2021年7月アーカイブ
蔓延するコロナの恐怖に胸を痛めている頃、この本と出会った。
『それでも、素敵な一日 』
幼い頃、病気で聴力を失った作者が、今度は視力までも奪われつつあるという・・・。
それでも将来に絶望するわけでもなく、現状を受け止めて、まだ自分には触覚と嗅覚が残っている事に感謝しながら、前向きに生きていく作者。
私だったらこんなに強くなれるだろうか。
人はどんな状況でも、幸せをみつけられる事を教えてくれる胸が熱くなる1冊だ。
読みやすい文章で、たびたび登場するかわいいうさぎのイラストに癒される・・・。
(瀬戸のスタッフ : かるみあ)
みなさん、こんにちは。スタッフのにこいちです。
暑い季節がやってまいりましたね~!この季節にはやっぱりかき氷でしょうか。
私は自他共に認める食いしん坊なので、季節ごとの色々なお菓子や食べ物を調べて楽しんでいます。
さてそんな食いしん坊が今回紹介する本は『アンと愛情』です。
第1弾『和菓子のアン』第2弾『アンと青春』に続き第3弾となります!
主人公の杏子ことアンちゃんが、和菓子屋で働きながら訪れるお客さんの「謎」を解決し成長していくお話です。
作中にはいくつか和菓子が登場し、その和菓子の由来や歴史も分かり美味しそうなのに学べちゃう一冊になっています!
今回アンちゃんは物語の中で金沢旅行もしていて、金沢の美味しい食べ物やお菓子も出てくるので、私も一緒に金沢旅行をした気分が味わえました。
コロナが落ち着いて自由に旅行が出来るようになったら、金沢へ行き和菓子屋巡りをする楽しみが増えました。
さて甘いお菓子の話を書いていたら、しょっぱい物も食べたくなりました。
もう食欲エンドレスです!
(名古屋の図書館スタッフ:にこいち)
ガブリエル・バンサンという絵本作家を知っていますか?
ベルギーの作家さんで、有名な作品としては、
「くまのアーネストおじさん」というシリーズがあります。
名前は知らなくとも、絵をみたら「知ってるかも」という人も
いるかもしれませんね。
その方の絵本が、本学の瀬戸図書館の絵本コーナーにも一冊あります。
『アンジュール』ガブリエル・バンサン著
ある日、犬が車から捨てられてしまいます。犬は、走り去る車を必死で追います。
それでも車はみえなくなってしまい...
全ての絵が、鉛筆によるデッサンだけで描かれ、
セリフはありません。
それでもその捨てられてしまった犬の躍動や表情や感情のひとつひとつが、
物語が、グッと心に迫ってきます。
大人でも子供でも、まるで映画の世界にひきこまれるような、
すごい力をもった絵本ですが、百聞は一見に如かず。
この本はぜひ手に取って眺めてほしい、そんな一冊です。
ちなみに私はこの作家さんの絵本に大学生のころ出会いました。
中でも『セレスティーヌ』という絵本は
思わず自分で買ってしまったほど今も大好きな絵本です。
いつか本学図書館にも入るといいな。
(図書館スタッフ るん)
映画化もされている作品。
主人公は、不倫相手の子を誘拐してわが子として育てる。
その逃避行と、実の両親の元に戻った子の葛藤が描かれる。
理性をゆるがす愛に、応援する気持ちさえ持って読んでしまった。
主人公を助ける登場人物も、全員女性というのがまた興味深い。
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか・・・
(瀬戸のスタッフ:emirin)
『八日目の蝉』
こどもスポーツ教育学科の滝浪です。
久しぶりに7月6日のゼミで、ビブリオバトルをしました。
今回は小学校教員のR先生にも特別参加していただきました。
総勢9名で、わりとちゃんとやりました。
紹介された本は以下の通りです。
AW:三宅香帆『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』笠間書院
KI:香月日輪『不思議町物語』新潮文庫
MA:川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』サンマーク出版
HS:ひろゆき『叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実』三笠書房
滝浪:上野憲司監修『鳥獣戯画のすべて』宝島社
HY:チャーリー・マッケンジー『ぼく モグラ キツネ 馬』飛鳥新社
KY:辻秀一『スラムダンク勝利学』集英社インターナショナル
AH:森絵都『カラフル』文春文庫(図書館所蔵は講談社版)
R先生:横山紘一『唯識の思想』講談社学術文庫
それにしても、みんな、プレゼン力がアップしました。
しかも、紹介中、紹介後のツッコミがなかなかおもしろくて、大盛り上がりの会でした。
AWの本から、ジブリの話に広がり、KIの本では、現代の親子の問題にしばし考えさせられ、MAは、本も映画も感動的だと言い、HSは、叩かれるから詳しく話せないと言い、HYは、蕩々と語り、KYはスラムダンク全巻を読もうと言い、AHは、「ぼく」の正体は語らず、最後のR先生に到っては、なんとも難解かと思いきや、実に分かりやすく説明していただきました(さすが小学校の先生!)。一同思わず「奥が深い」とつぶやいていました。
私はというと、そもそも鳥獣戯画の有名な場面は知っていても、そもそもどういう本なのかを知りたくて、読んでみたと話し出すと、「確かに」とうなずいてくれたので手応えを感じましたが、投票の結果は、票数大割れの大接戦。
しかしその中、HYが紹介した『ぼく モグラ キツネ 馬』がチャンプ本に決定しました。
今話題の本ですね。HYが紹介の中で、「勇敢な言葉って何だと思いますか。」とみんなに質問したフレーズが印象的でした。なんだと思いますか。それは読んでのお楽しみ。
今回は、実に中身の濃い会となりました。
決して本好きばかりがそろっているわけではないですが、一人一人が充実感、満足感を持つことができたビブリオバトルでした。
子供の頃に読んだ本
面白かった!!
ということは覚えてるんだけど
内容が思い出せない
そんなことないですか?
ということで、もう一度、読んでみました。
長い話でしたが、子供用なので、読みやすかったです。
トム・ソーヤーの冒けんにも登場するハックの冒険です。
子供の頃には、きっとハラハラしながら読んだのだと思うのですが、今では、そんな感動はないかもしれないと思いながら読み始めました。
ちょっと怖そうな?
でも、途中、後半くらいから、夢中になりました。ミシシッピ川をいかだで下るって危険すぎない?と思いながら、読み進めると、私の想像するいかだとは違って、かなり大きなしっかりとしたもののようです。
とにかく事件?の多い話です。
殺人を偽装したり、詐欺に加担したり、とんでもないことをしてゆきます。 逆らえない状況であったとはいえ、ハックは何度も心の中で、このままではいけないとわかってはいても、抜けられない葛藤を繰り返すのです。
人の心が悪に向かうのは、そんな弱いところを守ろうとするからかもしれません。奇想天外な冒険をハラハラどきどき楽しむだけでなく、ハックの心の声が気になります。忘れてはいけない大切なメッセージがあると思いました。
ヘミングウェイはアメリカ文学はこの一冊からと評しているとの事。
こどもの頃にもどって
ハックの冒険を読んでみませんか?
(図書館スタッフ:小豆)
こんにちは、スタッフゆまたろうです。
今日は、この記事のタイトルでおなじみの半沢直樹シリーズ最新作を紹介します。
半沢直樹は過去に2度ドラマ化されていて、
最高視聴率42.2という記録を打ち出した大人気作品です。
東京中央銀行に勤める半沢直樹が、汚職や賄賂といった
政治や企業の汚い部分と正面から戦い、
必ず大逆転で勝利するという爽快感のある物語です。
今回の小説は、ドラマ化された内容の前日譚となっています。
本の帯に「探偵半沢、絵画の謎に挑む」とあり、
求めているものはそれではない、と本を手に取るのを躊躇しましたが、
読んでみるといつもの王道の展開でほっとしました。
もちろん最後はスカッとします。
ドラマ化はまだまだ先の話になりそうですし、
待ちきれない方はぜひ原作でお楽しみください。
ちなみに、半沢シリーズ全て揃えています!
『ロスジェネの逆襲』
『銀翼のイカロス』
(なごやの図書館スタッフ ゆまたろう)
皆さまごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
「かわいさ余って憎さ百倍」というように、相手を愛する気持ちが大きければ大きいほど、
それが憎しみに転じた時の感情も激しくなるものです。
太宰治『駈込み訴え』
イエス・キリストも、彼を裏切ったユダも、今まで幾度となく芸術や文学のモチーフに取り上げられてきました。この作品もその一つです。
口述筆記によって著されたともいわれており、
まさにキリストの居場所を密告するユダのセリフがそのまま物語になっています。
愛憎入り混じった切実なユダの訴えが生々しく、「読んでいる」というより「聞いている」気持ちになってくる作品です。
ぜひ、ユダの短いながらも濃厚な感情の渦にのまれてみてください。
※太宰治『駈込み訴え』は青空文庫からすぐに読めます。タイトルをクリックしてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)
皆様こんにちは、図書館スタッフの勝山道です。
早々の梅雨入り、そして夏の雰囲気に突入してきた、という雰囲気を日々感じております。
とはいえ今年の梅雨はこれまでほど不快感を感じませんでした。意識の変化でしょうか?しかし雨で家から出られない、といった事態は発生します。
そんな時はベタですが、お家で本でもどうでしょうか。
というわけで本日はしろとり図書館の蔵書よりミステリ小説の紹介です。
『追想五断章』
作品紹介(Amazonより引用)
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大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。五つの物語に秘められた真実とは?青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。
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著者は米澤穂信。著作としては映像化した『インシテミル』『氷菓』などが有名でしょうか。
本作はそうしたメディアミックスの機会を得てはいませんが、読み応えのある作品に仕上がっています。
本作を読んで最も印象深いのは、「思ったより読みやすい」と感じたこと。
個人的に、ミステリ小説とはマニアックなジャンルで、内容が難解だったり深淵であることが肝要とされている印象もありましたが、それはいち読者である私の思い込み。
少なくとも本作は読みやすく入りやすく、そして面白い作品でした。
内容についてですが、話の主題の流れがとても掴みやすくなっています。
要点である謎解きに五つの物語を探すという物質的な目標が設定されているため、いま話はどれくらい進んでいるのか?どれくらい重要な局面にあるのか?といったところが分かりやすく、一息に読み進めていく楽しさがあります。
現実離れしすぎない程度に非日常的な展開も丁度よく、登場人物のどこかにいそうな感じも含め、物語への没入感があります。
その登場人物も人数が絞られているため、再度登場したこの人は、いつどこで出てきて何をした人だったっけ?と頭を悩ませられることもありませんでした。これも読みやすさの一端でしょうか。
また、作品全体の雰囲気が明るくないことも、特徴として挙げられるでしょう。
バブル経済が弾けた平成5年ごろの日本を舞台とし、主人公含む登場人物も併せて、どこか退廃的な空気が漂い続けます。
そういった部分では読み手を選ぶ作品になっているかもしれませんが、そんなほろ苦さや渋みにも味を感じられるのであれば、ぜひとも読んでいただきたい一冊になっております。
という事で『追想五断章』はしろとりキャンパス曙館3階図書館にてご利用いただけます。
ご興味があれば是非ともご利用ください。
それでは失礼いたします。
(しろとり図書館スタッフ:勝山道)