ふがいない私たち
『ふがいない僕は空を見た』 窪美澄著
普通に高校へ通う男子と、コミケで知り合ったコスプレ好き主婦との不倫を中心に、
その周辺の人たちが主人公となり5つの物語がすすむ連作短編集。
「女による女のためのR-18文学作品」なので、はじめ少々過激な場面も出てくるが、
一冊を読み通した感想は、ほろ苦い青春の物語だ。
持って生まれた人それぞれのどうしようもない"業"、
思春期のもんもんとした気持ち、やるせない想い、情熱、
冷めた気持ち、温もり、などがこの一冊にいっぺんに詰まっている。
そして、助産婦さんの母親、不妊治療をしている不倫相手の主婦、
妊婦の担任教師などが登場し、「性」だけじゃなくて「生」も
物語の中で絡んでくるのがポイントとなっているように思う。
<名古屋のスタッフ 春>