元祖「あれか、これか」の作者はデンマークの哲学者 キルケゴール (1813-1855)
です。彼は人間の生き様 (実存の真理)には二つあり、「享楽的に流されて生きるか」
あるいは「倫理的に悩みながらも自律的に生きるか」人はどちらかを選ぶ『二者択一』
であるといいます。
この時々の「二者択一」の積み重ねをファイナンス理論に持ち込んだのが本書です。
本書の「あれか、これか」は、多数の企業の価値評価を手掛けたファイナンスの
第一人者である筆者が、企業の起業であるとか成長段階でのファイナンスの選択肢に
ついて、多面的な視点からの考え方を示唆してくれます。
しかしながら、現実の選択はなかなか思い通りには成功しません。その時々の判断
において大事なことは長期的な視点であり、将来価値の拡大をどう持続的に継続し
てゆくかということです。
具体的な一端として借金なのか、株式募集(公開)なのか、リストラなのかという
ような論点にもなりますが、ファイナンス上の選択にあたり、その値打ちを如何に
見抜くか値踏みするかについて語られます。
『「あれか、これか」:本当の値打ちを見抜くファイナンス理論入門』
(しろとり図書館スタッフ 東空)
映画化やドラマ化された作品も多く知名度の高い作家、東野圭吾。
どれを読んでも面白く、ドラマ化された『ガリレオシリーズ』も有名。
個人的には切なさを感じる作品が特に良いと思っている。
そんな作品を紹介したい。
トランスジェンダーがテーマの作品。
今でこそLGBTは世間に認知されつつあるが、2000年頃にこの作品が生まれたのがすごい。
ラストに「片思い」の意味が分かる。
その切なさが...
(瀬戸のスタッフ:emirin)
こんにちは、もくもくです。
今回ご紹介する本は、
作者が読んだ様々な本や展覧会についての批評を
一冊にまとめたもので、
書名に惹かれて手に取ってしまいました。
本を立体図形のように読んでいるという、
まるで魔法使いがなにか魔術の構築をしているみたいな
その方法と本との向き合い方魅力を感じます。
普段手にしないジャンルにも触れることができ
読みたい本が増えそうです。
皆さんはどの本に興味を持つでしょうか?
(名古屋の図書館スタッフ:もくもく)
こんにちは♪ ミステリー好きのあかトマトです。
私にとってミステリーの原点は、小学生の頃テレビで観た「金田一耕助シリーズ」です。
戦後間もない日本の風景と、何とも表現しがたい恐ろしい空気感、そこにミスマッチな間の抜けた、でも鋭い洞察力を持った名探偵金田一耕助の醸し出す世界が大好きでした。
『八つ墓村』、『犬神家の一族』、『悪魔の手毬唄』など代表作をあげたらキリがありませんし、皆さん原作でなくても映画やドラマでご存知の作品も多いと思いますので、今回はちょっと視点を変えてみまして...こちらなんていかがでしょうか?
『横溝正史の日本語』
表紙絵は『犬神家の一族』のワンシーンですが、何とも言えないですね★ でもそこに惹かれて手に取ってみました。
中を読んでみると、少し深堀した専門的なところもありますが、横溝正史の生み出す世界観やその表現が好きな人にはかなり興味深い内容でした。
同じような場面を表現するのに、異なった語句や表記がされているのは、横溝正史が意図したものなのか...
だとしたら、それは何のために?
これもまた1つのミステリーではないでしょうか。
興味のある方は、是非この謎にも迫ってみてください!
(名古屋の図書館スタッフ:あかトマト)
少し前「ゴールデンカムイ」という漫画の実写映画がヒットしました
元々作品のファンで、映画もとても楽しく拝見した一人です
この作品を通じてアイヌの文化に興味を持った方も多くいるでしょう
そんな方にこちらの本を紹介したいと思います
アイヌの女性マウコはヌプルクル(霊力を持つ人)です
マウコは出会った人々の協力を得ながら
オオカミの声をたどって
自身と自身を取り巻く状況に向き合っていきます
彼女の進む道には実際に存在している
アイヌについての博物館や資料室、
関係人物がたくさん登場します
そして、アイヌであること
それが今の日本でどういう状況なのか
どんな言葉を投げかけられ
どんな思いで過ごしているのか
その歴史的な複雑さも含めて
小説という形の中で自然と触れられるよう描かれています
ぜひ、作者の前書きと後書きも
合わせて読んでもらいたい一冊です
(図書館スタッフ:るん)
こんにちは、スタッフゆまたろうです。
今回は「本屋さんに行く」事を目的に
旅行したくなる本を紹介します。
この本の著者はアメリカで活躍するイラストレーターで、
手書きのイラストと店員からの話で
世界の素晴らしい書店を紹介しています。
有名建築家が設計した歴史的建造物や、
船や戦車、劇場や銀行を改造したユニークなものまで
見ているだけで楽しい気分になる75の書店を掲載。
どの書店にも物語があり、まるで短編集を読んでいるようです。
温かみのあるイラストもおすすめですよ!
(なごやの図書館スタッフ ゆまたろう)
『グローバルサウスの逆襲』 本書はTVでもお馴染みのジャーナリスト、池上彰さんと元外交官、作家の佐藤優さんの対談形式の共著となっています。まず、グローバルサウスとは何か?池上さんが、「インドやブラジル、タイ、南アフリカのような概ね南半球に位置するアジアやアフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称である」と解説されています。 基本的にサウスと言うだけに、位置的には南にあり、気候的にも暑い国々となりますが、その特徴としては、強力な政治的リーダーシップのもと急速に経済成長を加速させ、軍事を含めた国力の強化を図っている国々です。問題はこれらの国々にロシアや中国が影響力を及ぼし、いわゆるG7を中心とする先進国群への対抗を強めてきていることにあります。それが、「逆襲」たる所以です。 さらに、アメリカ合衆国の状況は新大統領の言動の行方が、この流れに影響を及ぼすことは必至と言われています。現代政治の混乱した状況を紐解き、どこに着目すべきかを示唆してくれる新書として読み易い内容になっています。
(しろとり図書館スタッフ 東空)
『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』
昨年4月に亡くなったフジコ・ヘミングさん。優しいピアノの音色が思い出されます。
波乱の生涯をテレビが取り上げて話題となったのが1999年。
その後デビューCDがクラシック界異例の大ヒットとなり、世界中で活躍されました。
そのフジコさんが14歳の時に書いた絵日記が本になりました。
ピアノのことはもちろん、食べたものや生活の様子がカラフルで素敵な絵とともに綴られています。
戦後で大変な時期のことなのに、とても生き生きと明るく描かれていて、ハイカラでおしゃれな生活の様子に驚いたり、世代は異なるのになぜかとても懐かしい感じがしたり、胸がいっぱいになりました。
実生活は戦争で受けた傷が深く、うつ状態が続くこともあったと記されていますが、この絵日記にはフジコさんが配給で食べておいしかったチョコレートの包装紙が貼ってあったり、寝ているお母さんにひげを書いたり、いも泥棒を見た話なども描かれ、ふっと笑顔になれる空気が漂っているように感じました。
【図書館スタッフ:フエルトうさぎ】
🌟今回紹介するのは
ちょっと長いタイトル
『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』
著者 五十嵐大・発行 幻冬舎
私が手話を覚えたいな〜と思い始めたのは何十年も前のこと、仕事で手話を知っていたらと思う出来事があったこと、
それと同時期に教会で手話賛美を初めて見た時に美しいと感じたことなど。。。
でも学ぶ時間もなくて(言い訳ですが)
そのうち手話賛美の本で、何曲かマスターして、その表現のいくつかを組み合わせてカタコトで、ほんの少し本当にほんの少し話せるようになりました。そんな時、コーダの方と知り合うチャンスがあり、手話との関わりは広がっていきました。
コーダとは両親が聴覚障害者の方のことです。
この本は、そんなコーダの方が子供の頃からの体験を記してくださった本です。
手話を学ぶ上でもこの背景はとても大切なことだと思います。何より本人は自分で好んで聴覚障害になったわけでもなく、その子も選んでコーダとして生まれたわけでもない。この本を通して、聴こえる世界と聴こえない世界、両者の世界が広がることを祈ります。
私の手話は相変わらずカタコトですが、手話を学ぶ上で手話技術より、もっと大切なことがあると考えています。
「守る」のではなく「ともに生きていく」というタイトルで30のことは終わります。
可哀想、差別、怒り、恥、守らなければ、守れなかった、涙のありがとう、
そして行き着いた「ともに生きていく」という著者の言葉に、希望を感じました。
東日本大震災を体験したこのご家族の大変さは、短く簡単に書かれていますが、聴こえないご両親の避難の様子を読んで、周りの方々との繋がりの大切さを痛感いたしました。守られてよかった。
『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』は瀬戸図書館にあります。
‼️関連図書‼️ドラマ化もされた『デフ・ヴォイス』もおすすめします。瀬戸図書館にあります。
(図書館スタッフ:小豆)
本日はスポーツのお役立ち本を紹介します!
部活にケガは付きものでしょうか。
もしケガをしてしまったら!?
ケガの予防や再発防止、パフォーマンス向上のために
フルカラーの図と写真でわかりやすく解説。
「疾患に対する知識」も身に着けられますよ♪
(★瀬戸の図書館スタッフ ティズ★)