乙女

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乙女の密告」 赤染晶子 新潮社 第143回芥川賞受賞作品

 

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アンネ・M・フランクを密告した者とは一体誰なのか?

この謎は未だ解明されていない。

そしてアンネの家族を匿っていたミープ・ヒースが2010年1月11日に死亡し、

ついに当時を記憶する人物は1人もいなくなってしまった。

 

乙女という者たちは真実を求めない。

彼女たちが信じ、語るのは噂話だ。

そして、その噂を疑い真実を追究することは乙女を遺脱した行為とされ、

彼女たちに受け入れられることは決してない。

そんな乙女たちが憧憬の心を持って読む一冊の本。

それが「アンネの日記」である。

彼女たちは純粋な乙女であるアンネを崇拝する。

そして、第二次世界大戦下を生きたアンネの真実の姿を見ることは決してない。

しかし本書に登場するバッハマン教授は乙女たちに向かって何度も、

「アンネ・フランク」という名前こそが最も重要であると繰り返す。

 

バッハマン教授はなぜ、アンネ・フランクの名前に拘ったのか。

そして最後にアンネを密告したのは誰だったのか。

その真実が明らかにされる時、我々は改めて、

人間が一人一人持つ尊厳について考えさせられることになる。

 

(栞)

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