【部屋の中で見る青空】君はこの蘊蓄の嵐に耐えられるか?!
ごきげんよう、スタッフのかえるまんじゅうです。
ミステリー作品における探偵役は、しばしば作品内の謎に関する知識について語りがち、
というのはジャンルにおける「あるある」ネタの一つだと思いますが、
今回ご紹介する作品の探偵役もまさにそのタイプです。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
ストーリーとしては、黒死館と呼ばれる屋敷で起こる連続殺人事件と、
屋敷に住む謎めいた一族や住人の謎を解くミステリ小説なのですが、
何よりもこの作品を異質な存在たらしめているのは、作中にふんだんに盛り込まれている蘊蓄の量です。
探偵役の法水が屋敷の建築やら美術品やら調度品やら蔵書やらに関する知識をこれでもかという程ひけらかしまくっているのです。
おまけに容疑者たちとのやり取りにも英語やドイツ語などの詩歌の引用をしつつ、鎌をかけたり真意を探ったりします。
「もう少しシンプルな会話が出来ないのか?!」と思いつつもなんとか最後まで読んだのですが、肝心のストーリーが蘊蓄の量に埋もれてしまっている気がしました。
それでも面白い作品であることは間違いないので、オカルトチックな雰囲気のミステリ小説に興味がある方、溺れるほどの蘊蓄を浴びたい方におすすめします!!
※小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は青空文庫からすぐに読めます。タイトルをクリックしてください。
(なごやの図書館スタッフ かえるまんじゅう)