<06>図書館スタッフ: 2024年11月アーカイブ
こんにちは、もくもくです。
今回ご紹介する作品は、中国の古典をもとに書かれた作品で,
高名な詩人になる望みに破れ、虎になった男が自分の数奇な運命を友人に語る変身譚。
某アニメから興味を持たれた方もいるかもしれません。
中島敦の『山月記』です。
教科書でふれた方も多いと思います。
"己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。
かといって、又、己は俗物の間にすることも潔ぎよしとしなかった。"
この場面は切なさを感じさせますね。
臆病な自尊心と尊大な羞恥心のために他者との交流を断ってしまう。
ここまで強くはなくても、誰しも心当たりがある思いではないでしょうか。
漢文古典に対する素養が深く、漢文的で硬質な文体を特徴とする
著者はこの作品と「文字禍」という作品で文壇デビューしました。
今、読み返してみると授業で読んだ時とは、違った感想を抱くかもしれません。
青空文庫では新仮名・旧仮名で、図書館所蔵では他にもマンガ版などがありますので、
お好きなものを読んでみてください。
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
皆さんはドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことはありますか?
作者とタイトル、大まかなあらすじと登場人物を2,3人知ってる、くらいの方が大多数だと思います。とても有名な作品だけどなんだか堅苦しそうだし結構な長編だから、あまり読む気にはならないな......なんて思ったり。
現に私もそうでした。数か月前に実際に読んで、あまりの面白さと読みやすさに驚いたものです。
今回ご紹介するのは、『罪と罰』を読んだことのない4人がこの作品について語る読書会の記録です。
『「罪と罰」を読まない』
作品を読まずに読書会をするなんて、そんなのアリ?!と思われるかもしれませんが、
これも『罪と罰』が誰もがタイトルを知る超有名作だからこそ出来ることなんでしょう。
本の前半では、4人の読書会メンバーがおぼろげな知識をもとに、また時々作品の一部を覗き見しながらストーリーを推理し話し合っています。
そして後半ではメンバーが実際に「罪と罰」を読んだ後に、推理の答え合わせをしつつ、作品についてしっかり語り合っています。
もちろん作品の内容にしっかり触れているので、ネタバレを気にする方はご注意ください。
今回ご紹介した『「罪と罰」を読まない』だけでなく、『罪と罰』そのものもおすすめです。
確かに登場人物の名前や作中の文化、習慣にはなじみがないのでそこが少しネックになるのは否めませんが、長さを感じさせないほど惹きこまれるし、主人公の犯行前後の心理描写が細やかでリアリティたっぷりのスリル満点のエンタメ犯罪小説です。
本学の図書館が所蔵している翻訳は瀬戸としろとりで4種類ほどなので、ぜひともお好みの翻訳で読んでみてくださいね。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
それまでは世間の常識・自分にとっても当たり前
そう思っていたものが「そうではないのではないか?」
という疑問や気付きを得るというのは
場合によってはその後の人生や世界を左右するほどの
とても大きな衝撃があるものなのかもしれません
その瞬間に出会ってしまったら
人はどうするのでしょうか
この漫画はそんな衝撃に出会ってしまった人達の物語
地球はほかの惑星とともに太陽の周りを
自転・公転しつつ動いているとする地動説をめぐり
人は時に己の感動、正義、信仰、絶望、信念
いろんなものに翻弄されながら
物語の主人公となっていったり、悪者となったりしていきます
最近アニメ化もされ
色々考えさせられるお話です
こちらの全8集は名古屋キャンパス曙館3Fの図書館にあります
館内のみで閲覧可能ですので
講義の合間に読んでみてはいかがでしょうか
(図書館スタッフ:るん)