図書館スタッフの最近のブログ記事
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
皆さんはどんな麺料理が好きですか?
カレーうどん、和風スパゲティ、ラーメン、ソース焼きそばなど、日本の麺料理は
外国由来の多種多様な麺と在来の料理法をミックスして独自の発達をしてきました。
しかし、現在にも残っている人気麺料理の陰にはたくさんの試行錯誤があり、消えていったレシピもたくさんあったようです。
今回ご紹介するのは、その消えていった幻の麺料理を戦前・戦後の雑誌や料理本から発掘し、100品以上を実作・実食して検証した本です。
『幻の麺料理 : 再現100品』
ナポリタンうどん、ホワイトソースうどんなどのうどん麺と西洋料理を合体させたものや、
カレーうどんが現在の形になるまでの試行錯誤の跡、和風パスタメニューの広がりなどなど、
発掘されたレシピからうかがい知ることができる麺料理の発達の過程が面白いです。
ただし、紹介されているレシピのほとんどはどれもあまり美味しくなさそうで、今の時代に残っていないのも納得できてしまいます。
興味のある方は作ってみてはいかがでしょうか?
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
本日紹介させていただくのは
『52ヘルツのクジラたち』です。
52ヘルツのクジラって本当にいるの?調べてみると、鳴き声が高すぎて仲間に届かない『世界で最も孤独なクジラ』と呼ばれているらしいです。心の叫びが誰にも届かない、SOSを発している誰かに気づいてあげられない、そんな体験、ありませんか。そんな聞き逃しそうな声にいち早く気づいて、最善の助けをしてくれる人、そんな出会いをしたことありませんか。そんな相手のことを、魂の番とこの本では言っています。この本を紹介してくださった方が『色んな問題が詰まっている本』だと言っておられました。まさに今、ニュースなどで見る様々な社会問題を取り上げている内容でもあります。さっと物語のように読むも良し、それぞれの問題について考えながら読むも良し、何か一つは、大なり小なり自分の体験と繋がることもあるかも?いずれにしても泣けるお話しです。そして、舞台となった海辺の家からの景色、読み終えた私には眩しく輝いた美しい入江?そんな気がしています。
★『52ヘルツのクジラたち』は瀬戸図書館にあります。
(図書館スタッフ:小豆)
話題の絵本。実話と知って驚いた。
飼育員の発想が素敵。そしてその発想ができるのがすごい。
タンゴの家族はちょっと違う。
でも、他のペンギンたちや人間の私たちと同じように幸せな家族。
あまり内容に触れてしまうと面白くなくなってしまうので...とにかく読んで欲しい。
(瀬戸のスタッフ:emirin)
こんにちは、もくもくです。
今回ご紹介する図書は、皆さんがたぶん一度は行ったことがある
京都の美術鑑賞に関するものです。
著者は「美術解剖学」という、少し聞きなれない分野を基盤として
芸術や文学の批評、解剖学の著作などの執筆活動をされている方です。
修学旅行に行く当時中学生の息子さんなど、
京都初心者にむけたガイドブックのため、
というのが執筆の動機だそうですが、
それだけにわかりやすく、この場所では何をどう見るのか、
そこはどういう美しさなのかを
シーンごとに解説してくれています。
描写がリアルで、読んでいると景色が思い浮かぶようで、
お寺、庭園、建築果ては垣根に至るまで、京都のもつ様々な美しさを
言葉を尽くして教えてくれます。
何というか、自分が行ったことのある場所が、
ただ見ていただけだったと思い知らされました。
勿論、ただ見るだけも素敵なのですが、知ることができれば
そのさきに進んで、京都の美しさをより感じることができる
のではないかと思います。
皆さんは読後に、どの場所を選ぶのでしょうか?
そんなことを想いながら、読んでみるのも面白いですね。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
皆さんにとって、外国語といえば何を思い浮かべますか?
きっとほとんどの人が「英語」と答えるのではないでしょうか。
もしくは大学の授業で第二外国語として学んでいるフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、などなど。
これらはいずれも世界において使用者が多く、学習者も多い言語です。
しかし当然ながら、現在世界に存在する言語はこれっぽっちではありません。
数え方によって違いはあるものの、国家の数よりずっと多いといわれています。
そうはいっても、「何か外国語を学ぼう」と思い立って選ばれる言語の種類は限られています。
言語の習得には多大な労力を費やす必要があるため、
「どうせならよく使われる、多くの人に通じる言語を」という理由から、メジャーなものが選ばれていくわけです。
今回ご紹介するのは、これらのメジャー言語以外に目を向ける一冊です。
『「その他の外国文学」の翻訳者』
ヘブライ語、ベンガル語、ノルウェー語、タイ語、チェコ語など、
書店や図書館の分類で「その他」に分けられる言語の翻訳者たち9人のインタビュー集です。
その言語と出会ったきっかけや、学習方法、翻訳の工夫や苦労、文学観について語られています。
辞書や教材さえないのが普通の言語を、学ぶ場を世界で探す必要のある言語をなぜやるのか、その理由は様々です。
この英語一強時代に「その他」の外国文学を翻訳する意義に思いを馳せてみてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
こんにちは、もくもくです。
ここ数年、辞典編集者による書籍を目にするようになりました。
それぞれ、辞書を別の角度から見ることを教えてくれて、面白いですね。
その中でも今回ご紹介する著者は、漢和辞典の編集者として、
長くお仕事をされてきた方です。
漢和辞典のお仕事をする中で見つけた、漢字に関する様々な面白いことを
詰め込んだおもちゃ箱のようだと、この本について著者は説明しています。
日常生活の中でも、目にする漢字にツッコミを入れたくなることなどに
職業病と本人は書いていますが、自分なら当たり前に読み飛ばしてしまう
文字(漢字)から、こんなことを考えるのかと、その内容の凄さに驚いたり、
ほのぼのとしたりしました。
『漢和辞典的に申しますと。』円満字二郎著
この方の著書は名古屋学院図書館でも「漢字ときあかし辞典」(しろとり所蔵)、
「漢字が日本語になるまで」(瀬戸所蔵)ほか
数冊所蔵しています。機会があれば、手に取ってみて下さい。
ところで、円満字という苗字は本名で、全国に20人足らずしかいない稀少な姓だそうで、
こんなところも素敵です。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
皆様こんにちは、勝山道です。
「春眠暁を覚えず」ということわざがありますよね。おおよそ、なかなか起きられない状態を指して使われることの多い言葉です。
春の眠りは心地よいものです。暑くもなく寒くもなく空気に険もなし。いくらでも寝ていられますが......それは春に限ったことでもないのでは?
たしかに夏は寝苦しい夜もあるでしょうが、窓を開け放って風や音を感じながら寝たりするのも風流でしょう。今となってはエアコンや扇風機もありますしね。
秋は夏と冬のはざまに揺れる難しさがあるものの、春に次いで気候が安定しています。むしろ寝るにはもってこいの季節ですね。
冬に関しては、なかなか起きられないという意味を広義に捉えれば、むしろこのような語句表現において春よりも適役の可能性さえあります。布団から出られない人も多いことでしょう。
......このように、このことわざが生まれたのは空調も扇風機もこたつも床暖房もなんにもない時代であるという事実を無視してしまえば、このようなことだって言えるのです。
果たして眠りとは何なのか? そこに時節や気候による大きな違いは認められるのか? 今回紹介させていただく本におきまして、この疑念の列挙はほとんど関係のないものです。それではどうぞ。
著者の砂川玄志郎氏は、ざっくり言えば研究者の方。医療に従事した経験から「人類も冬眠させることはできないのか?」という疑念に挑むようになるのです。
本著ではそれに至る過程から、つまり冬眠の研究ではなく医療に従事しているところから話が始まるのですが、まぁこれがなかなか読ませるものでして。
後半になると専門用語が大量に出てくる章もあったりしますが、基本的にはそれほど硬い文章ではありません。むしろ読みやすいと感じるほど。
人工冬眠という物語のような現象を真正面から再現しようとする、というテーマ自体に興味があるならば、難なく読み進められるのではないでしょうか。
専門性の高い部分もありますが、ぜひとも挑戦してみてください。
そんな『人類冬眠計画 : 生死のはざまに踏み込む』はしろとり図書館3階に所蔵されています。ご興味あります方は是非お立ち寄りください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)
なにげな~く検索していたら見つけました。
★われ弱ければ ー矢嶋楫子伝ー 三浦綾子著
矢嶋楫子さん、どんな方か、全く知りませんでしたが、昨年、映画化されたんですね。
常盤貴子さんが楫子さんを演じられたようです。
★映画『われ弱ければ 矢嶋楫子伝』のホームページは、こちら
常盤貴子 石黒賢 渡辺いっけい キャロリン愛子ホーランド 渡辺大 藤吉久美子 竹下景子
天保、明治、大正と女性が虐げられていた時代に生き、婦人矯風会の初代会頭として活動をしてこられた方、女子学院の院長など女性として初めてのことを数々体験されています。
酒乱の夫から命を守るため子供を連れて逃げ出し、女性から離縁など許されない時代に、周りの批判を顧みず、自ら離縁を申し出た体験から、矯風会の禁酒運動に携わることは彼女の使命と思われたことでしょう。
女子学院の院長時代には校則を廃止し、「あなたたちには聖書があります。自分で自分を治めなさい」という言葉は良く知られているようです。(私はこの本を読んで初めて知りました)
酒乱の夫に悩まされた経験のある楫子は、お酒は嫌っていましたが、たばこは別だったようです。かなりのヘビースモーカーだったと思われます。
まさに周りに煙たがられていた楫子を、女子学院の院長に迎え入れた宣教師ミセスツルーの忍耐深い愛は、はかり知ることはできませんが、彼女も辛かったのだとわかるシーンは感動ものです。
禁酒・廃娼・一夫一妻制・新しい女子教育...
江戸後期から大正まで生き抜き、一途に女性の地位向上を目指した生涯
93歳、最期まで走り抜けた矢嶋楫子の人生、読んでみませんか。
★『われ弱ければ』の所蔵館(県内)は『横断検索愛蔵くん』で探せます。
(図書館スタッフ:小豆)
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
ミステリー作品における探偵役は、しばしば作品内の謎に関する知識について語りがち、
というのはジャンルにおける「あるある」ネタの一つだと思いますが、
今回ご紹介する作品の探偵役もまさにそのタイプです。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
ストーリーとしては、黒死館と呼ばれる屋敷で起こる連続殺人事件と、
屋敷に住む謎めいた一族や住人の謎を解くミステリ小説なのですが、
何よりもこの作品を異質な存在たらしめているのは、作中にふんだんに盛り込まれている蘊蓄の量です。
探偵役の法水が屋敷の建築やら美術品やら調度品やら蔵書やらに関する知識をこれでもかという程ひけらかしまくっているのです。
おまけに容疑者たちとのやり取りにも英語やドイツ語などの詩歌の引用をしつつ、鎌をかけたり真意を探ったりします。
「もう少しシンプルな会話が出来ないのか?!」と思いつつもなんとか最後まで読んだのですが、肝心のストーリーが蘊蓄の量に埋もれてしまっている気がしました。
それでも面白い作品であることは間違いないので、オカルトチックな雰囲気のミステリ小説に興味がある方、溺れるほどの蘊蓄を浴びたい方におすすめします!!
※小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は青空文庫からすぐに読めます。タイトルをクリックしてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
みなさん、こんにちは!
本日ご紹介する作品はこちら↓
『ダウントン・アビー』原題:Downton Abbey
1912年~1925年のイギリス、ヨークシャーの架空のカントリー・ハウスである「ダウントン・アビー(Downton Abbey)」を舞台に、エドワード朝以降の貴族であるグランサム伯爵クローリー家と、執事や従者、侍女やメイドなどの使用人たちの生活が当時の史実や社会情勢を背景にして描かれています。
様々な人間模様が興味深いし、時には事件も起きたりして物語がドラマチックに展開します。
NHKで日曜23:00からドラマが放送されていたのでご存じの方もおありかと。
ドラマ版はシーズン1からシーズン6まで、映画版は2作あり、うち第1作目は瀬戸にあります。
ご興味のある方は是非...
図書館スタッフ:signet