<06>図書館スタッフ: 2021年5月アーカイブ
皆さまごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
近頃は感染症対策のために、対面での会話を最低限にするよう呼びかけられています。
私個人としては、もともと口数が少ない方なのでそこまで辛くもないのですが、
きっと今回ご紹介する物語の主人公にとっては、今の状況はとても辛いのではないでしょうか。
夢野久作『オシャベリ姫』
ことわざにもあるように、余計な事や言ってはならないことを言ってしまったために
トラブルを巻き起こしてしまうことは多々あります。
このお姫様も、お喋り好きが災いして大冒険をする羽目になります。
果たしてオシャベリ姫は「禍を転じて福と為す」ことができるのか、彼女の冒険の行く先を見届けてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
皆さんは「推し」てる何かがありますか?
その「推し」を追いかけて色んな所に出向いたり、
お金をかけたり、SNSなどで同じものを推してる同好の友と出会ったり
「推し」の動向を見守ったり...
今回はそんな「推し」がいる、とある高校生の物語
『推し、燃ゆ』宇佐見りん著
第164回芥川賞受賞作なのでご存知の方も多いかもしれません。
人生がままならない女子高生が支えにしていた「推し」。
その「推し」があることをきっかけにSNSで炎上してしまう。
推しのいる者にとってはちょっと他人事じゃないような、そんなお話しです。
今の時代を大きく反映したストーリーで
数年後に読んだらまたちょっと違う印象を持ちそうな
今、ぜひ、読んでみたい1冊です。
ちなみに最近のモットーはもっぱら
「推しは推せるときに推せ!」です。
チャンスもお金も時間も体力もみんな限りあるものだから。
(図書館スタッフ:るん)
今日は俳優の山田純大さんの著書
『命のビザを繋いだ男 : 小辻節三とユダヤ難民』を紹介したいと思います。
ユダヤ人を救うために多くのビザを発行した杉原千畝さんのことは世界中で知られていると思います。
その杉原氏から始まった命のビザは多くの人々によって繋がれました。
ウラジオストックから日本への船に乗る手配、敦賀港、神戸、横浜の住民たち、小辻氏を支えた外務大臣、そのほか多くの人々によってユダヤ人たちはそれぞれ目的の地(多くはアメリカ)に向かうことができました。
日本に入国したユダヤ人たちの日本滞在可能な期間は1週間から10日、中には3日という方もおられたとか。
その短期間に目的の地への手配ができなれば、強制送還。
その困難な状況からユダヤ人を救うために尽力された方が、小辻節三さん。
滞在期間を延ばし、その滞在中にもさまざま援助をし、ユダヤ人がそれぞれの目的地(国)に行けるよう手助けをしました。
まさに、『命のビザを繋いだ男』です。
なぜ、彼はユダヤ人を助けたのか?
著者山田純大さんは、小辻氏の自伝をもとに関係者を訪ね、
イスラエルに小辻氏の墓参りにも行っています。
小辻氏はイスラエルに葬られているのです。なぜ?
ぜひ、読んでみてください。
(なごやの図書館スタッフ 小豆)