<04>先生: 2010年11月アーカイブ
「ハングルの誕生:音(おん)から文字を創る」 野間秀樹 平凡社新書
韓国語の文字を「ハングル」と言いますよね。
その文字がどんな考え方を背景にして生まれたのかを書いた本です。
人間の言葉にとって「書き言葉」はどんな意味を持つのか?
人間の歴史の中で最後に生まれた文字体系ですが、
それがどんなにすばらしいシステムと背景となる思想を持っているのか、
そんなことが書かれています。
言葉に興味を持っている人に、ぜひ読んでほしい本です。
(Willowcafe 外国語学部教員)
「タイ・ビルマ 国境の難民診療所―女医シンシア・マウンの物語」
宋芳綺/著 松田薫/訳 新泉社
みなさんは、「ビルマ」という国を知っているでしょうか。
つい最近、アウンサンスーチー氏が自宅軟禁を解除されたというニュースが世界を駆け巡りました。
ビルマは、未だ人権や自由に大きな制限が課されている国です。
この本は、そのような困難な状況下で長年難民支援を行ってきた女医シンシア氏の伝記です。
この本を読むことによって、アウンサンスーチー氏の長年に亘る抵抗の背後にシンシア氏のような無数の個人の献身的な努力があることを理解することができるでしょう。
また、ビルマが今のような状態になってしまった歴史的な経緯を簡単に知ることができます。
なお、この本の訳者は学生の時にこの本を訳しています。
ビルマの現状を知ってやれることはないか考えた末に、この本を訳すことに決めたそうです。
アウンサンスーチー氏は、「あなたの自由を、私たちの自由獲得のための闘いに行使してください」と長年世界に向かって訴え続けてきました。
そうは言っても、こういった大きな問題に関して個人個人にやれることはないのではないかと私たちは考えがちですし、社会的な地位が確立していない学生であれば尚更です。
この本は、そんな学生のみなさんになんらかの示唆を与えてくれるかもしれません。
(A先生 経済学部)