<06>図書館スタッフ: 2022年7月アーカイブ
スタッフさんにお勧めされて読んでみたくなった本です。
『夏の庭』
小学生の男の子たち3人組の夏の出来事
初めて葬式に行った子
初めて"死体"を見たその子の話に
人が死ぬってどういうことだろう?
お化けって本当にいるのだろうか。
誰もがいつかは死ぬということはわかっていてもそれがどういうことなのか。
人が死ぬところを見てみたい
三人は、もすぐ死にそうなおじいさんを観察することに。
その人の最後を見てやるんだ
そんな思いで三人は、そんなに仲良しって感じではなかったと思うんだけど
その夏、三人は、協力してこの見張り計画を実行するのです。
ある日の新聞記事を見ながら、主人公(この物語を書いている設定)は
「まるで同じ日が永遠に続くみたい」という感想を書いています。
確かに、明日も同じようにやってくる
そんなつもりで生きている人は多いと思います。
人は生まれたら、余命のカウントはスタートするのです。
死に向かって生きています。
わかっているのに、明日は生きていると信じている。
人間ってある意味、楽天的。
だからこそ、死に向かっても生きていけるのかもしれません。
そこに真の希望を見つけることができる人は幸いです。
さてこの子たちは、この夏の計画、課題を終えるころ
死は彼らにとってどんなものになっているでしょうか。
途中、小学生にとってはどぎつい話も聞きますが、そのことによっても
死を理解すること、そして
いのちの大切さを考える良い体験になったのではないかと思います。
子供にも大人にもおすすめしたい本です。
紹介してくださった方に感謝して、
あたなにもおすすめしたいと思います。
(図書館スタッフ:小豆)
「尾張名古屋は城でもつ」とはよく言われます。名古屋城と言えば金鯱とか本丸御殿
が有名ですが、皆さんも城内のことは、あまりご存知ないのではないでしょうか。
東門から入って通路を西に向かうと茶店の裏側(西側)に天守閣を望み、ひっそりと建つ
立札があり、その裏には石碑が建っております。石碑には「尾張勤王青松葉事件之遺跡」
碑とあります。そして立札には「慶応4年(1868年)1月、前藩主で、藩の実権を
握っていた徳川義勝が佐幕(江戸幕府存続)派の藩士 14人を処刑した。義勝は勤王
(倒幕)派で、家中の佐幕派を一掃したとされる事件で青松葉事件と呼ばれる」との石碑
に関わる説明が書かれています。
この青松葉事件を題材にした歴史小説が「冬の派閥」です。名古屋市出身の作家、
城山三郎が書いた作品です。
幕末の徳川幕府においては、最後の将軍、徳川慶喜の大政奉還とその後の蟄居、隠居
だけが、テビドラマ等にも取り上げられ、注目されがちです。しかし、日本中に巻き起
った明治維新の激震は尾張藩においても同様に起こり、尾張藩主 徳川義勝もまた大い
なる渦中にあったのです。彼は当初から勤王(尊王)の立場に立ち、徳川御三家という
もう一つの立場ながら、新政府側につき藩内をまとめて行きます。その過程でこの事件
は起きるのですが、尾張藩はこれによりこの地において、戊辰戦争のような大きな内戦
は起こさず、平和裏に維新を成し遂げます。しかしながら、藩主によるこの粛清事件は
藩内の空気を重くし、そして引きずり、藩主自身の功績もあまり語られることなく、新
しい時代を迎えても活気に欠け、藩全体として天下(中央)への人材の輩出も少ない一因
となったようです。
物語の後半では、徳川義勝の配慮により、佐幕派の人々が遥か北海道に渡り、新天地
での開拓に新たに取り組んでゆく姿が描かれています。
(しろとり図書館スタッフ 東空)
皆様こんにちは、勝山道です。
この記事を読んでくださっているそこのあなた、突然ですが「歴史」はお好きでしょうか。
当の私は、残念ながらあまり好きではありません。興味もなければ成績も悪かった、という印象ばかりが残っています。
なんの自慢にもなりませんが、私筋金入りの「歴史」アレルギー。意識的にか無意識的にか、あらゆるジャンルで「歴史」を避けまくっています。何がこうさせたのか今となっては分かりませんが、とにかく「歴史」が一切身につかないまま今日を迎えております。
しかし人間とは変わるもの。学校という環境から解き放たれるや否やその環境の尊さに気づくわけです......隣の芝生は青く見えるとも言います。
とはいえ今から学校に入りなおすのも不可能ではありませんが現実性が低く、個人的に勉強というのも難しい。興味のない分野ほど勉強すべきところですが、興味のない分野の勉強など苦行もいいところです。
そこでどうするかというと、本を読むのです。それも"きっちりかみ砕かれた分かりやすく楽しい本"を。
......ということで、"きっちりかみ砕かれた分かりやすく楽しい本"を本日は紹介させていただきます。
『面白すぎる!日本史の授業 : 超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす』
著者は河合敦と房野史典。後者はなんと名古屋学院大学卒業のお笑い芸人。そのうえ本まで出していらっしゃるのですから頭が下がります。
本著は「超現代語訳」とある題の通り、読みやすさを主眼として作られた日本史の歴史書となっています。歴史研究家の河合氏と歴史好き芸人の房野氏が掛け合うような形で、現代における日本史のあれやこれやを解説していく構成なのです。
いつのまにか鎌倉幕府が1192年じゃなくて1185年だと言われていると思ったら実はまた違うとかなんとか、歴史とは考証が進むにつれて変化していくものです。
......上記のような変化に代表されるように、歴史という堅そうな言葉と裏腹にアバウトなところのある歴史学に入っていくには実にうってつけな一冊ではないでしょうか。
そんな『面白すぎる!日本史の授業 : 超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす』はしろとり3階図書館に所蔵されております。
ちなみに、今回紹介した本以外でも『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』『超現代語訳戦国時代 : 笑って泣いてドラマチックに学ぶ』など房野氏の著書が所蔵されておりますので、ご興味のある方は是非併せてご利用ください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)