スタッフ: 2022年8月アーカイブ
白黒映画で音声のない映画『アーティスト』を紹介します。
2011年フランス制作。アカデミー賞、ゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞しました。
サイレントからトーキーに変わっていく時代の映画界で、トーキーを拒んで没落していく男優と逆に脚光を浴びて伸びていく女優の物語。
音声や色がないため、字幕のセリフや画面からの情報を読み取ろうと集中したり想像力を働かせたりするせいか、普通の映画よりじっくりしっかり入り込んで見た気がします。
ストーリーも優しく、温かい気持ちになります。
1920年代のサイレント映画を研究し、こだわりを持って制作されたようですが、何も知らずに見ても十分に楽しめる映画だと思います。
時間のある時にゆっくり見てくださいね。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
こんにちは、もくもくです。
数年前に海洋堂の企画展示観たことがあります。
有名なアニメキャラから仏像、恐竜など幅広い作品群と、
それらの緻密な表現力に驚き、魅了されました。
でも、恥ずかしながら「ガレージキット」や「原型師」という言葉を
私はこの本で初めて知りました。
大阪の模型店から世界的メーカーとなった海洋堂。
今ならブラックと言われかねない労働環境なのに、
好きだから、血が騒ぐから?と研鑽と努力を重ね、より精度の高いものを創り出していく。
造形のためなら何でもやると、作者のいう海洋堂の怪しい面々。
できる人間が創りたいものを作る。出来なくなれば、去っていく残酷な実力の世界。
その世界に魅せられ、ガレージキットの原型師に、本気でなりたいと思っていた作者は
凄い才能の持ち主たちを目の当たりにして、叶わないことを知っていきます。
そんな作者が80年代当時の業界事情や、3年間過ごした海洋堂で起きた出来事を
原型師たちへの羨望を交えつつ、鮮やかに描いています。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
最近、車の運転が億劫になってきました。
雨の日や夕方以降は特に。
あんなに好きだったのに...人は変わっていくのだなぁとつくづく感じています。
ところで飲酒運転の末に轢き逃げ事故を起こした大学生を主人公にした小説を紹介します。
事故の場面がリアルに伝わり、自分が轢いてしまったかのような衝撃を受けました。
想像するだけで怖いですが、実際に車に人が当たった時そこで止まれるかどうか。
主人公のように逃げたくなる弱さが私にもあります。
主人公は真実を隠したまま実刑を受けて服役、刑を終えてから被害者家族と向き合えるまでを描いています。
被害者の夫が認知症の進んで行く中、それと闘いながらも自分の思いを伝えようとする姿に胸が熱くなりました。
89歳の被害者の夫が戦争経験者ということは、この小説の設定は2006年ごろ?(主人公もガラケーだし)など疑問点はありつつも、罪を犯した人が再生するためには支える人が不可欠だということを強く感じました。
飲酒運転はやめましょうね。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
こんにちは、豆太です。
今回は直木賞作家今村翔吾氏の作品を紹介します。
矛盾とは韓非子の故事から昔、中国の楚の国で矛(ほこ)と盾(たて)とを売っていた者が、
「この矛はどんなかたい盾をも突き通すことができ、この盾はどんな矛でも突き通すことができない」と誇ったが、
「それではお前の矛でお前の盾をを突けばどうなるか」と尋ねられて答えることができなかったという、つじつまが合わないことわざである。
どんな攻めをも跳ね返す石垣職人″穴太衆″「最強の楯」と、どんな守りをも打ち破る鉄砲職人 ″国友衆″「至高の矛」の宿命の対決を描く究極の戦国小説です。
越前・一乗谷城は織田信長に落城され、幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を失い、逃げる途中に石垣職人源斎に助けられ、穴太衆の飛田屋に育てられた。
やがて頭と目されるようになり、匡介は絶対に破られない石垣「最強の楯」を作れば、戦を無くせると考えていた。
一方、彦九郎(げんくろう)も幼いころ父を織田家の火縄銃に殺され、武士の身分を捨てて、鉄砲職人の国友衆に弟子入りし師匠の養子となる。
彦九郎は父を殺した火縄銃を遥かに超える火縄銃「至高の矛」を作りだせば、戦の抑止力になると信じる。
大津城当主京極高次はいっときは西軍に加担したが、民をおろそかにする石田光成を嫌い、西軍から東軍に寝返った。
それを機に四万の兵力が大津城を包囲する。大津城の石垣修復改良を行った匡介にふたたび石垣修復の依頼が舞い込み、匡介は絶対に破られない石垣を作れば、この民も守れると信じる。
西軍もこの城を落とすために最強の鉄砲を駆使して攻めたてる。この相反する二人が大津城を舞台に死力をつくして戦う。
直木賞同時受賞された米澤穂信氏の黒牢城と時代背景はほぼ同じで、戦国好きであればたまらない1冊です。
是非読んでください。
(名古屋図書館スタッフ:豆太)
こんにちは豆太です。
今回は直木賞作家米澤穂信氏の作品を紹介します。
この本は直木賞を受賞する前に読んでいたんですが、文章が読みやすく、
戦国の日常、人々の思考、所作をじっくり研究されて書かれています。
本能寺の変より四年前の出来事で織田信長に謀反を企てた荒木村重が主人公です。
まだ記憶に新しいと思いますが、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で吉田剛太郎が演じた戦国武将です。
城開け渡しの使者として赴いた織田方の軍師黒田官兵衛が捕れられ土牢に。
有岡城に籠城して城内で起きる不可解な事件が相次ぎ、その事件に翻弄された村重が
捕らえた黒田官兵衛に謎を解くように求める戦国ミステリーです。
村重の家臣に降りかかる奇怪な事件、果たして黒幕の正体は?
最後のオチに至るまで驚きを与えてくれる一冊です。
(名古屋図書館スタッフ:豆太)
今日は映画のおすすめです。
少し前(昨年)に紹介しました
『若草物語』の映画2019年版です。
タイトルは
出演: シアーシャ・ローナン, エマ・ワトソン, フローレンス・ピュー, エリザ・スカンレン, ティモシー・シャラメ
☆おまけ情報:ローリー役の方は、少し前に紹介しました『クーパー家の晩餐会』にも出演されてましたよ。
この映画は、現在と過去(思い出)のシーンが滅茶苦茶入り混じって出てきます。
なので、原作を読んでないと物語が続かないかもしれません。
いつもは1949年版の古い映画を観ていましたので、このペースに息切れしそうでした。
感動の種類が違うような?
泣けるシーンも違いました。
悲しく切ないことは切ないのですが、
2019年版は元気をもらいました。
原作で読むのと違った感動でした。
『ストーリー・オブ・マイライフ : わたしの若草物語』は瀬戸図書館で視聴できます。
お時間あるときにぜひ、ご覧くださいませ。
そして、何より原作『若草物語』も
もう一度、お勧めします。
(図書館スタッフ:小豆)