本にまつわる話: 2022年2月アーカイブ
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
今回は、海外文学のちょっと変わった楽しみ方をご提案しましょう。
それはずばり、翻訳の読み比べです。外国語で書かれた作品を気軽に日本語で楽しめるのは、プロフェッショナルによる翻訳作業があってのものです。
また、外国語作品の翻訳には著作権から派生した「翻訳権」が関わるため、著作権保護期間内は著作者の許諾無しに自由に出版することはできません。
そのため、新しい作品の翻訳は少なく(たいていは1種類のみ)、古い作品ほどたくさんの翻訳が出版されているのです。
元の作品が同じものでも、訳された年代や翻訳者によって翻訳作品の雰囲気は様々です。
もちろん、作品全部を何度も読むのはいくら好きな作品でも大変なので、
読んでいて印象深かったシーンや好きなセリフだけでも色んな翻訳を読み比べてみましょう。
「この翻訳だと、このシーンはこんな雰囲気になるのか」
「こっちの翻訳も良いけど、好きなのはあの翻訳だな」
「地の文はこっちの翻訳、セリフはあっちの翻訳がかっこいい!」などなど、
読み比べてみることでより作品を楽しめますし、作品の解釈も広がります。
複数の翻訳が出版されるほど有名な作品であれば、図書館にもその内の何種類かを所蔵している場合が多いです。
同じ作品を何種類も買えるほどの余裕がなくても大丈夫。
これは無料で利用できる図書館があるからこその楽しみ方でもあるのです。
そうして読み比べる中でお気に入りの翻訳者が見つかったら、そこから次に読む本を探すのも面白いですよ。
海外文学がお好きな方、読書ライフをより充実させたい方は、ぜひやってみてくださいね。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)