「どうか私だけの神様でいて!」

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人が、人を救うことはできるのでしょうか?

 

彼女が求めていたものは、

自分の全部を受け入れ、何をしても決して見捨てず、

ただ愛しつづけ、赦しつづけてくれる存在でした。

 

直木賞候補作にもなっている、島本理生の「アンダスタンド・メイビー」

上下巻の長編でしたが、一気読みしました。

 

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人が人を救うことはできない。

自分を救えるのは自分だけ、と私は思います。

でも、自分を無条件に、絶対的に肯定してもらった経験や実感のない人は、

誰かに救いを求めつづけずにはいられないのではないでしょうか。

 

この本の主人公・藤枝黒江も、そんな「自分だけの神様」を求めつづけています。

機能不全の家庭で育ち、たくさんの傷を負ってきた彼女の、中学生から20代までの物語。

なぜ彼女の家庭が壊れたのか、

なぜ彼女は自分も周りも傷つけながらしか生きられないのか、

読み進むうちにどんどんわかってきます。

 

好き嫌いがはっきり分かれる本かもしれません。

もちろん、私にとっては好きな本の1冊になりました。

「私だけの神様」を一度でも追い求めたことのある人に。

 

( 瀬戸のスタッフ  うぱこ )

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