<06>図書館スタッフ: 2022年11月アーカイブ
生きていて、自分が周囲とは 異質な存在だなぁって感じる 周りを真似て感情や興味を取り繕って 当たり障りのないように生きている 周りの感情の動きに全く同調できない、理解できない 「普通」ってなんだろう でもある場所では 何をすればいいか、どう動けばいいのか どうふるまえばいいのかがわかる、そんな場所があったり そんな場所がふとしたきっかけで全部壊れてしまったり この本はそんな主人公の視点で描かれたお話
『コンビニ人間』
この本との出会いはすごかった 第155回芥川賞受賞作で、貸出利用も多く 本が傷んでおり 数ページ取れちゃいそうだったので、 なんとか治せないかとがんばっていた時に 最後の3ページだけ、うっかり読んで 「どうしてこんな展開になったのこの話????」 と激しく興味をそそられて つい最初からあっという間に全部読んでしまったのでした この主人公を全く理解できない人もいるかもしれません でも全部がまったくの他人事ではないような気もします 感想はみんなの心に任せたいのでここでは言いませんが... あ!取れちゃいそうだったページも無事治りましたので よろしければ借りてみてくださいね
(図書館スタッフ:るん)
『あのころ、天皇は神だった』 すごいタイトルですが、天皇の話ではないです 日系アメリカ人作家、ジュリー・オオツカの処女作です この本を翻訳した方のあとがきはこう始まります 「第二次世界大戦中のアメリカで、西海岸在住の日系人が 強制収容所に抑留されていたことをご存じだろうか。」 かつて日本で天皇=神様と扱われていた時代 そして真珠湾攻撃、続く第二次世界大戦下 当時日本の政策でアメリカ、カナダ、南米、ハワイなどに 移住し生活していた日系移民たち その中のある一家の母、姉、弟、三人の視点が映す FBIによる父親の強制連行、父親不在のまま強制収容所に抑留される家族の 目の前の出来事が淡々と、時に詩的に描かれていくお話です その背景の歴史的事実を学び、 視線の先のリアルを想像しながら読んでみたい一冊です 戦争という状況の中でいわゆる「戦闘」だけではない 人々の生活に迫る暴力、剥奪、猜疑 現実がもたらすナニカが描かれている作品だと思います 日本だけでなく世界中すべての国において 戦争や暴力のない世の中が訪れることを願いながらおすすめします
(図書館スタッフ:るん)
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
世界には様々な物語が存在します。映画やドラマ、漫画など、様々な媒体で語られるストーリーに、私たちは魅了されてきました。
今回は、そうして私たちを魅了する物語の本質を読み解く鍵となる本をご紹介します。
比較神話学者である著者曰く、古今東西の神話に登場する英雄の冒険物語には一貫した共通パターンが存在する、との事です。
神話の各段階ごとに様々な例を挙げながら示される物語の共通パターンは、よくよく考えると、自分の好きなあの映画もこれに当てはまってる!!なんてことがあるかも知れませんね。
実際に映画作りの現場では、この本の内容をまとめたものが作劇マニュアルとして用いられていたりするそうです。やり過ぎるとマンネリ化するリスクはあるもの、上手く使えばほぼ確実に観客を惹きつける物語が作れる訳ですから、これ以上心強いマニュアルも無いのでしょう。
世界各地の神話が好きな方だけでなく、フィクションが好きな方、物語の構造を俯瞰する力を身に付けたい方にもオススメします。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
皆さんは、口(言葉)で失敗したことありますか。
私は本当に懲りない者で、つい最近も失敗しました。
そんな時はいつも
もう一度、読みたいなと
この本を思い出します。
この境界線(バウンダリーズ)をキープできてれば。。。。と。
自分ですべきことと
すべきでないこと
人の領域にまで踏み込まない
これができればずいぶん«ラク»になるのに。
それともう一つ大事なこと
余計なことを言ってしまうのは
心にその思いがあるから。
心の中にあるものが言葉となって口から出てくるのです。
心の中、思いのすべてを«良いもの»でいっぱいにできたらと思います。
『聖書』にこんな言葉があります。
『自分の口を見張る者はたましいを守る。
唇を大きく開く者には滅びがある。』
自分の口をしっかり見張りたいと思います。
境界線(バウンダリーズ)は
『名古屋市図書館』の鶴舞図書館の書庫にあります。
境界線(バウンダリーズ)
著者:ヘンリークラウド/ジョン・タウンゼント
翻訳:中村佐知/中村昇
出版社:地引網出版
(図書館スタッフ:小豆)