本にまつわる話: 2013年7月アーカイブ
暑い日が続きますね!
私事ですが、最近寝ながら軽い熱中症になるという事件が起きました(笑)
私の部屋にはクーラーがないのです。
7月の上旬に寝ながら熱中症になるなんて。。。。
夏本番がきたら生きていけるか心配です(笑)
みなさんもこまめに水分補給をして、なるべく涼しい場所で過ごしましょう!
もうすぐ夏休みですが、みなさんは夏の予定は決まっていますか?
わたしは今年が学生生活最後の夏休みになるのでなにか夏休みらしいことをしようと
日々考えていますが。。。。。何も浮かばないです。
海やプールは日焼けがこわいし。。。お祭りは人が多くて苦手だし。。。
花火大会とか自宅のベランダから見えるし。。。何より平熱より気温が高いのに遊びに行く元気はない。。
まったく夏に向いていない性格だということに改めて気がつきました。
暑い夏を涼しく快適に過ごすには。。。そうですね、クーラーの効いた部屋で読書しかないですよね!!
図書館では夏季長期貸出を行っております。
7月15日~9月26日まで!!
なんと貸出冊数は無制限!!!!
何冊でも大丈夫です!!!!!!!
夏バテして外出したくない方、暑いから出かけたくないけど夏休みひまだなーという方は
ぜひ!!図書館まで足を運んでくださいね!!!!
《名古屋学生サポーター:oka》
NGU図書館では、今、ビブリオバトル旋風が吹いています。
わたしもその風に乗っかって、今回はビブリオネタでいきたいとおもいます。
ビブリオバトルっておもしろいなあ、とわたしが思ったきっかけとなったのが、
6月に名古屋・栄のジュンク堂で開催された
「ビブリオバトル東海決戦」を観てきたことでした。
ビブリオバトルについては周りの方から話をきいたり、
それにまつわる本を読んだりしていたものの、実際に見るのは、はじめて。
その日の会場は、観客100名が集まり、これからはじまる決戦への期待と初夏の暑さで
熱気に包まれていました。
東海決戦は、それぞれチャンプ本として勝ち進んできた静岡・愛知・岐阜・三重の大学生
4名と社会人2名(大学教授と書店員さん)の計6名で行われる東海地区決戦でした。
バトラーさん(特に大学生の4名)は、勝ち進んできただけあって、話し方も構成も上手。
本の魅力を熱く語るひと、逆に冷静沈着に紹介するひと、笑いを取り込むひと、
と紹介の仕方は様々でしたが、みなさんの惹き込まれるような話しっぷりは、
さすがだなあと唸りました。
観客側の目線からみてビブリオバトルは、普段手に取ることのない自分の知らないジャンル
の本を知れることが単純におもしろいかったです。知的好奇心がくすぐられました。
そしてバトラーさんは、やはり勝ちたい、チャンプ本に選ばれたいと思って
参加されるわけでしょうから、どのようにすればこの本の魅力を5分間で相手(観客)に
伝えれることができるだろうかと、あれこれ考えて話しているのでしょう。
その要約されたような5分間と言うのは、バトラーさんはもちろんのことだと思いますが、
観客もちょっとした緊張感があって、集中して聞こうとする時間がとても濃密に
感じられました。
それはすべてを聞き終えた後に、心地よい疲れを感じるくらいでした。
バトラーになるのはちょっと敷居が高いなあと思っているひとは、
濃い時間を味わえる観客としての参加をおススメします。
日本全国でますます盛り上がりをみせているビブリオバトル。
秋に開催される首都決戦@東京を目指し、本学でも予選会を行います。
ただ今、バトラーの参加申込を受付中!
気になった方は図書館カウンターへお越しください。
◇ ビブリオバトル東海決戦2013 で紹介された本はこちら ◇
・『ファスト&スロー (上・下): あなたの意思はどのように決まるか?』
ダニエル・カーネマン著 村井 章子訳 友野典男(解説)
・『モノローグジェネレーション』 小坂俊史著 ※漫画
・『九つの、物語 』 橋本紡著
・『いつやるか? 今でしょ! 』 林修著
・『続・悩む力』 姜尚中著
・『動物に心はあるだろうか? 初めての動物行動学』 松島俊也著 佐竹政紀イラスト
先日学内で行われた「モーニング × ビブリオバトル」で紹介された図書とともに、
現在、図書館で展示中です。
(なごやのスタッフ 春)
こんにちは、毎日がオフサイドのカシスオレンジです。
蝉が鳴き始め、本格的に寝苦しい季節になってきましたね。
みなさん、熱中症には気をつけ、水分をとりましょう。
今日は、芥川賞を受賞した田中慎弥(著)さんの『共喰い』を読んでから
なんとなく気になっていた、芥川賞と直木賞の違いを紹介します。
芥川賞と直木賞は
大正時代を代表する小説家、芥川龍之介の業績を記念して、友人であった
「文藝春秋」創始者の菊池寛が
直木三十五(直木賞)をともに昭和10年1935年に創立されました。
「芥川賞」
純文学で活躍した芥川龍之介の名を記念しており
純文学と新人作家が対象の選考基準である賞のことです。
純文学とは、純粋な芸術的感動を伝えようとしている小説のことであり
一つのテーマに基づいて書かれることが多いそうです。
最近では、綿矢りさ「蹴りたい背中」や金原ひとみ「蛇にピアス」などで
話題になったようにとても若い人の受賞が増えているようです。
しかし、あまり読書をしない人には理解しにくい本が多いそうです。
「直木賞」
大衆文学の世界で活躍した直木三十五の名を記念しており
大衆文学と新人及び中堅作家が対象の選考基準である賞のことです。
大衆文学とは、娯楽性や商業性を重んじ、読者の興味を中心とした小説のことであり
ストーリーや話の展開を意識して書かれることが多いそうです。
最近では、ベテランの作家が受賞することが多いようです。
推理小説や恋愛小説など様々な小説が受賞していて
読みやすく面白い作品であることが多いそうです。
違いをわかっていただけましたでしょうか?
ふむふむなーるほど(・_・)わからん。という方に要約しますと
芥川賞=純文学
直木賞=大衆文学
ということで、もし質問されたときは
とりあえずドヤ顔でこう答えましょう。
ちなみに
芥川賞・直木賞は1月と7月に発表があるそうです。
興味がある方は、文藝春秋のホームページからご覧ください。
追伸です
小山さんおめでとうございます。
しっかりと筋道の立った紹介で圧巻でした。
他の参加者の皆様も、お疲れ様でした。
私は、視線が気になり、緊張でガチガチでしたが
発表していくうちに高揚感に変わり、終わってみれば楽しかったです。
自分の好きな作品が注目され、知っている人がいるとうれしかったです。
そして、5分間という短いようで長い時間の中で
最大限に本の魅力を紹介するのは難しいと痛感しました。
また機会があれば、ぜひ参加したいです。
それでは、昨日の敵は、今日の友、法学部資料室から
(名古屋の学生サポーター カシスオレンジ)
「機関リポジトリと図書館」では、大学図書館が機関リポジトリ(以下、リポジトリ)に取り組む意味を考えました。今回は、リポジトリに関連して、学術雑誌の標準フォーマットについて考えます。
■雑誌単位から論文単位へ
「これ何からコピーしたんでしょう」。卒論の締め切り直前、自分で複写した論文の出典がわからなくなって図書館に駆け込んできた学生が十数年前にはいたものです。論文を複写したときに、誌名や巻号のメモを忘れたのが原因です。
学術雑誌は通常1号あたり複数の論文が収録されています。読者は雑誌を手に取ると、論文を読む前に、表紙や背表紙などから巻号や発行年または特集名などその号全体の情報を得ることができます。一方、リポジトリでは論文を雑誌から抜き出し、モノグラフ(単行書)のように収録しているため、紙の雑誌がもつ物理的な姿は消えています。大学紀要を論文単位に切り分けて単純にPDFに変換すると、先の学生さんと同じことが起こり得ます。このため、雑誌タイトル・巻号など記載した別紙を論文に添付してリポジトリに収録する例もあります。
最近の学術雑誌は、論文単位で複写されることを意識してつくられています。たとえば、各論文の第1頁の柱に、雑誌タイトル・巻号・掲載頁・発行年を入れ、表紙を見なくても書誌事項がわかるよう配慮しています。今後のリポジトリの普及を考えると、学術雑誌は印刷物として流通可能なデザインを採用した上で、モノグラフとしてもあつかえるような設計が求められているといえます。
■論文はどのように選ばれるか
利用者は、リポジトリに収録されている膨大な量の論文からどのように論文を選ぶのでしょう。あらかじめほしい論文が決まっている場合を別にすると、キーワードを入力してヒットした中から、何らかの基準で論文をダウンロードすることになるはずです。たとえば、
・その著者の別の論文を知っている
・知らない著者だが、その分野で著名な雑誌に掲載されている
最初にこのような選択が行われるであろうことは充分想像されます。
では、著者も雑誌もなじみのない論文がヒットした場合、研究者の情報選択行動はどのようなものになるのでしょう。まず抄録で論文の概要が把握されます。ついで、多くの場合、参照文献が確認されるように思われます。どのような文献に基づいているかをみれば、その論文の方向性が類推可能だからです。
そのとき、参照文献の書き方が統一されていなかったり、データの出所が欠落していたらどうでしょう。抄録の内容が求めているものと一致したとしても、その論文が信頼を得るのは難しいと考えられます。論文には学会により表記上の決めごとがあります。論文の形式を整えることで、研究者は研究に対するモラルを示しています。出典の記述が不正確だと、その研究の精度も疑われてしまうのです。
■リポジトリと学術雑誌のフォーマット
では、誌面スタイルなど雑誌本体のフォーマットは、どのように考えるべきでしょう。学術雑誌は、表紙のデザインなど雑誌としての基本的な枠組みが定められ、そこに毎号新しい論文を収録します。読みやすさ、論文の探しやすさは、このようなフォーマットに影響されます。
雑誌の外観や形態といった"容れ物"としての設計が充分でないために、価値を半減させる事例もあるといいます。医療系の学術雑誌50誌をサンプルとして、誌面スタイルの標準準拠、収録論文の検索等を発行者が配慮しているかについて、雑誌の形態的な面からのみた調査によると、大学紀要類は出版社系雑誌、学会誌よりさらに低い評価となりました(注1)。このように考えると、読者の信頼を得るためには、論文の形式上の正確さに加え、雑誌本体のフォーマットにも配慮する必要があります。
リポジトリでは、論文単体で登録されるため、雑誌という姿は消えています。しかし、発行者がどのような意図をもって雑誌を設計しているかは、論文の第1ページから読み取ることができます。たとえば、
・原著論文とレビュー論文その他の区別
・査読日
・抄録とキーワードの記載
などが表示されていたらどうでしょう。その雑誌は、掲載論文の水準を確保した上で、研究者がより迅速に論文を選べるよう配慮して設計がなされていることがわかります。リポジトリの利用者はここから雑誌発行機関の意図を読みとり、その論文の有用性を判断することが可能です。つまり、雑誌のフォーマットも、リポジトリでの論文選択に影響するとみなすことができるのです。
■リポジトリ内での競争
リポジトリは、原則無料で論文を入手するための仕組みです。このシステムは研究の情報量を格段に増大させるため、不要な情報を排除するという選択も必要になります。たとえば、査読を採用しない雑誌を最初から検索対象としない、といったように。
電子ジャーナルは、すでにこのような環境のもとで使われています。印刷ベースの紀要を単純にリポジトリに収録しただけでは、競争に参加することにはならないと考えた方がよさそうです。個々の論文(そして著者)が有利になるような制度と外観を選択することが、リポジトリ時代の紀要に求められていると言ってよいでしょう。
その論文を必要とする世界のどこかの研究者に直接届けることこそ、リポジトリの目指すところです。論文のレベルを保障し、電子ジャーナルの標準仕様(注2)を採用すること、そして研究に光が当たるようキーワードや参照文献に配慮すること。これらがリポジトリ時代の大学紀要に必要であると考えられます(注3)。
(注1) 松坂敦子ほか.学術雑誌, 紀要類の書誌記述フォーマットの現状評価.情報管理 50(11), pp.765-773, 2007
(注2) 電子ジャーナルの標準的なフォーマットには、SIST(科学技術情報流通技術基準)があります。SISTは、科学技術振興機構が科学技術情報の流通を促進させるための基準として策定しており、14種類ありますが、電子ジャーナルに関係するのは、主としてSIST07(学術雑誌の発行と構成)とSIST08(学術論文の執筆と構成)です。
(注3) 『名古屋学院大学論集; 医学・健康科学・スポーツ科学篇』は、査読を採用し、掲載論文にキーワードを付しています。
(瀬戸のスタッフ りんたろう)