<06>図書館スタッフ: 2023年6月アーカイブ
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
皆さんにとって、外国語といえば何を思い浮かべますか?
きっとほとんどの人が「英語」と答えるのではないでしょうか。
もしくは大学の授業で第二外国語として学んでいるフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、などなど。
これらはいずれも世界において使用者が多く、学習者も多い言語です。
しかし当然ながら、現在世界に存在する言語はこれっぽっちではありません。
数え方によって違いはあるものの、国家の数よりずっと多いといわれています。
そうはいっても、「何か外国語を学ぼう」と思い立って選ばれる言語の種類は限られています。
言語の習得には多大な労力を費やす必要があるため、
「どうせならよく使われる、多くの人に通じる言語を」という理由から、メジャーなものが選ばれていくわけです。
今回ご紹介するのは、これらのメジャー言語以外に目を向ける一冊です。
『「その他の外国文学」の翻訳者』
ヘブライ語、ベンガル語、ノルウェー語、タイ語、チェコ語など、
書店や図書館の分類で「その他」に分けられる言語の翻訳者たち9人のインタビュー集です。
その言語と出会ったきっかけや、学習方法、翻訳の工夫や苦労、文学観について語られています。
辞書や教材さえないのが普通の言語を、学ぶ場を世界で探す必要のある言語をなぜやるのか、その理由は様々です。
この英語一強時代に「その他」の外国文学を翻訳する意義に思いを馳せてみてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
こんにちは、もくもくです。
ここ数年、辞典編集者による書籍を目にするようになりました。
それぞれ、辞書を別の角度から見ることを教えてくれて、面白いですね。
その中でも今回ご紹介する著者は、漢和辞典の編集者として、
長くお仕事をされてきた方です。
漢和辞典のお仕事をする中で見つけた、漢字に関する様々な面白いことを
詰め込んだおもちゃ箱のようだと、この本について著者は説明しています。
日常生活の中でも、目にする漢字にツッコミを入れたくなることなどに
職業病と本人は書いていますが、自分なら当たり前に読み飛ばしてしまう
文字(漢字)から、こんなことを考えるのかと、その内容の凄さに驚いたり、
ほのぼのとしたりしました。
『漢和辞典的に申しますと。』円満字二郎著
この方の著書は名古屋学院図書館でも「漢字ときあかし辞典」(しろとり所蔵)、
「漢字が日本語になるまで」(瀬戸所蔵)ほか
数冊所蔵しています。機会があれば、手に取ってみて下さい。
ところで、円満字という苗字は本名で、全国に20人足らずしかいない稀少な姓だそうで、
こんなところも素敵です。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
皆様こんにちは、勝山道です。
「春眠暁を覚えず」ということわざがありますよね。おおよそ、なかなか起きられない状態を指して使われることの多い言葉です。
春の眠りは心地よいものです。暑くもなく寒くもなく空気に険もなし。いくらでも寝ていられますが......それは春に限ったことでもないのでは?
たしかに夏は寝苦しい夜もあるでしょうが、窓を開け放って風や音を感じながら寝たりするのも風流でしょう。今となってはエアコンや扇風機もありますしね。
秋は夏と冬のはざまに揺れる難しさがあるものの、春に次いで気候が安定しています。むしろ寝るにはもってこいの季節ですね。
冬に関しては、なかなか起きられないという意味を広義に捉えれば、むしろこのような語句表現において春よりも適役の可能性さえあります。布団から出られない人も多いことでしょう。
......このように、このことわざが生まれたのは空調も扇風機もこたつも床暖房もなんにもない時代であるという事実を無視してしまえば、このようなことだって言えるのです。
果たして眠りとは何なのか? そこに時節や気候による大きな違いは認められるのか? 今回紹介させていただく本におきまして、この疑念の列挙はほとんど関係のないものです。それではどうぞ。
著者の砂川玄志郎氏は、ざっくり言えば研究者の方。医療に従事した経験から「人類も冬眠させることはできないのか?」という疑念に挑むようになるのです。
本著ではそれに至る過程から、つまり冬眠の研究ではなく医療に従事しているところから話が始まるのですが、まぁこれがなかなか読ませるものでして。
後半になると専門用語が大量に出てくる章もあったりしますが、基本的にはそれほど硬い文章ではありません。むしろ読みやすいと感じるほど。
人工冬眠という物語のような現象を真正面から再現しようとする、というテーマ自体に興味があるならば、難なく読み進められるのではないでしょうか。
専門性の高い部分もありますが、ぜひとも挑戦してみてください。
そんな『人類冬眠計画 : 生死のはざまに踏み込む』はしろとり図書館3階に所蔵されています。ご興味あります方は是非お立ち寄りください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)
なにげな~く検索していたら見つけました。
★われ弱ければ ー矢嶋楫子伝ー 三浦綾子著
矢嶋楫子さん、どんな方か、全く知りませんでしたが、昨年、映画化されたんですね。
常盤貴子さんが楫子さんを演じられたようです。
★映画『われ弱ければ 矢嶋楫子伝』のホームページは、こちら
常盤貴子 石黒賢 渡辺いっけい キャロリン愛子ホーランド 渡辺大 藤吉久美子 竹下景子
天保、明治、大正と女性が虐げられていた時代に生き、婦人矯風会の初代会頭として活動をしてこられた方、女子学院の院長など女性として初めてのことを数々体験されています。
酒乱の夫から命を守るため子供を連れて逃げ出し、女性から離縁など許されない時代に、周りの批判を顧みず、自ら離縁を申し出た体験から、矯風会の禁酒運動に携わることは彼女の使命と思われたことでしょう。
女子学院の院長時代には校則を廃止し、「あなたたちには聖書があります。自分で自分を治めなさい」という言葉は良く知られているようです。(私はこの本を読んで初めて知りました)
酒乱の夫に悩まされた経験のある楫子は、お酒は嫌っていましたが、たばこは別だったようです。かなりのヘビースモーカーだったと思われます。
まさに周りに煙たがられていた楫子を、女子学院の院長に迎え入れた宣教師ミセスツルーの忍耐深い愛は、はかり知ることはできませんが、彼女も辛かったのだとわかるシーンは感動ものです。
禁酒・廃娼・一夫一妻制・新しい女子教育...
江戸後期から大正まで生き抜き、一途に女性の地位向上を目指した生涯
93歳、最期まで走り抜けた矢嶋楫子の人生、読んでみませんか。
★『われ弱ければ』の所蔵館(県内)は『横断検索愛蔵くん』で探せます。
(図書館スタッフ:小豆)