<06>図書館スタッフ: 2011年8月アーカイブ
この夏、【童画家 武井武雄 ~創造のおもちゃ箱~展】が特別開催されている
清須市はるひ美術館 へ行って来ました。
武井武雄さんは、大正~昭和にかけて児童向けの絵雑誌などで
童画家として活躍された人。
いわば、絵本作家のパイオニアともいえます。
でもその創作活動は、童画だけにとどまらず、独創的な版画や会員限定に配本した
[刊行作品]などでも、素晴らしい作品を数多く残しています。
特に、刊行作品の中のひとつで、
世界最古の紙「パピルス」を使ってみたかった武井さんは、
現地から原料の苗を取り寄せて栽培し紙を作ったという驚きのエピソードも。
芸術家でありながら職人のような仕事ぶりには、うならされました。
はるひ美術館での特別展示は、もうすぐ終わってしまいますが(9/4まで)、
武井武雄さんの作品は、長野県岡谷市にある「イルフ童画館」で
たっぷり見ることができます。
ちなみに "イルフ" とは、武井さんの造語で "古い(フルイ)" の逆さ読みで、
新しいという意味があるそう。
言葉あそびのセンスもすてきな人です。
(名古屋のスタッフ 春)
前から気にはなっていた、2009年マンガ大賞受賞作
「ちはやふる」 を
一斉休暇中に全巻借りて読みました。
ほんとうはここで熱く感想を語りたいのですが、
いくら「読書ブログ」とはいえ、まんがはさすがにNGなので、
物語の軸になっている競技かるたで使う百人一首についてお話しようと思います。
百人一首の歌のうち、約半分の43首が恋の歌だそうです。
21世紀の今も、巷にあふれているのはほとんどが恋の歌、
と言っても過言ではないですよね。
恋人が通ってくれるのを、ひたすら待つしかなかった800年前の女性たち。
寂しくなったらメールや電話をして、
会いたくなったら地球の裏側だって飛行機で飛んで行ける私たち。
生きる時代や状況や境遇はまったく違うけれど、
好きなひとを想う気持ちは変わらないんだなぁと、改めて感じます。
『住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ』
・・・住之江の岸に寄せて返す波のように、昼も夜もあなたに会いたいのです。
それなのに、昼はもちろん夜の夢のなかでさえ、
どうしてあなたは人目をさけて会いに来てくれないのですか?・・・
「ちはやふる」でも紹介していた、
藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)のせつない歌です。
夢のなかでもいいから、あなたに会いたい。
こんなふうに思ったことがある人は多いのではないでしょうか?
百人一首を読み直してみようと思い、この本を借りました。
みなさんもぜひ、秋の夜長に 「ちはやふる」 を、
じゃなかった、
百人一首を読み返してみてはどうでしょうか?
(瀬戸のスタッフ うぱこ)
8月も下旬、暑さも少し和らいできた気がするのですがみなさまは、どんな夏休みをお過ごしですか?
さてさて「社会見学」と耳にすると個人的には、学生時代授業の一環としての行事を思い出しますが、みなさまは如何ですか?
最近では「オトナの社会見学」が旅行代理店などの新しいレジャースポットして注目されているのをご存知でしょうか?
また☆の数1~3個でオススメ度を評価しているのでこちらも参考にされるのも良いのではないでしょうか?
本に目を通してみたら「うなぎパイファクトリー(静岡県浜松市)」を発見。
去年同工場を訪れうなぎパイの検品や包装過程を見学した事を思い出しました。何と言っても工場内がうなぎパイの匂いで包まれていたのが印象的でした(笑)
こんにちは。りゃまです。
さて、みなさんは「シルクロード」に興味はありますでしょうか?
以前は、わたしも「歴史の授業で覚えたな」くらいの感覚だったのですが、
らくだのことを好きになってからは
すっかりシルクロードファンになってしまいました。
らくだ → 砂漠 → オアシス → シルクロード
という単純な発想なんですが、、、
らくだ見たさに、
砂漠やシルクロードの写真集を買いあさったのがキッカケです。
砂漠やオアシス、沿線の街の市場、、、ステキですよね
シルクロードに興味を持ってよかったことは、
自分のなかの尺度や世界観が広がったことです。
今まであまり関心のなかった国にも目がいくようになったり、
あるもののルーツを考えたりするようになりました。
例えば、楽器のギター。
古代エジプトやメソポタミア文明が起源とされ、
アラビア諸国、そしてスペインを経由をしてヨーロッパに広がり
現在に至ると言われています。
そこでご紹介したいのが、この1冊です。
この本がおもしろいのは、
スイカやメロンにブドウ、カイコやモンシロチョウなど、
わたしたちの生活に身近な食べ物や昆虫などから
日本とシルクロードとのかかわりをひもといているところです。
なじみやすく、もっといろいろ知りたくなりますよ!
シルクロードは本当に奥が深くて楽しいです。
次回は美しい写真集などもご紹介できればいいなと思っています。
(瀬戸のスタッフ りゃま)
この夜が 明ける頃
俺達は 風になる ♪
・・・・・・・
俺達は風の中で
砕け散り一つになる ♪
辿り着く場所も
知らぬまま燃え尽きる ♪
特攻隊で死んでゆく若者の心を歌った
THE BACK HORN 「コバルトブルー」の一節。
この歌が 自然と頭の中を流れてゆく 1冊を 紹介します。
百田尚樹 『永遠の0 (ゼロ) 』。
0 (ゼロ)とは、日本が世界に誇る戦闘機 「零戦」 のことです。
血がつながっていると 信じていた祖父から
突然、
本当の祖父は 神風特攻隊の一員として亡くなった
"宮部久蔵" という人物と知らされた 姉弟が
元戦友たちを尋ね、その証言をつないでいくというストーリー。
読みすすむうちに
宮部久蔵という人間の魅力に ひきこまれ、
戦争について考えさせられ
最後は 心の奥底深くまで 響く本です。
もうすぐ終戦記念日。
この本は 多くのみなさんに 本当に 読んでほしいと思う 1冊です。
そして、
<読書と音楽 ♪>
みなさんも 本を読んでいて、自然と この歌を口ずさんでいた
頭の中に この音楽が流れてきた
なんて・・・ことがありましたら
ぜひ、栞輪に投稿してみませんか。
こういう情報を集めてみるのも 面白いかな と思います。
(名古屋のスタッフ そら)
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、地震と津波による被害だけでなく、原発事故をも引き起こした。東京電力福島第一原子力発電所は地震と津波により全電源を喪失、炉心溶融と水素爆発が発生した。原子炉からは放射性物質が放出され、土壌や大気、海水を汚染した。当初半径2Km以内の住民が、ついで20Km圏内の周辺住民が避難を余儀なくされている。その後、20Km圏外にも計画的避難区域が指定された。
放射性物質の影響を受けて子どもが甲状腺がんになることは、1986年、当時のソビエト連邦でおきたチェルノブイリ原発事故の調査で明らかになっている。福島県は、7月、地震発生時18歳以下だった県民36万人を対象に、甲状腺がん検査を生涯実施することを決めた。
"チェルノブイリに近いベラルーシでは、事故前の10年間で7名であった小児甲状腺がんの患者が、事故後の10年で424名に激増したことが報告された"(要約)と、菅谷昭著『チェルノブイリ診療記』(晶文社、1998)には記されている。菅谷は、1996年から5年半、ベラルーシに滞在し、医療活動にたずさわった。信州大学助教授の職を辞めての決断だった。
現地での甲状腺がんの手術は、劣悪な医療事情に加えて、異文化との戦いでもあった。看護師がひとり休んだというだけで、手術が中止になってしまう。旧ソ連時代を引きずる職場規律に愕然としながらも、「あせりは禁物」と菅谷は現地に適応していく。
ベラルーシでは、原発事故が原因であることさえ知らない子どもたちが病に苦しんでいた。菅谷が「チェルノブイリ事故は悲しみと不幸以外の何ものでもない」と書いてから13年後、この言葉はそのまま福島原発事故に向けられることになってしまった。
菅谷は、帰国後、松本市長に推され、2004年3月当選。現在、2期目となった。『チェルノブイリ診療記』は、福島原発事故を受けて、急遽、文庫に加わった。 『新版チェルノブイリ診療記―福島原発事故への黙示』(新潮社、2011.6)として。
■参考 すげのや昭公式ホームページ
(瀬戸のスタッフ りんたろう)
徹底的に合理的なのである。
「君は科学の楽しさを知らない。
・・・この世は謎に満ちている。」
私達の世界は確かに謎に満ちている。
生の謎、死の謎、宇宙の謎・・・
脳の電気信号が途絶えた事を死というのならば、
パソコンを消す事は殺害になるのだろうか?
「わかんないものはどうしようもない、
などと言っていては、いつか大きな過ちを犯すことになる。」
解らない事を解らないまま、
疑問にも思わず生活するのは怠慢である。
ましてや、諦めてしまっては解決の糸口や真理など
見えることは決してない。
彼は以前こんな事も言っていた。
「誰にも解けない問題を作るのと、それを解くのではどちら容易か?」
悪魔の証明、それでも彼は挑み続ける。
今回の舞台は小さな漁村。
理科の嫌いな少年が、物理学の権威に教わったら...。
こんなコンセプトの下描かれた本作は今年の夏にぴったり。
海底調査、元刑事、寂れた旅館、一酸化炭素中毒...そして。
最後に待ち受ける小さな真実と大きな代償。
たとえ知らなくても、たとえ知識がなくても、
人を殺す事は心に大きな傷を与えることになる。
ねぇ、博士!
『真夏の方程式』
珍しく、ちゃきが真面目にオススメする一品。
皆さん、【フレミング左手の法則】の準備は出来ましたか?
メガネをかけてる貴方も、かけてない君も、
その人差し指でメガネの真ん中を持ち上げて一言!
「実に面白い!」
さぁ、東野圭吾【探偵ガリレオ】の世界へ。
これでアナタも福○雅治です。
きみをずっと幸せに~♪風にそっと歌~うよ~♪
う~ううう~♪
じゃ、またお会いしましょう!
TATA!!
(名古屋の図書館すたっふ・ちゃき)
読みました。
角田光代の最新エッセイ集。
「よなかの散歩」
角田光代/著 オレンジページ
最近好きで、よく彼女の本を読んでいます。
というか、「読んでいこう!そうしよう!!」という志半ばの状態です。
ハマったのは、昨年。
NHK連続ドラマ(全6回)で「八日目の蝉」が放映された後です。
(今年映画にもなって、大注目の作品でしたよね。)
最初はNHKドラマを母が観てたんです。
私はそれを後ろからちらりちらり。
が!!その後本学に入ったDVDで一気に全部観ました。
ただ明るい話しじゃないので、のんきに笑えるDVDを挟みながら観ました。
「ウォール街」とか。(あれっ、あんまり笑えない??)
「サンドウィッチマンライブ」とか。(これは抱腹絶倒モノ)
その後、日経の夕刊で「空の拳」をちらちら読みましたが、
これはまた改めて本になったら読みたいと思います。
(ウチは日経じゃないので、なかなか毎日読めない・・・)
さて、本題。
2011年4月に出版されたこのエッセイ集、「よなかの散歩」。
新着図書の中にこの1冊を見つけて、
「わーい、新しい小説が届いたョ!!」
と、思ったのもつかの間。
よく見たらエッセイ集でした。
でもでも私、おもしろいエッセイ集は大スキ。
夜寝る前とかに、頭の中から~~っぽにしながら読むのがスキです。
1編、1編が短いから、「読み込んじゃって、うっかり寝不足~~」
という残念な状態になりにくいのもステキです。
個人的には林真理子のエッセイが愉快でスキなのですが、(たくさん出てるしね)
角田光代のエッセイもとっても面白かったです。
とくに著者の、食と旅へのアツイ情熱を感じました。
全6章のうち、2章が食だし。
旅の章も、なんだか旅先での食についてたくさん書いてあったし。
みんなそれぞれに好きな作家さんがいて、
その作家さんの新作を楽しみにしていたりして、
そしてその作家さんの作品にとっても詳しくて。
そうしたことはよくあることだと思うけど、
なかなか作品を生み出している作家さん本人について知ることは難しい時もある。
でも、エッセイを書いてくれる人については、
その人の素顔が垣間見れて、
そんな点もエッセイがステキなところだよなぁ。
と、この1冊を読みながらしみじみと感じました。
みんな読んでね!!
ちなみに、NHKドラマは素敵な作品がすばらしいキャストで演じられていて
毎回とっても楽しみにしています。
みんなNHKドラマもチェックしてね!!
火曜日の夜10時からですよ!
(栞)