の大学・寛政大の学生が、たったの10人で目指す
まるでファンタジーのような小説。
三浦しをん著
「神」の走りをするスーパーランナー蔵原走と、
膝に故障を抱え競技生活から退かざるを得なかったハイジこと清瀬灰二。
メンバーの中ではこの二人以外のほとんどが陸上初心者で、最初は5キロも走りきれない。
しかし、ハイジの的確なコーチングと巧みな話術で、
彼らの走力もモチベーションもどんどん上がっていき・・・。
結局、私のチームの順位は中のちょっと下くらいだったけれど、私の区間順位はほとんどビリだった。
自分の遅さが情けなくて申し訳なくて、やっぱり駅伝なんて出るんじゃなかった、と思った。
でも、同じくらい、出てよかったと思っていた。
休日に集合して、妙なハイテンションでコースを試走したこと、
メンバー全員がなかなか集まらず、記念写真を撮るのに一苦労したこと、
そして、「一緒に走るよ!」と言われて出るのを決めたこと、
ひとりではわからなかった楽しさやつらさを、みんなで一緒に走ってはじめて知った。
また、今年も箱根駅伝の季節が巡ってくる。
たくさんの選手の中に、走や、ハイジや、寛政大の選手は必ずいて、
喜びのハイタッチをしたり、悔し涙を流したりするんだろうな。
一緒に走る仲間とともに。
(うぱこ)
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