静かなのに強烈な物語
2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの作品のうち私の中では一番心に響いた作品です。
長崎県に生まれ両親の仕事のため英国に渡り、その後英国に帰化した作者。原文は英語で書かれて翻訳されています。
主人公は31歳のキャシー・H。介護人を勤めているキャシーが幸せだったヘールシャムでの生活を回想するー。
何気ない日々が淡々と描かれ、どこにでもある普通の学校生活の中で小さな出来事が続く毎日。
変化のない静かな物語だと思っていると、次第にその世界が普通ではないことに気づき始めるー。
予備知識なく読み進めたので中半まで静かな作品だと思い、衝撃の物語であることに気づきませんでした。
そのため読後感が余計に強烈だったと感じています。
自分がこの立場だったらー
この世界の先にはー
あくまでも冷静な視点で貫かれる作者の思いや、様々な問いが自分の中に残りました。
(図書館スタッフ:フエルトうさぎ)