「キリスト教」と一致するもの

広島で被爆した外国人神父たち

昨日、レバノンの首都ベイルートで非常に大きな爆発事故が起こりました。まさに文字通り「一瞬」、瞬きをしている間に、100人以上の尊い命が失われてしまったその惨状を目の当たりにして、言葉を失ったまま、今日、8月6日という日を迎えています。

今から75年前となる「1945年8月6日」、日本は世界で初めて(唯一)、原子爆弾による核攻撃を経験しました。当時、敵国であったアメリカが、広島の街に原子爆弾を投下し、一瞬のうちに14万人が死亡、市街は壊滅しました。昨日のベイルートの爆発事故で亡くなった人たちのおよそ1400倍の人たちの命が、核兵器によって奪われてしまったのです。

書物や写真、映像資料、「語り部」の方々による口伝により、私たちは当時の悲惨な状況について知ることができますが、それでも時代の流れというものは残酷なもので、75年が経った今、この「8月」を迎えてようやく先の戦争について思いをはせるほどに、日本の社会からは戦争の記憶が薄れてしまっています。

ところで、昨年の11月に次のようなネット記事を読みました。

「イエズス会16人被爆 ドイツ人神父ら 広島の惨禍 発信」(中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=94327

カトリック教会の修道会の一つ「イエズス会」の神父たち16人が、当時、広島で被爆をしたという内容の記事です(詳細はぜひリンク先をご覧ください)。

16名のうち、多くが日本の同盟国であった「ドイツ」の出身者。スペインや朝鮮から来た司祭たちもいました。爆心地のすぐ近く、あらゆる建物が倒壊し、各地で火災が起こっているような範囲にあった教会(司祭館)で被爆した司祭たちは、死こそ免れたものの、やはり、体中血まみれになったり、大きな傷を負って担架に載せられて避難せざるを得なかったようです。その後、急性放射性障害を発症し、入院して治療を受ける神父らもいました。しかし、そのような状況にもかかわらず、彼らのうちの何人かは、被爆したその日に、自分だけで逃げるのではなく、倒壊した家屋に埋もれた人を救出したり、教会にいて負傷した日本人信徒を背負って避難したのだそうです。当時、広島市街にいた神父たちは、同労者が大きな被害を受けたとの知らせを受けて、急いで市内に入り、そこで救護活動をしました(彼らはそのときに被爆したのでしょう)。彼らの体験記・手記は、イエズス会の会報誌などに掲載されていましたが、この度の調査によって、このように多くの事実が明らかになりました。

原子爆弾の被害を受けたのは、日本人だけではありません。ほんの一例ではありますが、このように外国人神父たちも被爆したという事実を、私たちは覚えておく必要があるかと思います。

また、「当時、日本が植民地支配していた朝鮮半島の人々も被爆しました。中には強制的に連れてこられ、広島や長崎で働いていた人たちもいました。広島の平和記念公園の中には韓国人原爆犠牲者慰霊碑があります。東南アジアなどから広島文理科大(現広島大)などに留学中の学生も被爆しました。また広島県内の発電所の工事に強制連行され、広島市内にいて被爆した中国人もいます。日本の捕虜となり、広島に収容されていた米軍捕虜の存在も忘れてはなりません。」(「外国人被爆者」中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター より引用)

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私たちの生きるこの国際社会には、核兵器の全廃と根絶を目的とする「核兵器禁止条約」というものがあります。2017年に、122の国や地域の賛成多数によって採決され、調印(署名)、批准(条約に関する国家の最終的な確認・同意)、参加の受付が始まりました。現在、署名した国は82か国、批准しているのは40か国。あと10か国の批准で、核兵器禁止条約が発効されることになります。

世界で唯一の戦争被爆国である私たちの国は、「核兵器禁止条約」に対してどのような態度を示しているのでしょうか。実は、日本は2017年の採決の際、アメリカなど核保有国や、ヨーロッパ諸国とともに「不参加」を表明しました。「核の傘」という言葉が使われますが、自国の軍隊を持たず、核を所有していない日本の安全保障は、核所有国であるアメリカとの二国間の軍事同盟によって成り立っていると考えられているため、アメリカに追従するしかないというのが、どうやら日本の姿勢のようです。「世界の平和は、軍事的な緊張関係によって保たれている」と説く人がいますが、それはまるで、シーソーの上に立って転倒しないように必死にバランスを取っている人のようです。そこから降りて、地面に立っている方が間違いなく安全であるということは、誰でも分かることです。

二度と戦争という罪深い行いによって、日本人の命も外国人の命も、失わせてはならない。過去の罪を悔い改め、正しさを求めて歩んでいくことを目指す「キリスト教」という宗教に属する一人として、8月6日という記念すべき日を迎えた今日、現在の日本の状況を憂えつつ、あらためて「真の平和」への思いを強くしたいと、そう願います。

  私たちが愛する日本は、人を殺す国ですか。人を生かす国ですか。

キリスト教の行事 その7

キリスト教にはイエス・キリストの生涯にちなんだ教会暦と呼ばれるこよみ、クリスマスとかイースターとかとは別に"行事"と呼ばれるものがあります。
まずは行事の一覧。

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今回は「こどもの日(花の日)」の紹介です。

毎年6月第2日曜日に行われます。150年ほど前、アメリカのメソジスト教会が6月第2日曜日を「こどもの日」としたことに由来しています。アメリカでは6月が一年中で一番花が咲く季節だそうです。教会へそれぞれ家から花を持ち寄って礼拝堂を飾り、礼拝後、その花をこどもたちが持って病院を訪問したり、交番や消防署や色々な施設を訪問するという行事です。こどもたちが自分たちで何か人のためになることをしたり、人に感謝の気持ちを表す教育的な行事としてできました。

(伝道師じゃないほう)

キリスト教の行事 その6

キリスト教にはイエス・キリストの生涯にちなんだ教会暦と呼ばれるこよみ、クリスマスとかイースターとかとは別に"行事"と呼ばれるものがあります。
まずは行事の一覧。

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今回は「アジア・エキュメニカル週間」の紹介です。
知らないカタカナ混じってる・・・とひいていかないでください。

"エキュメニカル"は日本語に訳すと"世界教会主義"、といいます。細分化されたキリスト教を統一していこうという運動を意味しています。キリスト教といっても一つじゃなくてキリスト教徒でも知らない宗派が無限に感じるほどあるので・・・。

ペンテコステの1週間前の日曜日を"アジア祈祷日"として、(その4でご紹介した世界祈祷日のアジア版みたいなもの、と思ってもらえればOKです)ペンテコステまでの一週間をアジアの教会を覚えて祈り、アジア地域が抱えるさまざまな重荷について考える期間として過ごします。

(伝道師じゃないほう)

12日(日)はCBCラジオ(AM1053kHz)の「キリストへの時間」に、黒柳 志仁先生(国際文化学部准教授)が出演します!
朝6:30~6:45、ちょっと朝早いですが、寝起きに黒柳先生の美声を聴くのも良い目覚めじゃないですか。ぜひお聴きください。

CBCラジオ「キリストへの時間」は、毎週日曜日の朝6時30分より放送されているキリスト教を紹介するラジオ福音伝道番組です。東海3県で毎週5万人の聴取者がある人気番組であり、1952年の第1回放送以来CBCラジオの最長寿番組記録を更新中の日本屈指の歴史あるラジオ番組でもあります。

【放送時間】
毎週日曜日 朝6:30~6:45

【7月の放送予定】
◎7月5日(日)
説教者:柳川 真太朗(キリスト教センター)
説教題:「真実を見極めるのは難しいよな」
聖 書:旧約聖書 ヨナ書 3章1~10節(※6~9節は省略)

◎7月12日(日)
説教者:黒柳 志仁(国際文化学部准教授)
説教題:「異なるものに目を向ける」
聖 書:旧約聖書 申命記 6章4~5節

◎7月19日(日)
説教者:琴 ひかる(名古屋中高 聖書科教諭)
説教題:「祈りでつながる 心のディスタンス」
聖 書:新約聖書 ヨハネによる福音書 15章4、5節

◎7月26日(日)
説教者:大薮 博康(名古屋中高 宗教部長)
説教題:「信じて祈りあう」
聖 書:新約聖書 マルコによる福音書 11章22~24節

※東海エリアの方であればリアルタイムでお聴きいただけますが、放送終了後に聴きたいという方、エリア外にお住まいの方は、インターネットラジオ「Radiko」をご利用ください(※エリアフリーは有料登録が必要です)。

キリスト教にはイエス・キリストの生涯にちなんだ教会暦と呼ばれるこよみ、クリスマスとかイースターとかとは別に"行事"と呼ばれるものがあります。
まずは行事の一覧。

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今回は「母の日」の紹介です。
一番知れ渡っているやつきたー!

この母の日は皆さんがご存知の母の日です。キリスト教由来の行事だと知らずに母の日すごしてませんでしたか?
1907年5月12日、アメリカでアンナ・ジャービスが、亡き母を偲び、母が日曜学校の教師をしていた教会で記念会をもち、母が好きだったカーネーションを贈りました。これが母の日の由来になっています。その後、5月第2日曜日に行われる教会行事となりました。

(伝道師じゃないほう)

キリスト教の行事 その4

キリスト教にはイエス・キリストの生涯にちなんだ教会暦と呼ばれるこよみ、クリスマスとかイースターとかとは別に"行事"と呼ばれるものがあります。
まずは行事の一覧。

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今回は「世界祈祷日(せかいきとうび)」の紹介です。

世界祈祷日は、毎年3月第1金曜日に世界祈祷日国際委員会から配られるテーマにそって祈るという行事です。1887年にアメリカの女性たちが移住者や抑圧されている人たちのことを念頭に覚えて始めた行事がもとになっています。

テーマは、2020年はジンバブエ、2019年はスロベニア、2018年はスリナム・・・といった風に世界の各国のグループが式文をつくっています。世界各地でかかえているものを世界中の共通の課題として祈ることで、「知ることから祈りへ、祈りから行動へ」とつながっていく、そんな思いで行われています。

(伝道師じゃないほう)

CBCラジオ「キリストへの時間」

今年も、CBCラジオ(AM1053kHz)の「キリストへの時間」という番組に、本学のキリスト教教育に携わる教職員が説教者として出演します!

CBCラジオ「キリストへの時間」は、毎週日曜日の朝6時30分より放送されているキリスト教を紹介するラジオ福音伝道番組です。東海3県で毎週5万人の聴取者がある人気番組であり、1952年の第1回放送以来CBCラジオの最長寿番組記録を更新中の日本屈指の歴史あるラジオ番組でもあります。


【放送時間】

毎週日曜日 朝6:30~6:45

【7月の放送予定】

◎7月5日(日)
説教者:柳川 真太朗(キリスト教センター)
説教題:「真実を見極めるのは難しいよな」
聖 書:旧約聖書 ヨナ書 3章1~10節(※6~9節は省略)

◎7月12日(日)
説教者:黒柳 志仁(国際文化学部准教授)
説教題:「異なるものに目を向ける」
聖 書:旧約聖書 申命記 6章4~5節

◎7月19日(日)
説教者:琴 ひかる(名古屋中高 聖書科教諭)
説教題:「祈りでつながる 心のディスタンス」
聖 書:新約聖書 ヨハネによる福音書 15章4、5節

◎7月26日(日)
説教者:大薮 博康(名古屋中高 宗教部長)
説教題:「信じて祈りあう」
聖 書:新約聖書 マルコによる福音書 11章22~24節


※東海エリアの方であればリアルタイムでお聴きいただけますが、放送終了後に聴きたいという方、エリア外にお住まいの方は、インターネットラジオ「Radiko」をご利用ください(※エリアフリーは有料登録が必要です)。

キリスト教の行事 その3

キリスト教にはイエス・キリストの生涯にちなんだ教会暦と呼ばれるこよみ、クリスマスとかイースターとかとは別に"行事"と呼ばれるものがあります。
まずは行事の一覧。

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今回は「信教の自由を守る日」の紹介をー、前回の元旦礼拝のお気楽さからするとずいぶん社会派な行事です。

2月11日は日本の建国記念の日となっています。でも教会では信教の自由を守られるよう確認するために、「信教の自由を守る日」としてこの日を過ごしています。
本ブログにも記事がありますねー。
2/11 信教の自由を守る日

ということでまた次回。

(伝道師じゃないほう)

今週のチャペルアワーの奨励(礼拝説教)の動画配信のご案内です。
第10回は、「BLM(Black Lives Matter)とキリスト教 ~ その表と裏と"オモテ" ~」というタイトルで、柳川真太朗さん(キリスト教センター職員・伝道師)が奨励をご担当くださいました。



・6月30日(火)13時~
 奨励者:柳川真太朗さん(キリスト教センター職員・伝道師)
 奨励題:「BLM(Black Lives Matter)とキリスト教 ~ その表と裏と"オモテ" ~」
 聖 書:新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 3章28節

チャペルに集ってはいなくても、ぜひ心穏やかに神さまに心を向けつつご視聴ください。
なお、次回以降の配信スケジュールは以下の通りです。

・7月7日(火)13時~
 奨励者:増田喜治先生(リハビリテーション学部教授)

・7月14日(火)13時~
 奨励者:黒柳志仁先生(国際文化学部准教授)

配信予告

明日は奨励動画配信の日です。
第10回は「BLM(Black Lives Matter)とキリスト教 ~ その表と裏と"オモテ" ~」と題して、柳川真太朗さん(キリスト教センター職員・伝道師)が奨励を担当してくださいました。

・6月30日(火)13時~
 奨励者:柳川真太朗さん(キリスト教センター職員・伝道師)
 奨励題:「BLM(Black Lives Matter)とキリスト教 ~ その表と裏と"オモテ" ~」
 聖 書:新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 3章28節

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