オススメ本: 2023年10月アーカイブ
9/15公開の「名探偵ポワロ:ベネチアの亡霊」の原作です。
この作品は数あるクリスティ作品の中でも"隠れた名作"と言われているんですって。
今作は独自にアレンジされ、新たな作品となっているとのこと。
しかしこれには、クリスティのひ孫で本シリーズの製作総指揮も務める
ジェームズ・プリチャードも初めは困惑していたらしい。
私個人はケネス・ブラナーのポワロがあまりにも原作と違いすぎて戸惑うけれど、
シリーズ3作目なのでそれなりに人気があるのかも。
シリーズ1作目『オリエント急行殺人事件』はしろとりにあります。
2作目の『ナイル殺人事件』はケネス・ブラナーのシリーズではないけれど、しろとりにあります。
(瀬戸図書館スタッフ:Signet)
かなり前に、若者向けに作られた『アウシュビッツの手紙』(平和博物館を創る会編)という写真集を見ました。64ページの薄い本でした。
切られた髪の束がたくさん集められた写真と、髪の毛から毛布や服地が作られたという説明に衝撃を覚えました。囚人からは私物がすべて奪い取られ分類されて倉庫に納められたそうです。
たくさんの靴、たくさんのブラシ、たくさんの眼鏡...山のように積み上げられたそれらの日用品を見たときに、遺体が山積みになった写真よりも強い恐怖を感じました。
実感としてこれらの持ち主から奪い取られた日常が伝わってきたからでした。
この本では、「ドイツでは高校生達にこの博物館の展示を見せて戦争について考えさせている。日本ではどうなのか」との問いが投げかけられていました。
最近、アウシュビッツでの収容体験のあるヴィクトール・E・フランクルが書いた『夜と霧』を読みました。ホロコーストの本では有名ですね。こちらは1977年に作者が新たに手を加えた新版です。
自身が精神分析学者であった作者が淡々とその体験を語り、とても冷静に人間を見つめています。
戦時下で人間がどれほど残酷になれるか、そしてそんな過酷な状況下でも人間の善意がなくなりはしないことを伝えています。
新版はイスラエル建国後4度の中東戦争を経験した後に書かれているため、作者の思いが垣間見られる内容の異同があるとのことでした。
また、ドイツでは戦後ナチズムについてどのように伝えているのかのレポートもあります。
陶冶するという言葉が難しいのですが、陶器を造ることと鋳物を鋳ることから転じて、生まれついた性質や才能を鍛えて練り上げることだそうです。
ドイツではナチスの残された遺構を博物館にするなど若い世代にナチズムについて伝え続け、ナチス政権下での多くの市民の無抵抗に対する罪も問われるなど、社会全体で検証し教訓を生かそうとしていると感じました。
私が人体実験をしていた731部隊のことを知ったのは大人になってからでした。童話作家の松谷みよ子が戦争経験者から聞き取った『軍隊』には日本人の口から語られた戦時中の実話が集められています。日本は、戦争で原爆を落とされた被害者のような捉え方をしていましたが、そうではないことを知りました。
日本では先の戦争について次世代につないでいるのか疑問に感じています。
ウクライナの街があっという間に廃墟になっていく映像に心が痛んだ昨年。
平和のもろさを感じる今、戦争について少しだけ考えてみませんか?
※『アウシュビッツの手紙』(平和博物館を創る会編)、『軍隊 : 徴兵検査・新兵のころ・歩哨と幽霊・戦争の残酷』(松谷みよ子)は公共図書館で閲覧することができます。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
こんにちは!あかトマトです♪
「きりこは、ぶすである」
今日はこの衝撃的な書き出しで始まる図書、『きりこについて』をご紹介します。
この本との出会いは...もう何年前になるでしょうか?
本学の図書館で開催された「ビブリオバトル」である学生さんの紹介された本がコレでした。
その学生さんによるこの本の紹介が巧かったのですが、「きりこは、ぶすである」という冒頭が気になって読んでしまいました♪
当時小学生だった娘も興味を持ち、読ませてしまったのですが、小学生にはまだ早かったかなと思う部分もあり、少し後悔してます...。
ちなみに娘の感想は、「きりこは、何だか私と似ている」でした。
実はきりこぶすなのに、両親に「かわいい」と言われて育ったため、小学5年生で好きな男子に「ぶす」と言われてショックを受けるのです。
娘も女の子が欲しかった私が、幼少期「かわいい」と言って育てたので、小学生になって他の子が「かわいい」と言われているのに自分が言われない中で、自分はかわいくないのだと気付いたんだそうです...
でもきりこの両親ように、親にとっては娘は(息子も)どんな美人よりかわいいものなんですよ(^_^;)
まだ高校生になったばかりの娘は、きりこのように不美人を克服できてはいないけれど、いつか「わたしはわたし」と思えるように、そしてそれを受け入れられる社会になるといいなぁなんて思います。
余談ですが、娘は高校の国語の授業でビブリオバトルをやった際にこの本を紹介して、結構高評価されたと言っていました☆
(名古屋の図書館スタッフ:あかトマト)
『青空文庫』を散策していたら
気になるタイトル見つけました。
『もしも世界』スタンリイ・G・ワインバウム著/奥増夫訳
私はパソコンで本を読むのは苦手ですが、
1行目に«失敗»の文字
なにかにつけ失敗の多い私は、気になって、つい読んでしまいました。
物語は、遅刻癖のある主人公が飛行機に乗り遅れたことにより、
飛行機事故から守られたことを知るところから始まります。
その事故では乗客500人の内400名が死亡したとのこと。
飛行機に乗り遅れたことにより彼は命が守られたのです。
その後、マンダプーツ老教授と会うことが叶い、時間について議論を交わします。
そして、教授が発明したという
もしもの世界を見ることができる«仮想機»なるものに興味を持ちます。
もしあの飛行機事故の時、飛行機に間に合って乗っていたら?
主人公は、教授に頼んで、その«仮想機»で、もしも世界を見せてもらうことにします。
さて、事故にあった飛行機に乗った彼はどんなもしも世界を見たでしょう?
もしもの世界を見たことは、彼のその後の人生にどんな影響があったでしょう?
(図書館スタッフ:小豆)
こちらは何となく気力がわかず、何をやっても上手く行かないなあと思って
いるそんな悩める時にお薦めの本です。自分にだけしか見えないゾウの神様、
「ガネーシャ」がどういうわけか関西弁で語り掛け、出してくれる課題に沿って、
主人公がそれを順々に克服し、思い通りに生き始めるという「和める」
「ゆる~い」自己啓発本(小説)です。
『夢をかなえるゾウ』
「ガネーシャ」とは、実際には
困難や障害を取り除き福をもた
らすといわれる神様。その姿は
とても象徴的で、4本の腕を持
つ太鼓腹の人間の身体に片方の
牙が折れたゾウの頭を持って
います。
インドでは最もポピュラーで頼
りになる神様として知られてい
るようです。
(図書館スタッフ 東空)
こんにちは、スタッフゆまたろうです。
新海誠監督の最新作、『すずめの戸締まり』のDVD入荷しました!
所在:しろとり4F メディアコーナー
この作品は、主人公である女子高生のすずめが、
日本各地の廃墟にある災いの元となる「扉」を閉じる青年と出会い、
共に旅をしながら成長していく物語です。
私は映画館で5回見ましたが、今後も何度も見たい作品です。
DVD発売に合わせて、しろとり3F図書館ではミニ展示「新海誠特集」が開催中です。
初期作品『ほしのこえ』から、最新作の『すずめの戸締まり』までの小説、
ピアノ楽譜や作品にまつわる本など色々集めました。
ぜひ一度お越しください。
★過去のブログ記事★
「新海誠監督作品たくさんあります!」
(なごやの図書館スタッフ ゆまたろう)