<06>図書館スタッフ: 2012年12月アーカイブ
寒い日が続いています。
今年は雪の訪れも例年より早く、既に真冬状態の瀬戸キャンパス。
(NGUの植え込みにはまだ雪が残っていました)
図書館の中でも、寒くて?上着を脱がない学生の姿が目につきます。
真冬は2階が特に冷えるようです。
しっかり寒さ対策をして、この寒さを乗り切らなければいけませんね。
風邪、インフルエンザに注意をしなくては。。。
さて、最近の新着本の中からオススメ本を紹介します。
気になった方はどうぞ図書館へ足を運んでください。
「復興の書店 / 稲泉連」
本は生活必需品だった。
音楽や本が人に与えるものは、平常時気にされない。
本がすべて流された。
書店も図書館も。
思い出の本も全て。
子供が笑顔になるためにコミックや絵本がどれだけ必要とされたか。
大人たちでさえ、進まない現状の暗いニュースばかり流れるテレビを見つめ、
心も沈んでいた。
「ジャンプ読めます。」の貼り紙に何十人と足を止めたという。
それすら手に入らない日常だったと改めてこの本を読み胸が痛んだ。
自分たちに何が出来たのか、まだ何か出来ることはないのだろうかと感じた。いくつかの書店が復興していく過程を描かれているが、なかでも災害復興の過程で新たに本屋を起業した夫婦の話が印象に残った。
「アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた / テオ・コステル著 ; 桜田直美訳」
こんなに世界的に有名な少女はいない。
アンネ・フランク、を当時のクラスメート達が語る。
そんな彼女の思い出を語る彼らは、"ここまで生き延びられた老人"、である。
彼らのそれぞれの体験とそこに交わる彼女の姿、そして戦争について描かれている。
まだまだ気になる本。
タイトルのみのご紹介です。
「調印の階段 / 植松三十里著」
「The books : 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」 / ミシマ社編」
「光圀伝 / 冲方丁著」
「私はホロコーストを見た : 黙殺された世紀の証言1939-43 / ヤン・カルスキ著」
**長い休みは、気になる本を山積みして読書に耽りたいものです。
(瀬戸のスタッフ:FUJI-san)
『なくしたものたちの国』 角田光代/著 松尾たいこ/絵
最近、あるきっかけで瀬戸に所蔵されている角田光代さんの作品を
一気に取り寄せてみました。
これはその中の一冊。
イラストレーターの松尾たいこさんとのコラボ本です。
松尾たいこさんといえば、やさしい色合いで風景や動物、子どもたち
が描かれたイラストで知られていますよね。
そんな松尾さんのイラストをもとに、5編の物語が生まれました。
主人公・雉田成子の物語。
8歳まではいろいろなものとお話ができた。
17歳、気付かぬうちに恋していた初恋の人と疎遠になった。
33歳、超弩級の恋に落ちたために、自分を失くした。
38歳、電車の中に、娘を忘れた。
なくしたもたちに会いに行った。そして、記憶をなくしていった。
成長してゆくにつれて、さまざまなものと出会い、別れ、失ってゆく。
でも、そうした自分の元からなくなってしまったものたちは
消えてしまったのではなく、「なくしたものたちの国」に行って、
いつかまた会うことができるのではないか。
そんな物語です。
人は生まれ、成長し、そして死を迎えます。
でも、それは決して恐ろしかったり、悲しかったりするものでは
ないのではないか。
いつか最期を迎えたとき、「なくしたものたちの国」で
大切な人やものが自分を待っていてくれるのではないか。
「なつかしくなるね」
作中では、この言葉が繰り返されます。
成長することとは、今までのすべてのことが懐かしくなること。
そして、その先でみんなが自分を待っていてくれるはず。
そう思うと、年齢を重ねることが楽しみになります。
(栞)
今月、白鳥図書館では、スタッフ、サポーターが各自で選んだ"クリスマスに贈りたい本"を
展示しています。
みんなそれぞれ、親しい人、大切な人にプレゼントするなら...とあれこれ考えて、
ひとり1冊選びました。
中には私物で貸し出しできない本もありますが、是非ご覧ください。
展示した本のほかにも候補はありました。
たとえば、
『ティファニーで朝食を』 トルーマン・カポーティ著/村上春樹訳
ティファニーブルーの装丁がとても素敵。
ジュエリーは無理でも、これならプレゼントできそう―
という遊びゴコロもありますが、中のお話ももちろんとてもいいのです。
表題作の『ティファニーで朝食を』は、オードリー・ヘプバーン主演で映画化され、
挿入歌の『ムーン・リバー』ともども、とても有名な作品です。
ただ、映画と小説は結構趣きが違っていて、主人公のイメージもオードリーとはちょっと
違うかなぁという感じがします。
映画しか知らない人は、一度原作も読んでみてください。どちらも面白いです。
この本には、ほかにもこの季節にピッタリの『クリスマスの思い出』や、別のスタッフ
おすすめの『ダイアモンドのギター』などが収録されています。
もう1冊、
『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー著
これは贈りたい本、というよりクリスマスが近くなると思い出す本と言った方が近いかも。
クリスマス間近のドイツの高等中学の寄宿舎での少年たちと先生の物語。
最初に読んだのは小学生の時でしたが、大人になって読むとまた新たな感動があります。
著者のケストナーが冒頭で、「こんな真夏に寒いクリスマスの話を書かなきゃならない
なんて...」とぶつぶつ言っているのも楽しいです。
本のプレゼントって、実はとても難しい。
でも、自分が面白いな、好きだなって思ったものを、相手の人も気に入ってくれたら、
とても幸せな気持ちになれます。
そして、「何を贈ろうか考えている時間」=「相手のことを想っている時間」なんですね。
(名古屋のスタッフ くり)