学生サポーター: 2019年11月アーカイブ
「マンガとはルビのある漢字」である。
独自のマンガ観を持たれている、養老先生の言葉です。養老孟司先生とは、解剖学者であり、脳科学者であり、虫取りであり、文学や哲学、歴史から自然科学まで、日本人論から、日常的エッセイまで、ありとあらゆることを勘定に入れて、いろんなことをいろんなところに書きまくっておられる、おじさんです。
タイトル通り、先生はマンガを読めと言っています。なぜならマンガは脳に良いから。
我々が、マンガを読んでいるとき、いったい脳はどのような処理をしているのだろうか、と。
それは日本語の特徴というものを考えなくてはならない。日本語の特殊性は、外国語を考えると見えてくる。
たとえば中国語の場合、「重」という漢字の読みは、一つしか与えられていない。同じようにアルファベットでも、「D」は、「ディー」としか読まない。「dog」は、「ドッグ」としか読めない。どちらも多少方言による違いがあるが、どの方言でも読み方は一つ。
では、日本語の「重」はどうか。ご存知の通り、「重」は、じゅう、ちょう、おも、かさ、え‥‥と複数の読み方を持っている。
つまり、中国語や西洋語、というか、世界のほとんどの言語は、入力「D」に対して出力「ディー」というように、一つの入力に対し一つの出力と確定している。一方で日本語の「重」には、複数の出力をいれなくてはならない。
コンピュータをつくるとき、普通は文字の音声が入力も出力も一つでいいはずですが、日本語に対応したキーボードではソフトを変えなくてはいけない、ということです。コンピュータの処理がより複雑になる。「たいしょう」と入力して、対象、大将、対照、大勝、大正、大賞‥と色んな変換が出てくることを考えたらわかりますね。ここのところが外国人にはなかなか理解されないらしい。
要するに日本語というのは、漢字を読むときと、カナを読むときでは、別々の処理をしなくてはならない。我々が普段日本語を読んでいるとき、その複雑な処理を脳がしているのです。
そのとき脳の中を覗いてみると面白いことが分かります。漢字を読むときの脳の中の場所と、カナを読むときの脳の中の場所が違っていて、離れているのです。ということは、外国人が文字を読んでいるとき、使うのは脳の一ヶ所で済むが、日本人は二ヶ所使わなくてはならない。
脳が故障を起こしたとき言語障害が起きることあるが、その場合、カナは読めるが漢字は読めないとか、漢字は読めるがカナは読めないという症状になることがある。(両方が壊れてしまうことは少なく、あったとしたら大きな故障ということになるから、もう文字を読むどころではない。)新聞の文字を追っていっても、漢字のところだけは読める。だからなんとなく意味はわかるというように。
ディスレクシアという言語障害があります。日本ではあまり聞きなれませんが、外国では割とよくある障害です。日本人には少ないのですが、それはもしかしたら日本語の特徴に理由があるのかもしれない、と僕は思います。
そして、この日本語の構造がそのまま反映されているのが、「マンガ」というわけです。
マンガの中身をよく見てみると、マンガの中の絵が「漢字」、吹き出しの中の文字が「ルビ」という構造になっている! 「山」という漢字の起源をたどると、本当の山の形を図にしたもの。もともとは漢字は絵を文字化したものですね。忘れがちですけど。
日本語の学習でルビがふってある漢字を読んでいくことは、マンガを読んでいるのと同じ。逆にマンガを読むことが学習、とくに言語の学習になっているのではないかと思います。さらにいえば、マンガのコマ割りは、右上から左下読むように構成されているから、日本語の文章を読むときと同じ目線の動きになっています。
マンガがいまや、世界中に日本の文化として広く知らされ読まれているのは、こういう多くのものを養うことができ、そしてもちろん楽しめるからです。もはやサブカルチャーではなく、メインカルチャーといっても良い。
マンガの世界というのは、言葉だけの世界にはないものがあって、それは現実の感覚。我々に強くリアルな印象を与える絵。それは目から入る。それに加え、ギャーとかフッフッフッ、というような擬音語という耳から入る音。マンガというのは五感を使って我々を楽しませてくれるものです。一方、言葉だけの世界というのは概念の世界になる。だからその世界にばかりいると現実感覚がなくなってしまう。
マンガを読むことはこのように我々を養い、楽しませてくれるものなのです。マンガばかり読んでいるからバカになる、というのは嘘です。
図書館サポーター あっきー
皆さんこんにちは、ないとぅーです!
今回は皆さんが気になっているであろう、
10月29日(火)ビブリオバトルの結果についてお伝えします!
まず、ビブリオバトルを知らない方のために簡単なルールを説明します。
ビブリオバトルとは、
発表者(バトラー)が、読んで面白いと思った本(1冊)を5分間で紹介し、
聴講者は、その中で一番面白そうと思った本に投票を行い、
最多票を獲得した(本)チャンプ本のバトラーがチャンプとなるゲームです。
2007年に谷口忠大教授が考案し、
今や全国でビブリオバトルが開催され、学内予選、地区予選を経て、
夢の全国大会に出場できる権利を得ることが出来ます。
そのことを踏まえた上で、今回のビブリオバトルを見ていきましょう!
さぁー!今回、夢のチケットを獲得しようと参加していただいたバトラーは、4名!!!
その出揃った本のタイトルを発表します!
(大変恐縮ですが、僕がそのバトルを聴いた時の感想を述べたいと思います。)
①『完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込』若林 正恭著
作者は、あのオードリーの若林!
彼が感じた社会の違和感について、誰もがきっと共感でき、面白そうなエッセイ本だと思いました。
②『京洛の森のアリス』望月 麻衣著
主人公アリスはとんでもなく悪いことをしているけれど、
親を幼い頃になくし、大変な思いもあると同情してしまう何ともいえない世界観におそわれそうだと思いました。
③『リニア新世紀 名古屋の挑戦』 奥野 信宏、 黒田 昌義著
この本を読みことによって現状の少しイメージが悪い名古屋ではなく、
名古屋すごすぎ!って思うようになりそうだと感じました。
④『のぞきめ』三津田 信三著
第一イメージが怖そう。
話を聴いていると、日常生活のいたるところにある隙間の話だとわかり、想像しやすくより怖そうだと感じました。
バトラーの皆さんは、短そうで長いあの5分間、緊張感も漂う中で、その本に対しての想いを熱く語っていただきました。
(僕と同じ大学生とは思えません!)
そんな強豪勢ぞろいの中で、見事!チャンプに輝き、東海地区予選に進出できた本は、
④『のぞきめ』です。
チャンプ本『のぞきめ』は、
11月24日(日)たいほうGLOUBAL LINKSにて開催される
「全国ビブリオバトル2019~首都決戦」東海地区予選で発表されます。
気になる方は、学内予選を勝ち上がった方々の素晴らしいバトルを観に行ってみてください!
このブログを読んでビブリオバトル楽しそう!と少しでも思ってくれた方、
ぜひ!次回のビブリオバトルに参加してみてください!
(学生サポーター:ないとぅー)