わが指のオーケストラ
本当は高橋潔氏の娘さんが書かれたという『指骨』という本が読みたかったのですが
見つけることができなくて
漫画『わが指のオーケストラ』(山本おさむ)を読みました。
音楽の道を諦めた高橋潔先生は耳の聞こえない子供達に
『安寿とずし王』という話を
手話で伝えようと一生懸命手話を覚えました。
(この話は私も子供の頃にテレビで見てすごく印象的だったこと覚えています。)
子供達に感動が伝わった瞬間
『手話こそが音楽』
というセリフ。
高橋先生の心の叫びだったのかもしれません。
手話を知らない子供たちが手話と出会って
ただコミュニケーションができるという単純なことではなく
心の深いところで人間として大切な自分の言語を得たのだと感じました。
人間らしさという言葉が適切かどうかはわからないけど
聖書の語る
『あなたは高価で尊い(貴い)』に繋がってるなと思いました。
その後、後半の様子は凄まじかったです。
やっと
ろうの社会に手話が言語となりつつある時に
社会的な事件、
米騒動や戦争などを通して
聞こえない人たちの受けた傷
これは聞こえない人たちだけではなかったと思います
多くの日本人と違う人たち
少数派の人たちへの
差別から発生した残虐な仕打ち
これは人間の罪だなと思います。
やがて、
口話法を広めようとする動きが盛んになって、手話を禁止する動きが起こり、
国を挙げて、ろうの子供達の教育現場が
スパルタ?
強制?
手話を使う子供たちとの交流まで禁じる社会となりました。
親は子供の声を聞きたい一心で
子供達は親に応えたい、
逆らえない
そんな状況で心が死んだようになっていきました。
手話禁止が叫ばれる中、高橋潔氏とその同志たちは
手話で教える聾学校存続のため奮闘します。
一人の後輩者を
海外の口話法の状況を把握するために海外に送ります。
そこでヘレンケラーとも会うことができ、
指文字の必要性
さらに口話法と手話と併用する様子も見てきます。
そもそも口話法も元は海外から発生したもので
少し遅れて日本が導入したのですが
その後の経過においても
日本はやや遅れていたということでしょうか?
お国柄でしょうか?
良いと思ったら
口話法一本という考え方はどうでしょう?
今にも手話禁止が決定されるという会議で
高橋氏は
口話法に真っ向から反対するのではなく
一部の難聴者(中途難聴者や、少し聴力が残っている人)には
口話法が効果的であることも認めて
一人一人の聴力や適性を考慮した3つの教育法を主張しました。
口話法のみ
手話と口話法を併用するタイプ
手話だけ
それぞれの良いところを活かした教育
という感じでしょうか?
しかし、すぐに手話が認められたわけではありません。
🌷私が手話を勉強し始めて
ろう者の方々と会う機会もいただけて
感じていることは
まだまだ手話を言語として認めている人は少ないということです。
しかし、諦めずに聾者のために
手話を守り続けてこられた方々は
近くのろう者を理解しようと努めて
人生を捧げてくださいました。
今もその継承者が奮闘してくださっていることでしょう。
後日談、
口話法で教育を受けたろうの方々
3割くらいの方は
口話法が効果的だったとのことですが
7割くらいの人は
卒業後は手話で交流を続け
ろう者で協力し
社会に呼びかける運動を起こし
現在に至っています。
今、私たちが手話サークルに参加したり、
講座で手話を学ぶことができているのも
その流れの結果ですよね。
感謝
この漫画本
お勧めします。
悲惨なシーンもありますが
目を背けてはならない事実です。
ぜひ、一度、手にしてくださいませ。
■この本は名古屋市図書館にあります。
『わが指のオーケストラ』
(山本おさむ)
手話に生涯をかけた男
高橋潔の魂の叫び
※4巻セットもあるみたいですが
私が読んだのは
3巻セット 平成12年発行のものです
★関連図書
『手話讃美 : 手話を守り抜いた高橋潔の信念』は瀬戸図書館にあります。
こちらもおすすめです。
(瀬戸図書館スタッフ:小豆)