6月のチャペルアワーで歌われる讃美歌471番「勝利をのぞみ」は、英語の歌「We Shall Overcome(私たちは必ず乗り越える)」をもとにした讃美歌です。
この歌は、1960年代のアメリカ公民権運動の中で広く歌われました。当時のアメリカでは人種差別が根深く法律や慣習の中に残っており、多くの人々が平等な権利を求めて立ち上がりました。
その運動を導いた人物の一人がキング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)です。キング牧師は、イエス・キリストの教えに基づき、暴力によってではなく、非暴力によって社会を変えようと訴えました。有名な「I Have a Dream(私には夢がある)」という演説では、肌の色やルーツの違いによって人が差別されることのない社会への希望を語りました。
「We Shall Overcome」は、そのような困難の中で歌われた希望の歌です。「私たちは必ず乗り越える」という言葉には、目の前の現実が苦しくても、正義と平和が実現することを信じ続ける思いが込められています。
私たちも日々の生活の中で、思い通りにならないことや、人間関係の悩み、将来への不安を抱えることがあります。しかし、この讃美歌は、どんな状況の中にあっても希望を失わず、一人ではなく仲間と共に歩むことの大切さを教えてくれます。
「勝利をのぞみ」とは、すでに勝利したから歌うのではありません。困難のただ中にあっても、希望を持って歩み続けるために歌う讃美歌なのです。
