<06>図書館スタッフ: 2021年7月アーカイブ
みなさん、こんにちは。スタッフのにこいちです。
暑い季節がやってまいりましたね~!この季節にはやっぱりかき氷でしょうか。
私は自他共に認める食いしん坊なので、季節ごとの色々なお菓子や食べ物を調べて楽しんでいます。
さてそんな食いしん坊が今回紹介する本は『アンと愛情』です。
第1弾『和菓子のアン』第2弾『アンと青春』に続き第3弾となります!
主人公の杏子ことアンちゃんが、和菓子屋で働きながら訪れるお客さんの「謎」を解決し成長していくお話です。
作中にはいくつか和菓子が登場し、その和菓子の由来や歴史も分かり美味しそうなのに学べちゃう一冊になっています!
今回アンちゃんは物語の中で金沢旅行もしていて、金沢の美味しい食べ物やお菓子も出てくるので、私も一緒に金沢旅行をした気分が味わえました。
コロナが落ち着いて自由に旅行が出来るようになったら、金沢へ行き和菓子屋巡りをする楽しみが増えました。
さて甘いお菓子の話を書いていたら、しょっぱい物も食べたくなりました。
もう食欲エンドレスです!
(名古屋の図書館スタッフ:にこいち)
ガブリエル・バンサンという絵本作家を知っていますか?
ベルギーの作家さんで、有名な作品としては、
「くまのアーネストおじさん」というシリーズがあります。
名前は知らなくとも、絵をみたら「知ってるかも」という人も
いるかもしれませんね。
その方の絵本が、本学の瀬戸図書館の絵本コーナーにも一冊あります。
『アンジュール』ガブリエル・バンサン著
ある日、犬が車から捨てられてしまいます。犬は、走り去る車を必死で追います。
それでも車はみえなくなってしまい...
全ての絵が、鉛筆によるデッサンだけで描かれ、
セリフはありません。
それでもその捨てられてしまった犬の躍動や表情や感情のひとつひとつが、
物語が、グッと心に迫ってきます。
大人でも子供でも、まるで映画の世界にひきこまれるような、
すごい力をもった絵本ですが、百聞は一見に如かず。
この本はぜひ手に取って眺めてほしい、そんな一冊です。
ちなみに私はこの作家さんの絵本に大学生のころ出会いました。
中でも『セレスティーヌ』という絵本は
思わず自分で買ってしまったほど今も大好きな絵本です。
いつか本学図書館にも入るといいな。
(図書館スタッフ るん)
子供の頃に読んだ本
面白かった!!
ということは覚えてるんだけど
内容が思い出せない
そんなことないですか?
ということで、もう一度、読んでみました。
長い話でしたが、子供用なので、読みやすかったです。
トム・ソーヤーの冒けんにも登場するハックの冒険です。
子供の頃には、きっとハラハラしながら読んだのだと思うのですが、今では、そんな感動はないかもしれないと思いながら読み始めました。
ちょっと怖そうな?
でも、途中、後半くらいから、夢中になりました。ミシシッピ川をいかだで下るって危険すぎない?と思いながら、読み進めると、私の想像するいかだとは違って、かなり大きなしっかりとしたもののようです。
とにかく事件?の多い話です。
殺人を偽装したり、詐欺に加担したり、とんでもないことをしてゆきます。 逆らえない状況であったとはいえ、ハックは何度も心の中で、このままではいけないとわかってはいても、抜けられない葛藤を繰り返すのです。
人の心が悪に向かうのは、そんな弱いところを守ろうとするからかもしれません。奇想天外な冒険をハラハラどきどき楽しむだけでなく、ハックの心の声が気になります。忘れてはいけない大切なメッセージがあると思いました。
ヘミングウェイはアメリカ文学はこの一冊からと評しているとの事。
こどもの頃にもどって
ハックの冒険を読んでみませんか?
(図書館スタッフ:小豆)
皆さまごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
「かわいさ余って憎さ百倍」というように、相手を愛する気持ちが大きければ大きいほど、
それが憎しみに転じた時の感情も激しくなるものです。
太宰治『駈込み訴え』
イエス・キリストも、彼を裏切ったユダも、今まで幾度となく芸術や文学のモチーフに取り上げられてきました。この作品もその一つです。
口述筆記によって著されたともいわれており、
まさにキリストの居場所を密告するユダのセリフがそのまま物語になっています。
愛憎入り混じった切実なユダの訴えが生々しく、「読んでいる」というより「聞いている」気持ちになってくる作品です。
ぜひ、ユダの短いながらも濃厚な感情の渦にのまれてみてください。
※太宰治『駈込み訴え』は青空文庫からすぐに読めます。タイトルをクリックしてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
皆様こんにちは、図書館スタッフの勝山道です。
早々の梅雨入り、そして夏の雰囲気に突入してきた、という雰囲気を日々感じております。
とはいえ今年の梅雨はこれまでほど不快感を感じませんでした。意識の変化でしょうか?しかし雨で家から出られない、といった事態は発生します。
そんな時はベタですが、お家で本でもどうでしょうか。
というわけで本日はしろとり図書館の蔵書よりミステリ小説の紹介です。
『追想五断章』
作品紹介(Amazonより引用)
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大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。五つの物語に秘められた真実とは?青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。
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著者は米澤穂信。著作としては映像化した『インシテミル』『氷菓』などが有名でしょうか。
本作はそうしたメディアミックスの機会を得てはいませんが、読み応えのある作品に仕上がっています。
本作を読んで最も印象深いのは、「思ったより読みやすい」と感じたこと。
個人的に、ミステリ小説とはマニアックなジャンルで、内容が難解だったり深淵であることが肝要とされている印象もありましたが、それはいち読者である私の思い込み。
少なくとも本作は読みやすく入りやすく、そして面白い作品でした。
内容についてですが、話の主題の流れがとても掴みやすくなっています。
要点である謎解きに五つの物語を探すという物質的な目標が設定されているため、いま話はどれくらい進んでいるのか?どれくらい重要な局面にあるのか?といったところが分かりやすく、一息に読み進めていく楽しさがあります。
現実離れしすぎない程度に非日常的な展開も丁度よく、登場人物のどこかにいそうな感じも含め、物語への没入感があります。
その登場人物も人数が絞られているため、再度登場したこの人は、いつどこで出てきて何をした人だったっけ?と頭を悩ませられることもありませんでした。これも読みやすさの一端でしょうか。
また、作品全体の雰囲気が明るくないことも、特徴として挙げられるでしょう。
バブル経済が弾けた平成5年ごろの日本を舞台とし、主人公含む登場人物も併せて、どこか退廃的な空気が漂い続けます。
そういった部分では読み手を選ぶ作品になっているかもしれませんが、そんなほろ苦さや渋みにも味を感じられるのであれば、ぜひとも読んでいただきたい一冊になっております。
という事で『追想五断章』はしろとりキャンパス曙館3階図書館にてご利用いただけます。
ご興味があれば是非ともご利用ください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)